1997年9月17日の皆既月食の情報

 1993年6月4日以来、4年ぶりの皆既月食が日本全国で見られるはずでした。こちらの事前情報です。



 9月17日は全国的に皆既月食が見られます。本影食としては1995年4月15日以来、皆既食としては1993年6月4日以来、実に4年ぶりとなります。今回を見逃すと、皆既食が次に見られるのは3年後の2000年、半年後の2001年に一度あったのちはさらに6年後の2007年と、ここ15年くらいでは見られる機会が非常に少なくなってます。平日の早朝ですが、見逃さないようにしたい現象です。

皆既月食の進行

月食は9月17日早朝に起こります。つまり16日の深夜ですのでお間違いのないように(中秋の名月の晩です)。
半影食開始: 1時11分
本影食開始: 2時 8分(欠け始め)
皆既食開始: 3時15分
食の最大 : 3時47分(最大食分 1.20)
皆既食終了: 4時18分(皆既継続時間1時間3分)
本影食終了: 5時25分(欠け終わり)
月没   : 5時32分(東京の場合。他の地域では西に行くほど遅くなります。)
下記図中の月の位置は、東京でのもの

 半影食は真夜中を過ぎて、1時11分に始まります。半影はさほど暗くないので、始まってしばらくはわからないでしょう。本影食が近づくと、徐々に月の上側から薄暗くなっていきます。

 そして2時8分に本影食が開始となり、月面で黒い影がはっきりとわかるようになります。その後約1時間程かけて徐々に欠けていきます。皆既が近づく頃から、月の輝いている部分が少なくなって暗くなるので、影の部分が赤黒くなっていくのがわかるようになります。

 そして3時15分に本影の中にすっぽりと月が入って皆既食となります(その時にもよりますが赤銅色の月となるわけです)。3時47分に食の最大となり(食分:1.20)、4時18分まで1時間3分皆既食が続きます。

 さらに約1時間後、東京では月が沈む直前の5時25分に食が終わります。この頃には地平高度が低くなり、観測は難しいかもしれません。

 なお、月の地平線に対する位置は観測地によってかなり異なりますが(特に西日本の方が、月食後半の地平高度が高くなるので条件は好いと思います)、月食自体の進行の時刻は、全国どこでもほぼ一緒です。


こんな観測がおすすめ

 肉眼ならば、別のページに示した月食の色などについて観測するのが面白いと思います。また月食の様子を残しておくためには、色鉛筆によるスケッチが意外によく表現できます。細かくメモをしておいて、記憶のあるなるべく早いうちに、明るいところで彩色・清書するとイメージに近い記録を残すことができるでしょう。

 また写真も当然の主流ですが、最近はホームビデオも普及してますから、こちらで刻々と変化する様子を記録するのも良いかと思います。ただ皆既中の月はかなり暗いので、色が映るところまではいかないかもしれません(これは試してみないとわからないです)。実は怪鳥もビデオ撮影を予定してますので、レポートをお楽しみに(あとは天気次第ですかねー)。



<画像中継サイト>

  曇ったらネットで観察しようと思ってましたが、全滅だったようです。

倉敷科学センターの「皆既月食画像中継」
 怪鳥の友人三島君が勤める倉敷科学センターによる実験中継です。あくまで実験なのだそうですが、みんなで応援しましょう!。

みさと天文台の「皆既月食中継のページ」
 みさと天文台による静止画中継です。10分毎に更新されるそうです。

インターネット観望会の「皆既月食」
 NTTのWNN-UNIVERSEの中のページで、さじアストロパ−ク・佐治天文台によるライブ中継です。SoftwareVisionが必要。

<お薦めリンク>

「皆既月食を見よう」
 伊藤紀幸さんによる「星見に いこてば」に掲載されている皆既月食に関するコラムです。82.12、85.10の月食のお話もあります。

アストロアーツの中の観望ガイド
 アストロアーツのホームページの中で、月食の情報が掲載されてます。

横浜こども科学館の皆既月食情報
 横浜こども科学館・(財)横浜市青少年科学普及協会による皆既月食情報です。

「中秋の名月」のおはなし
 リトルによる中秋の名月の話題です。

過去の皆既月食ギャラリー
 怪鳥が観測した皆既月食の写真・スケッチを展示しました。82年12月、85年10月、86年10月、93年6月のものがあります。よかったら見てやって下さい。


お薦めソフト

 本ページでは、客星さん(竹迫忍さん)作成のフリーソフト「LMAP」による図・データを大変参考にしております。このソフトの作者の客星さんのホームページ
「古天文の世界へようこそ」はこちらです。古天文学について解説された必見のページです。客星さん、ありがとうございました。

 また本ソフトは、当会甲田さんの「古天文学と天文民俗学の部屋」のページの中の、古記録の検証に便利なソフトからダウンロードできます。



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