彗星(ほうき星)豆知識Q&A
府中市郷土の森における星空観測会のパンフレット用に怪鳥が作成したものです。彗星って何?と言う方向けの内容になっております。
Q1.彗星って流星とは違うのですか?
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彗星と流星は違います。流星は太陽系空間に漂う砂粒のようなものが、たまたま地球の大気に飛び込んできて大気との摩擦で高熱になり発光する大気現象です。輝いているのは一瞬で、文字通り、まるで星が流れたように見えます。
彗星は太陽系空間を移動していきます。月よりもずっと遠いところにある天体で、地球から見ると、何日もかけてゆっくりと星座の星の間を移動していくように見えます。
Q2.彗星は金星のように輝きますか?普通に見えてる星と区別がつくんですか?
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金星のように明るくなる彗星は数百年に一つ現れるか現れないかです。金星を含め普段夜空に輝いている恒星や惑星は、肉眼では点像で面積を感じることができませんが、彗星はぼんやりしていて多少の広がりがあります。黒い床に漂う「わたぼこり」のような感じで、普通の星とは違うイメージに見られます。
Q3.彗星には尾が必ずあるのですか?
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彗星につきものの尾ですが、尾がみられない彗星もあります。同じ彗星でも、太陽から遠いときには、通常尾は伸びていません。また彗星本体に比べると尾は少し暗いことが多いので、都会では尾が見えなかったり、望遠鏡でないと尾が見えなかったりもします。
Q4.彗星の数はどのくらいあるのですか?
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一年間のうちに観測できる彗星は、だいたい20個前後です。ただ暗くて大きな望遠鏡でしか撮影できないものも多いです。肉眼で見えるような彗星は、数年に1個程度現れます。宇宙に彗星がどのくらいあるかは、はっきりわかっていません。
Q5.彗星は一度しか現れないのですか?
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彗星には二つのタイプがあります。一つは太陽のまわりを楕円軌道を描いて回っているもので、もう一つは一度太陽に近づいたら遠い宇宙空間へ旅立ってしまうものです。
前者は「周期彗星」と呼び、例えば有名なハレー彗星は76年で太陽のまわりを一回りします。周期彗星で明るくなるものは限られており、肉眼で見えるくらい明るいものは後者の場合が多いです。
ヘール・ボップ彗星は3千年程度で太陽の近くに戻ってくる軌道が計算されており、この二つのタイプの中間(長周期彗星)に当たります。
Q6.彗星はどのくらいの期間見えるのですか?
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よく「地球に最接近する一日しか見えない」ような報道がありますが、普通は少なくとも十数日間の観測チャンスがあります。一般的に太陽に近づいているとき、または地球に接近しているときに彗星は明るくなりますので、観測条件のよい期間はだいたい十数日から数ヶ月です。
Q7.彗星って何でできてるの?
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彗星は主に水や二酸化炭素・一酸化炭素といったガスが、氷りついて固まったものです。これが太陽に近づき太陽熱で熱せられると、氷が少しずつ融け、ガスが放出されます。また、砂粒のようなちりも一緒に固められていて、ガスとともに放出されます。放出されたものが彗星本体(核)のまわりに漂い「コマ」という、ぼんやりと見える部分を形成します。これらがさらに太陽風と呼ばれるプラズマの流れに流されると、長くたなびく「尾」を形成します。
Q8.彗星の大きさはどのくらいなの?
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彗星本体(核:氷の塊)は数km〜数十kmと言われてます。有名なハレー彗星は探査機によって長い部分が15kmくらいと測定されました。ヘール・ボップ彗星はハレー彗星よりも大きく、過去に観測された彗星の中では最大級であると言われてます。
また伸びた時の尾は非常に長く、池谷・関彗星のように地球と太陽の距離(1億5千万km)くらいまで伸びた尾を持つ彗星もありました。昨年見られた百武彗星は5千万km程度まで尾が伸びたと言われています。
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