ヘール・ボップ彗星の情報

Comet 1995o1
1997年3月から4月にかけて、非常に明るくなり話題をさらった彗星です。

このページの|経緯今後Q&Aリンク|へ、それぞれジャンプ


ヘール・ボップ彗星画像リンク集

 画像リンク集です。掲示板形式のリンク集としてご好評を頂きました。日本から観測不可能となりましたので、現在は通常のリンク集として掲載しております。
 皆様のご協力で、たくさんの画像が登録されました。ありがとうございました。


<この彗星のここまでの経緯>

 一昨年(1995年)の7月22日、アメリカのアラン・ヘールさんとトーマス・ボップさんが、ともにいて座付近を観望中に(もちろん眼視で)発見した新彗星です。発見時10等台だったのですが、その後の観測や1993年に撮影された画像から、なんと木星軌道よりも外側(太陽からの距離が約7天文単位、ちなみに木星までの距離が約5天文単位)にあることがわかりました。

 10等台と言うような、小口径の望遠鏡でも観測可能な明るさであれば、通常は太陽にだいぶ近づいていることが普通なのです。その桁違いな明るさに、驚かされたのです(例えば、先日非常に明るくなった二番目の百武彗星も、発見時10等台でしたが、太陽からの距離は約2天文単位でした)。このことは、この彗星が相当巨大であり、そして太陽に近づく頃かなりの明るい彗星に成長する可能性を示唆していることになます。

 そして、その後も順調に増光が観測されました。一昨年(1995年)末から昨年(1996年)初めにかけて、太陽との位置関係で一度観測しづらい位置になりましたが、2月頃より再び明け方の空に観測され始め、順調な増光が確認されました。2月の終わりにはようやく木星軌道よりも内側に入りました。5月末からは6等台となり、肉眼で確認されることも多くなりました。

 8月〜9月の間、5等台後半〜6等でほとんど光度が変わらず、増光の度合いが鈍ってきて(妙な表現ですが)心配させられましたが、10月末には無事4等台に突入し、12月下旬には3等台に突入しました。

 昨年(1996年)末から今年(1997年)の年始にかけて、見かけの位置が太陽に接近するため、一旦観測しづらい位置となりましたが、年始早々、明け方の空に彗星は見え始めました。日が進むに連れて観測条件も徐々によくなり、1月下旬には2等台まで明るくなりました。その後も順調に増光し、2月中旬には、ほぼ1等級で観測され、夏の大三角の星々とほぼ同じ明るさになりました。またプラズマ(イオン)の青い尾が長く伸び始めました。

 3月に入って0等台へ突入した彗星は、3月中旬、ついにマイナス等級に突入しました。尾の方もダストの白い(やや黄色がかった)尾が目立ち始め、市街地でも肉眼で短い尾が観測されるようになりました。空の暗いところでは、プラズマ(イオン)の青い尾は20度を越えて見られました。また3月10日頃より、夕方の北西の空にも彗星が見えるようになりました。
 拡大像では2月半ば頃から見え始めた彗星のまわりの波紋のような模様は、3月に入っても引き続き見られており、話題となっています。

 さて彗星は、3月22日には地球に最接近(約1.3天文単位)となり、さらに4月1日には近日点を通過(太陽に最接近:約0.9天文単位)しました。この頃に-0.5〜-1.0等ほどまで明るくなったようです。4月に入って夕方北西の空にまわり、光度は徐々に暗くなりましたが、ダストの尾はむしろ太く長くなったようで、大彗星らしい立派な姿を見せてくれました。4月に入ってからは夕方の空だったこともあり、多くの皆さんがこの歴史的な大彗星の姿を見られたようです。

 5月に入っても、彗星はまだ立派な姿を見せておりましたが、5月20日頃を最後に位置関係の都合で日本では観測ができなくなりました。また南半球では6月中旬くらいまで、夕方の空に見られておりました。

 この後明け方の空に回った彗星は、オーストラリアなどの南半球で、7月上旬頃から明条件好く見られておりました。
 日本からは、9月中旬頃から明け方の南〜南東の低空に見られるようになりました。11月前半頃まで、見られてました(日本では緯度が南に低いほど、遅い時期まで観測が可能でした)。そして徐々に彗星は南下し、1997年の年末には那覇でも見ることのできない位置に達しました。事実上、日本からの観測は不可能となったわけです。

<この彗星の今後>

 南半球では、今後も観測可能な位置にありますので、しばらくは観測されていくことでしょう(98年1月現在で約8等)。1995年の7月に発見されたこの彗星は、大彗星というだけでなく、非常に長い期間にわたって観測できた彗星としても記録を残すことでしょう。
 そして彗星は、太陽系の果てへと去っていきます。次に太陽や地球へ接近するのは数千年後だそうです。果たしてその頃の地球はどうなってるんでしょうね。


<彗星(ほうき星)豆知識Q&A>

 「彗星って何?」と言う方は、ぜひ一度どうぞ。



<観測報告>

 当会メンバーによる観測報告です。現在の彗星の状況を出来る限り生に近い感覚でレポートしたいと思います。年が明けて増えてきましたので、別ページに移動しました。

<画像一覧>

 当会メンバーによる当サイトの写真・スケッチの画像集です。観測報告の中にあるリンクを抜き出して一覧にしてあります。また彗星の画像が見られるサイトへのリンク集もあります。
 他サイトを含む画像リンク集はこちらへ。


<お薦めリンク>


メールはこちら


 天showのコーナーへ FASのホームページへ戻る