二つ目の百武彗星の情報

Comet 1996b2
3月末、地球に接近し話題となった彗星です。
一つ目の百武彗星(1995y1)とお間違えのないように。



<この彗星のここまでの経緯>

 1月30日に、昨年の年末に百武彗星を発見したばかりの百武さんが、新たな彗星を発見いたしました。正式にはどちらも「百武彗星」なので、ここでは「二つ目の百武彗星」としてあります。

 その後、2月半ばには8等台となり、3月上旬には6等より明るくなって肉眼彗星となりました。順調に明るさを増し、3月20日頃からは光害のひどい都会でも、肉眼で楽に見えるようになりました。

 さらに、3月25日には地球に約0.1天文単位まで接近し、マイナス等級まで明るくなったようです。この頃の数日間は尾が非常に長く見られ、空の暗いところで実に50度以上、空の明るいところでも10度程の尾が肉眼で確認できました。また、位置関係の都合で、明るい彗星には珍しく真夜中に条件がよかったため、多くの方がその姿に感動したようです。

 4月に入って彗星は夕方の北西の空に移動してきました。地球から離れたため光度は若干暗くなり、2等台くらいで推移しました。頭部や尾は接近の頃の大きさ・長さはないものの、空の暗いところでは20度近い尾が観察されました。また写真では尾が非常に長く伸びており、中旬頃の写真では30度を越える姿が納められてます。また、一部の報告では、長く伸びた尾が天頂付近の条件のよい空で確認されてます。

 4月下旬に入り、彗星は随分と低空になりました。4月20日には肉眼で10度弱の尾が見られましたが、それが怪鳥が見た最後の姿でした。

 そして5月1日、彗星は太陽に最も近づいたようです(近日点通過、約0.23天文単位)。見かけの位置も太陽に近いため、人工衛星からの観測等特殊な環境を除くと、観測は全世界的に困難でした。

 5月8日頃より、南半球で明け方の空に見られ始めました。5/14日現在、彗星は3等で観測されてます。尾は4月に北半球で見られたときに比べて、ダストの尾が広がっているようです。詳しくはこのページのリンクから、Comet Observation Home Pageをご参照下さい。

<この彗星の今後>

 5月1日の近日点通過後は、赤緯が南に低くなるため、残念ながら北半球からは観測ができません。この彗星を再び見るためには、南半球へ出かける必要があります。

 この後も、南半球では6月頃まで肉眼で見られそうです。そして徐々に暗くなり、はるか彼方への長い旅に出ていくことになります。現在の軌道では数万年後、また再び太陽の近くに帰ってくるようですが、その頃の地球はどうなってるんでしょうね。



<導入用星図はこちら>
 彗星はこの位置に見えてました(一応、現在のシドニーにおける見え方の図もあります)。

<画像一覧>
・その1(〜3/28)

・その2(4/3〜)

 当会会員による写真画像及びスケッチ画像の一覧です。
(観測報告のページからも各画像へリンクされてます。)

<怪鳥の独断によるこの彗星の見え方解説はこちら>
 今となっては恥ずかしい内容になってしまいました(反省)。そのうちまとめも書きたいです。

<観測報告はこちら>
 今までこの下にずらずら書いてあったのですが、独立させてページとしました。



<お薦めリンク>

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