1999年度のおもな流星群

 1999年度の流星群について、怪鳥が簡単にまとめてみました。
(府中市郷土の森博物館にて1〜3月に配布した資料をWEB用に作り直しました。)

 この中で、ペルセウス座流星群、しし座流星群、ふたご座流星群は流星の数が多く見られるので、初心者でも楽しんで観測することができるでしょう。

流星群名出現期間おすすめ観測夜出現数備考
極大夜時間帯
こと座流星群4/15〜4/224/22〜2323時〜4時少ない数十年に一度大出現
みずがめ座η流星群4/25〜5/175/5〜63時〜4時少ない南半球では多く流れる
ポン・ウィネッケ流星群6/276/27〜2820時〜2時少ない昨年大出現(約100個/時)
みずがめ座δ流星群7/20〜8/25
22時〜3時少ない
ペルセウス座流星群7/20〜8/208/11〜1223時〜4時40速い、明るい流星多い
8/12〜1360
8/13〜1430
ジャコビニ流星群10/7〜10/1110/8〜919時〜22時少ない非常にゆっくり、昨年大出現(約100個/時)
オリオン座流星群10/2〜10/3010/21〜220時〜5時15速い
おうし座流星群10/15〜11/30
22時〜5時少ないゆっくり、火球が多い
しし座流星群11/10〜11/2511/16〜171時〜5時20非常に速く、痕を残す、明るい流星も多い、大出現の期待
11/17〜1850以上
11/18〜1920
ふたご座流星群12/5〜12/2012/13〜1421時〜5時402時頃に輻射点が天頂
12/14〜1560
こぐま座流星群12/17〜12/2512/22〜231時〜5時少ない
しぶんぎ座流星群1/1〜1/71/3〜42時〜5時20
1/4〜510

おすすめ観測夜
出現期間中、比較的数多く流れると思われる夜を示してあります。二重日付で表示しています。例:1/1〜2 1時〜2時 → 1/1の深夜(1/2の未明)の1時〜2時
空欄は、極大がはっきりしていなくて比較的長期間見られる群です。
出現数
一時間あたりの出現数。最近の出現数を参考に怪鳥が決めました。これよりも多い場合も少ない場合もありますので、観測の目安程度に考えて下さい。

各流星群の概要紹介

こと座流星群(4/23頃)

 こと座流星群は過去に何度か大出現(1時間に100個程度)したことがある流星群で、また非常に古くから出現記録のある群として有名です。母天体は周期約400年のサッチャー彗星と言われてますが、彗星の接近とは関係なく大出現を起こしているようです。
 例年は1時間あたり10個以下程度の出現数で、あまり活発とは言えませんが、いつ大出現が起こるかどうかわからないという点では注目できる流星群でしょう。過去の大出現のからの極大時刻は今年は4/22〜23日の1時頃にあたり、月もなく観測条件自体は絶好です。

みずがめ座η流星群(5/5頃)

 5月のみずがめ群は、南半球では1時間に50個を超える活発な活動をみせる流星群です。ただ輻射点が南にあるため、日本では明け方の1〜2時間しか観測できません。輻射点も高くならないので、例年1時間あたり10個以下程度です。
 今年は満月過ぎの月あかりも邪魔になり、観測条件はあまり好くありません。ちなみに流星群の母天体はハレー彗星です。

ポン・ウィネッケ流星群(6/27頃)

 母天体がポン・ウィネッケ彗星であり、過去、1916、1921、1927年に活発な流星群活動をみせた流星群です。その後ポン・ウィネッケ彗星の軌道が地球軌道から離れてしまったため、ほとんど群活動は見られなかったのですが、昨年、日本国内で大出現(1時間に100個程度)をみせ、驚かされました。
 なぜ昨年に大出現したかは、現在も議論されているところですが、一般的には今年は流れないのではないかという意見が主流のようです。

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みずがめ座δ流星群(7月下旬から8月上旬頃)

 7月のみずがめ群は、いくつかにわかれた輻射点からの流星群活動があります。一つ一つを区別するのは難しいのですが、トータルすると1時間に10個程度に及ぶことがあり、この時期は南空からの流星が目立ちます。
 極大ははっきりとはしていなくて、長期間にわたって観測されます。また同じ時期、近くのやぎ座にも流星群が見られます。

ペルセウス座流星群(8/13頃)

 8月のペルセウス座流星群は、学校は夏休み、またお仕事をされてる方もお盆休み期間にあたることが多く、多くの方が観測しやすい流星群の一つでしょう。流星雨のように流れる可能性は少ないものの、空の暗いところならば1時間あたり60個以上見えることがあります。
 ペルセ群は23時頃から見え始めますが、最も多く見られると予想されているのは8/13の明け方です。また前の晩や次の晩もかなり流れますので、この日都合が悪かったり、天気が悪かったりしてもあきらめず、チャレンジしてみましょう。ペルセウス座流星群は、スピードが速く、また明るい流星も多いので、見ごたえのある流星群です。

