- 1996.04.29 夕方
この日怪鳥は再び八ヶ岳の観音平へ行ってきました。近日点通過を翌々日に控え太陽にかなり近いこの日、薄明に紛れてまず見られないとは思いましたが、条件の好い空でも見えなくなったことを確認したくて出かけました。しかし、夕方から西の空は雲に覆われ、確認はできませんでした。結局、私がこの彗星を最後に見たのは4/20となりました。
- 1996.04.20 19h20m〜20h30m頃
この日怪鳥は10日に訪れた八ヶ岳の観音平へ行ってきました。空の状態はよく、百武彗星もかなりはっきり見えてました。ただ、西空低くなり、薄明の明るい空に紛れがちです。光度はやはり2等台で、思ったよりは明るくなってませんでした。尾は肉眼・双眼鏡で10度弱までは確認できました。
またさらに尾の延長上と思われたきりん座〜おおくま座の辺りでは、13日の藤橋で見たときと同様にぼんやりしたものが見られます。これが正しければ、尾の長さは50度にも及ぶことになります。写真撮影も試みましたが(5分ガイド撮影)、それらしきものは写りませんでした。ぼんやり見える位置を記録しておいて、家に帰ってからシミュレーションソフト「StellaNavigator」で調べたところ、1天文単位まで尾が伸びていれば、この日に見たぼんやり見えてる場所まで尾が伸びていることになるようです。うーむ・・・。
観測機材:フジノン双眼鏡(8x30:8倍30mm)
透明度:4〜5/5
この日怪鳥が撮影した写真です。(50mm 3分30秒露出 23k JPEG)
25度くらいまでは、尾が伸びているのがわかります。
- 1996.04.15 19h15m頃
春霞が若干ありましたが、府中の空でも確認できました。13日に藤橋で見たときと比べると、かなり貧弱に見えてしまいます。やはり光害のある空ではつらいですね。しかしながら、肉眼ではぎりぎり見えてないなと言う感じでして、3cmの双眼鏡があれば楽に視野に導入できます。
観測機材:フジノン双眼鏡(8x30:8倍30mm)
透明度:3/5
- 1996.04.13 19h30m〜20h頃
この日、NIFTY-Serveのスペースフォーラムの方々と、岐阜県藤橋村で観測会となりました。少々冷え込んだのが幸いして、比較的よい空での観測ができ、肉眼でも15度程に伸びた尾を確認しました。またこの日は各地から色んな方のたくさんの機材が集まり、各種双眼鏡でその姿を拝みました。比較的倍率の高いものでは、頭部の非常に立派な姿が楽しめ、また低めの倍率では、ながーーーく伸びた尾が見えました。
ちょっと気になったことがあります。肉眼であきらかに確認できたのは15度程までなのですが、さらに条件の良い天頂付近のおおくま座の辺りでも、尾の延長上がなんとなくぼんやり見えるような気がするのです。写真では30度くらいまでは確実、その先も撮影したのですが、ばたばたしてたので露光不足で確認できませんでした。あれは幻?それとも尾が発達したのでしょうか。今週末、最後のチャレンジをしたいと思います。
観測機材:フジノン双眼鏡(8x30:8倍30mm)他多数
透明度:4〜5/5
この日怪鳥が撮影した写真です。(50mm 2分30秒露出 19k JPEG)
長い尾が淡く伸びています。
- 1996.04.12 20h00m頃
非常に澄み渡った空だったので、自転車で自宅近くの公園まで出かけ、この彗星を見ました。街灯が目に入ってしまうので、肉眼ではなかなか見られませんでしたが、双眼鏡では(府中だという事を考えると)非常にきれいに見えました。光度は2等台、尾は5度くらいまで伸びてます。最近、頭部と比較して尾が太く感じるようになってきた気がします。ダストの尾が発達してきたからでしょうか。
観測機材:フジノン双眼鏡(8x30:8倍30mm)
シーイング:5/10、透明度:4/5
- 1996.04.10 19h30m〜21h頃
最近人の話によると、光害のひどい空と暗い空では随分見え方が違う様子です。このため、私怪鳥が会社の創立記念日で休みであったこともあり、暗い空と晴れた空を求めて八ヶ岳近隣まで出かけてきました。薄明が終わる頃に着いた大泉高原では、薄雲が広がってましたが、それでも肉眼でぼーっとした彗星の姿と、かすかに伸びた尾が見られました。双眼鏡では視野(約6度)に少し欠けるくらいの尾が見え、さすが!と言う姿でした。
ただどうしても雲が行き交うので、場所を転々と移動した結果、観音平と言うところで、非常に透明度のよい空に出会うことができました(天頂付近の最微星光度は実に6.5等前後)。ここでは既に地平高度15度を切る低空でしたが、尾が双眼鏡で約10度程に伸びているのを確認しました。光度はペルセウス座のα星(1.8等)と同じくらいで、おそらく1等台後半ではないかと言う気がします。3月下旬の地球への接近時よりも見かけの大きさ自体は小さいのですが、双眼鏡で見る尾はまさに過去の大彗星の写真のようで、非常に見応えがあります。今後も尾が発達してくるでしょうから、西空低く見えなくなるまで追いかける価値がありそうです。
