1998.12.13〜14 Time min Ls h Lm Cl All Gem HR CHR ZHR Obs. Rec. --------------+--+-------+-----+----+--+---+---+----+----+-----+------------+---------- 21h00m-21h30m 30 261.30 34.9 6.1 0 15 9 18 22 50 佐藤智子 寺久保一巳 21h30m-22h00m 30 261.33 40.7 6.0 0 20 15 30 38 72 寺久保一巳 佐藤幹哉 22h00m-22h30m 30 261.35 46.6 6.0 0 27 20 40 51 82 寺久保一巳 佐藤幹哉 22h30m-23h00m 30 261.37 52.7 6.1 0 32 22 44 53 75 佐藤幹哉 佐藤智子 23h00m-23h30m 30 261.39 58.7 6.1 0 15 14 28 34 43 佐藤智子 寺久保一巳 23h30m-24h00m 30 261.41 64.8 6.1 0 27 22 44 53 62 寺久保一巳 佐藤幹哉 24h45m-25h15m 30 261.46 80.1 5.8 0 36 31 62 86 88 佐藤幹哉 佐藤智子 25h15m-25h45m 30 261.48 85.8 5.5 0 34 27 54 86 87 佐藤智子 寺久保一巳 25h45m-26h15m 30 261.51 86.3 5.5 0 41 36 72 115 116 寺久保一巳 佐藤幹哉 26h15m-26h45m 30 261.53 80.6 5.7 0 68 53 106 154 158 佐藤幹哉 佐藤智子 観測地:山梨県鳴沢村左から、開始-終了時刻(Time)、観測時間(min)、太陽黄経(Ls,2000)、輻射点高度(h)、最微星光度(Lm)、雲量(Cl)、全流星数(All)、ふたご群流星数(Gem)、一時間当たりの流星数(HR)、修正一時間流星数(CHR)、天頂修正流星数(ZHR)、観測者(Obs.)、記録者(Rec.)です。
観測は30分単位で21時から開始しました。24時までは30分あたりで20個(HR=40)程度で推移しました。24時を過ぎて30分あたり30個(HR=60)を超えて、1分に1個のレベルに達しました。26時30分(2時30分)をはさんだ30分間にはついに50個(HR=100)を超え、非常に活発な出現を見せました。
ふたご群は26時(2時)頃に輻射点がほぼ天頂となり、見られる流星は最も多くなりますが、その効果を考慮したZHR値でも最後の30分で最大となり、ふたご群自体の活動が増加していった様子がうかがえます。月明かりや翌日の都合で明け方を待たずに観測を終了しましたので、その後の変化の様子はわかりませんでした。他の観測の結果が気になるところです。
ふたご群自体は、下記にもある通り14日午後に極大があると考えられてますので、上の観測の翌晩(14〜15日)にもかなりの活動が見られると思います。当会ではこの晩は観測しておりませんが、日本流星研究会(NMS)のふたご座流星群・速報集計などに掲載されますので、ご参照下さい。
以下は極大前に掲載した事前解説情報です。
流星は、そのほとんどが彗星(ほうき星)がまき散らした砂粒のような塵(ちり)が元となってます。このような彗星のことを流星群の母天体(例えばしし座流星群では、母天体はテンペル・タットル彗星)と呼びますが、ふたご群の母天体としてあげられているのは、約1.6年で太陽のまわりを回るファエトンという小惑星です。
つまり、かつてファエトンは彗星活動をしていたのですが、現在はガスを全て放出し尽くし、小惑星状の天体として残っていると考えられてます。したがって、ふたご座流星群の元になる砂粒も、過去に彗星活動をしていた頃のファエトンから放出されたものが、現在まで分布しているものということになります。
新たに砂粒が補給されないこともあり、砂粒の分布はかなり均一化してるようで、しし群のように何年かおきに大出現を見せることはありませんが、逆に毎年コンスタントに1時間あたり50個程度の活動を見せることになります。
これに比べると、ふたご群の流星は地味です。それほど速くなくもなく落ち着いた速度で、際だって明るい流星もないけども、そこそこの明るさの流星です。また痕がほとんど残らないのも、一つの特徴です。
ふたご群は、輻射点がふたご座のカストルの近くにあります。地上から見た場合、流星の砂粒が、おおよそこの方向から飛び込んでくることになります。流星となって見える時には、上図のように、輻射点の方から四方八方に流れてくるように見られ、流星経路を逆にたどると、ふたご座の方向に集まることになります。
この時期ふたご座は、2時頃にほぼ頭の真上(天頂)に位置します。したがって2時前後には、流星は頭の真上から降ってくるように見えることになります。
過去の観測から見た場合、一応今年の極大は14日の16時前後で日本では観測が不可能な時間帯にあたりますが、12月13〜14日、14〜15日の2晩はほぼ同じくらいの流星が見られそうです。
次に時間帯ですが、流星群は輻射点が地平線の上に出た頃から流れ始め、輻射点の地平高度が高く上るにつれて数が多くなります。ふたご群は18時台には輻射点が上りますので、夕方暗くなってすぐから流星が流れる可能性はあります。
実際には輻射点が上ってくる22時頃からが見頃になります。2時頃輻射点が頭の真上(天頂)になり、理論上は最も流星が多く見られることになります。その後も徐々に少なくなるものの、明け方まで流星は流れ続けます。
ただ今年は2時〜3時頃に月が上ってきて、月明かりで暗い流星が見づらくなります。おすすめの時間帯は22時〜3時頃となります。空の暗いところならば、1時間に50個程度が見られることでしょう。市街地では、残念ながら数分の1〜10分の1程度に減ってしまいます。ただ冬場は晴れ上がれば空がきれいなので、悲観せず観察してみましょう。
当然この時期は寒いので、防寒、特に腰や足には気をつけましょう。
ふたご座流星群の頃はまとまった休みがないので、FAS府中天文同好会ではこれまであまり観測されてきませんでしたが、今年は13日の晩に観測する予定です。もし観測できましたらこちらで紹介させて頂きます。