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ジャコビニ流星群(10/9頃)

 ジャコビニ群は母天体が周期約6.5年のジャコビニ・チンナー彗星で、この彗星が地球軌道に接近する前後に大出現することがあります。過去1933、1946、1985年と大出現を記録しました。そして彗星が接近した昨年、1時間あたり100個近くの大出現が見られました。
 今年は大出現の翌年にあたるため、ほとんど見られないと推定されますが、大出現の前年の一昨年、ベテラン観測者が少ないながらも出現を確認してますので、今年もわずかな出現は見られるかもしれません。

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オリオン座流星群(10/22頃)

 10月のオリオン群は、母天体がハレー彗星である流星群です(ハレー彗星からは5月のみずがめ群とこの群の2つの流星群が生成されてます)。目立って多く流れることもありませんが、例年、確実に1時間に10個以上の出現記録のある堅実な群でもあります。
 今年の極大夜は2時過ぎに月が沈むので、それ以降が観測しやすいでしょう。流星は速いのが特徴です。

おうし座流星群(11月上旬頃)

 おうし座流星群は10月末から11月の半ばまでの期間にわたって、長く見られる群です。流星の数自体は、1時間あたり数個程度と少ないのですが、ときおり赤みを帯びた火球が見られるので印象深い群です。偶然目撃するケースも多いので、覚えておいた方が良い流星群といえます。

しし座流星群(11/18頃)

 昨年、「流星雨が見られるかもしれない!」と日本中で話題となったしし座流星群ですが、今年も(今年こそ?)大出現の期待がされてます。
 しし座流星群は、その流星の元になる砂粒をまき散らす「テンペル・タットル彗星」が約33年おきに地球付近に戻ってくるので、彗星の前後にある砂粒の濃密な部分に地球が出会う可能性のある約33年おきに流星雨の可能性があります。今回、この彗星は1998年春に戻ってきましたので、昨年、今年、それから来年あたり、地球上のどこかで流星雨になるのではないかと期待されてます。昨年は、東ヨーロッパなどで1時間に数百個の出現があったものの、1時間に千個を越えるような「流星雨」状態は見られず、日本でも1時間に50個から100個程度でした。
 現段階では、今年は11/18の10〜11時頃が極大と予想されており、日本では昼間にあたってしまいます。しかしながら、昨年は予想の極大よりも約16時間も早い時間帯に多くの流星が見られたように、流星の極大予報は難しく、今年もどうなるかはわかりません。一応11/18の明け方が日本では最も多く見られると期待されますが、その前の晩や次の晩も注目しなければならないでしょう。

 しし座流星群は、火球と呼ばれるような明るい流星も多く見られます。このため、市街地など街灯の多い場所でも立派な流星が見られるチャンスがあります。また時折、流星の流れたあとに「痕(こん)」と呼ばれる雲のすじのようなものが残ることがあり、これを観察するのも面白いものです。

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ふたご座流星群(12/14頃)

 明るい流星の多いペルセウス座流星群やしし座流星群と比べると地味ですが、数だけなら一年で一番流れるかもしれないのが、このふたご座流星群です。輻射点が深夜の2時頃天頂(頭の真上)付近になり、効率よく流星を観測することができるからです。1時間に50個以上流れる期間もかなり長く、また時間帯も21時頃から見え始めますので、次の日仕事や学校があっても、真夜中まで見て終わりにすることが可能です。ぜひ一度チャレンジしたい群ですね。
 ただ、しし群の11月もそうですが、この時期は寒いので防寒にはしっかりと気をつけたいですね。

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こぐま座流星群(12月23日頃)

 年も押し迫った頃、こぐま座流星群が活動します。過去に何度か多い出現(1時間あたり50個以上)をみせたことがありますが、例年は1時間に10個以下です。1981年には明るい流星が増加したこともありました。1999年はほぼ満月の月明かりの中になりますので、残念ながら少々条件は悪くなってしまいます。

しぶんぎ座流星群(1/4頃)

 輻射点はりゅう座とうしかい座の境界近くにあるのですが、その昔その辺りに「しぶんぎ座」という星座があったことから、しぶんぎ群と広く呼ばれている流星群です。
 例年は1時間に20〜30個程度ですが、50個を越えるような年もあります。2000年は極大が昼間にあたってしまうため、それほど多くは流れないかもしれません。

観望のポイント



 
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