98年6月27日の夕方〜晩に見られた流星群

 1998年、6月27日夕方から晩にかけて、日本各地で突発的な流星群の活動が見られました。この流星群についての情報です。


<例年には見られない活発な流星群活動>

 日本流星研究会のメーリングリストなどの情報によると、6月27日の夕方から晩にかけて、活発な流星群活動が日本各地で捉えられたようです。出現数は、1時間あたりに50〜100個程度とみられており、これは少なくとも、年間の流星活動の最大群である8月のペルセ群や12月のふたご群に匹敵するものです。
 この日は全国的な梅雨空のため、観測されたのは晴れ間の広がった沖縄や、一部の晴天域などに限られてしまったのが残念です。

 時間帯は夕方〜23時頃までですが、詳しい情報はまだ集まりきってません。またFM波などによる電波観測では、日没前から流星数の増加が捉えられたようです(電波観測では、群流星とその他の流星との区別は難しいですが、全体の流星数の増加から群活動が推定できます)。

 輻射点もまだはっきり確認はされておりませんが、おおくま座・うしかい座・かんむり座辺りとされてます。
 なお過去には、この6月27日に、「ポンス・ウィンネッケ群」という流星が見られたことがあり、輻射点の位置(この群の輻射点はりゅう座とうしかい座の境界付近とされています)が近いため、関連があるのではないかという意見が多いようです。

 なお怪鳥の個人的な見解ですが、ポンス・ウィンネッケ彗星の軌道上に流星物質が広く分布した場合、その流星物質の一部が9年程前に木星に近づいて、1公転半後の今年地球に近づく軌道になる可能性がありそうです。今後もっと専門的な研究家から、色々意見が出てくることでしょう。

<ポンス・ウィンネッケ群>

 ポンス・ウィンネッケ彗星を母彗星とする流星群で、過去に1916年、1921年、1927年に活発な流星群活動が見られました。その後は、彗星軌道が地球から遠ざかってしまい、ほとんどまとまった活動を見せてない流星群です。
 詳細は
吉田誠一さんのホームページ  に書かれております。ぜひご参照下さい。
 (当ページでは「ポンス・ウィンネッケ」の表記については、とりあえず昔怪鳥が調べたときの表記を使用してます。単に怪鳥がこの表記に慣れているだけの理由です。ご了承下さい。)

<火球情報>

 当会会員の漆畑さんなどは、27日19時32分頃、静岡県焼津市で観望会中に-4〜-5等の火球を目撃したそうです。現在怪鳥に入ってきている情報からは、火球の経路がややはっきりしてないのですが、今回の流星群に属する火球の可能性があります。もしそうであれば、薄明中の夕方から火球出現などの活発な活動があったことになります。

<流星情報について>

 もし、6月27日の夕方から深夜にかけて、流星を見られたというかたがおられましたら、ぜひ状況をお寄せ下さい。流星群活動の状況を知るうえで、何らかの参考になる可能性があります。よろしくお願いします。

 怪鳥宛メールはこちら

 なお、メールの内容につきまして、こちらから質問をさせていただく場合があるかもしれませんが、ご協力頂ければ幸いです。



 実はこの日、当会では富士山遠征観測会でして、星空を楽しむ予定だったのですが、道中及び到着後、ずっと曇・雨の天気で、流星活動を見ることができませんでした。到着前の静岡県では、晴れ間があったようで、とても残念です。

 なお、日本で今回のような50個/時を越えるような突発的流星群が観測されたのは、(怪鳥の記憶では)1985年のジャコビニ群以来だと思います。ジャコビニ群も母彗星が戻ってきていた年で、予想を大幅に越える活動だったというだけであり、今回のように(一部の熱心な観測者を除いて)全くノーマークだった流星群(あるいは未知の群)の活動は非常に珍しいことです。流星群というものの奥深さがうかがえる、今回の現象だったと言えるでしょう。


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