1999年のしし座流星群の情報

 11月18日頃極大を迎えるしし座流星群(しし群)の情報です。今年も世界中のどこかでは流星雨が見られるのでは?と期待されていました。


<現在までの状況>

<11/19明け方の観測報告・暫定版>

Nov.18-19/1999
Time          min   Ls      h    Lm  Cl All Leo   HR  CHR  ZHR   Obs.        
--------------+--+-------+-----+----+--+---+---+----+----+-----+------------+
00h00m-00h30m  30  235.84  14.3  5.5  0   9   7   14   22  183  寺久保 一巳 
00h30m-01h00m  30  235.86  20.2  5.3  0  15  10   20   35  174  中村 清英   
01h00m-01h40m  40  235.89  27.2  5.8  0  59  45   68   94  304  佐藤 幹哉   
01h40m-02h10m  30  235.91  34.3  5.8  0  32  31   62   86  204  中村 清英   
02h10m-02h40m  30  235.93  40.4  5.8  0  45  41   82  114  218  寺久保 一巳  
02h40m-03h10m  30  235.95  46.5  5.8  0  60  51  102  142  229  佐藤 幹哉   
03h10m-03h40m  30  235.97  52.6  5.8  0   -  41   82  114  161  中村 清英   
03h40m-04h10m  30  235.99  58.6  5.8  0   -  33   66   92  116  寺久保 一巳  

<関連記事>


以下、事前掲載情報です。

 このページでは、しし座流星群の概要を説明してます。この他に以下のようなページを用意してますので、合わせてご覧下さい。


<しし座流星群概要>

 しし座流星群(しし群)は毎年見られる流星群の一つです。しかし約33年毎に大流星雨となる可能性があります。
 前回は1966年にアメリカで大出現が観測されました。その数は諸説あるものの、なんと1秒間に約40個(1時間あたりになおすと約15万個!)というものすごいものだったそうです。そのほか、1799年、1833年などに見事な流星雨が記録されてます。

 流星は、砂粒のような粒子が地球の大気に飛び込んできて、大気との摩擦でさまざまなことが起こり、光を発したものです。しし群は、テンペル・タットル彗星から放出された砂粒が、地球に飛び込んできて流星として見えているものです。

 テンペル・タットル彗星は約33年で一回りして、太陽の近く、つまりは地球軌道の近くに戻ってきます。太陽に近づくと彗星が熱せられ、凍っていたガスが吹き出ますが、この時に砂粒なども一緒に放出されます。
 彗星は放出された砂粒を引き連れて太陽のまわりを回ります。何周も回っていると砂粒は徐々に拡散して、軌道上に散らばります。この場合、毎年地球が通過することで流星が見られます。

 しかし彗星の近くには常に新しい砂粒が彗星から放出されるため、非常に濃密に砂粒が分布してます。たまたまこの帯の中を地球が通過すると、大流星雨になるわけです。テンペル・タットル彗星は1998年の2月に33年ぶりに太陽に接近しましたので、ここ数年、地球軌道付近の砂粒の帯は濃密だと考えられています。


<地球が通過する様子>

 地球がテンペル・タットル彗星の軌道の近くを通過するのは、11月18日頃です。彗星よりもやや遅れて回っている砂粒の帯の中を通過することになります。

 しかし、この部分の帯がどのようになっているかは、全くわかりません。これは流星となる砂粒はせいぜい数グラムでとても小さいため、直接観測ができないからです。たとえば上図のように地球が通過すると、粒子の大きな帯は通過して火球クラスの明るい流星を多く出現させますが、大流星雨となるような濃密な帯は通過しないことになります。ちょうど昨年はこんな状況だったと考えられます。



<大出現はあるか?>

 今年、地球軌道面上で彗星自体の軌道と最も接近するのは、11月18日10時30分頃です。一般的にはこの時刻が極大と予想されています。もしそうだと日本では昼間で観測できないことになり、西アジア〜ヨーロッパが条件が良いとされてます。
 しかし、昨年は条件の良いはずだった日本では思ったほど流れず、それよりも約18時間も早い時間帯に火球クラスが多く流れました。今年もどうなるかは、実際に世界中で観測しないとわからないのです。

 また、実際に大出現があるかどうかもわかりません。昨年は東ヨーロッパなどで1時間に数百個の出現があったようですが、大流星雨はありませんでした。日本では1時間に60〜100個程度でした。


<観測日?観測時刻?>

 しし座流星群は11月に入ると少しずつ流れ始めます。しかし本当に多く見られるのは1晩でしょう。
 今年日本で最も多く見られそうなのは、11月17日深夜〜18日明け方にかけてです。一般的にはこの日に観測するのがおすすめです。しかし極大がずれるかもしれないので、その前後の晩も注目されてます。

 しし座流星群は、流れた流星の経路を逆にたどると、しし座の大がまと呼ばれる付近に集まります。これを輻射点(ふくしゃてん、最近は放射点:ほうしゃてんと言う)と呼び、地上から見た場合に流星が飛び込んでくる方向を示してます。このため輻射点(しし座)が地平線の下にあるうちは、流れる流星も地平線の下となり、流星は見られません。
 輻射点は23時頃に地平線から上ってきますので、この時刻から明け方まで観測することになります。運がよければこの時間中のどこかで、流星雨が見られるかもしれないわけです。


その他の参考ページ


 天showのページに戻る