観測機材:フジノン双眼鏡(8x30:8倍30mm)
シーイング:4/10、透明度:5/5
この日怪鳥が撮影した写真です。(50mm 30秒露出 25k JPEG)
- 1996.04.06 20h頃
嫁のリトルと掩蔽のページでおなじみのN10さんと、自宅近くの国分寺跡まで百武彗星を見てきました。肉眼ではわからず、5cm屈折でようやっと探し当てました。3cmの双眼鏡が一番見やすく、1度弱でしょうか、尾も伸びてるようでした。彗星自体の地平高度が低いことと透明度があまりよくなかったことから、地上の光害の影響を大きく受けてしまい、とても貧弱な姿にしか見えませんでした。明るさは2等台後半か3等といった感じでした。
ただ他の方の話では、空の暗いところではまだ10度もの尾が見えてるそうです。尾自体はこれから太陽に接近するにつれて発達していくでしょうから、まだまだ期待したいところです。
観測機材:5cm屈折(f=400mm)10倍
フジノン双眼鏡(8x30:8倍30mm)
ワイドビノ(オペラグラス 2.3x40mm)
シーイング:6/10、透明度:1〜2/5
- 1996.04.03 19h頃
久々に府中が晴れたので、自宅の物干しから双眼鏡で探してみました。地球から遠ざかり見かけの大きさが小さくなったせいか、だいぶ暗く感じましたが、ここ府中でもまだ2等くらいに見えました。肉眼でも十分に確認することができます。尾は光害と薄明に紛れてますが、それでも双眼鏡で1.5度くらいは見えてました。この状況でも十分に大彗星なのですが、先月末の印象が強いためか、やや物足りなく感じてしまいます。もう少し太陽に接近して、尾の発達を待ちたいところです。
観測機材:フジノン双眼鏡(8x30:8倍30mm)
シーイング:5/10、透明度:2/5
- 1996.03.28 26h頃
当会寺久保氏は、赤城山付近に遠征しこの彗星を確認しました。しかし高度が低く、もやの残る空だったためか、最接近時に比べてぱっとしない姿だったそうです。それでも尾は10度程度で明るさも1等くらい。周りには平日なのに多くの人が来ており、横浜から来られた方の(ビデオ?)カメラでは、眼視ではあまりよくわからなかったダストの尾が扇型に広がってるのが見えたそうです。
- 1996.03.27 22h30m頃
夕方、曇りがちな金沢でしたが21時頃から晴れたため、昨日よりは遠出をして、やや郊外に位置する卯辰山公園に出かけました。昨晩の市街地よりは若干空が暗いのですが(4等くらいまでなんとか見える空、でも金沢の夜景がきれい=光害はひどい)、薄雲と月明かりの影響で、昨日よりはやや貧弱に見えました。光度はそれでも1等くらい、尾は肉眼で10度強まで確認しました。
光害の中なんとか撮影した写真です。(50mm 20秒露出 19k JPEG)
- 1996.03.26 23h30m頃
この夜出張のため金沢入りし、宿の近くの浅野川のほとりで、街灯をさけて彗星を見ました。空は3等が見える程の府中とあまり変わらない空でしたが、肉眼で15度程の尾が見られました。
この日、嫁のリトルは津久井湖〜相模湖周辺に晴れ間を探して出かけ、相模湖付近で尾が30度くらい延びているのを見ました(27h頃)。北斗七星の柄をつらぬく尾がかっこよかったとのことでした。
また当会の吉村夫妻は日光付近へ、吉野氏は西湖へ遠征し、30度以上の長く延びた尾を確認したそうです。
吉村氏が日光で撮影した写真です。(50mm固定 20k JPEG)
吉野氏が西湖で撮影した写真です。(300mm 5分露出 19k JPEG)
竹本氏が原村で撮影した写真です。(35mm 44k JPEG)
- 1996.03.25
地球に最接近のこの日、東京の天気は悪く、怪鳥はわずかに雲間から彗星を確認しただけにとどまりました。
なお当会の寺久保氏は、急きょ休みをとって長野県原村に遠征し、肉眼で45度にも及ぶ尾を確認しました。光度は0等程度とのこと。「一生の間に見る彗星分を一度にみてしまったよう」との感想を述べております。
以下、寺久保氏がこの日に撮影した写真です。
No.1(50mm 各3分 3コマを合成 20k JPEG)
No.2(28mm 3分 25k JPEG)
No.3(135mm 10分 25k JPEG)
同じ日、竹本氏がやはり原村で撮影した写真です。(50mm 51k JPEG)
- 1996.03.23
この日、当会では各地へ散らばった形で観測を試みたのですが、長野県原村に出かけた寺久保氏、門田氏、植松氏が、雲越しにその存在を確認しただけにとどまりました。
- 1996.03.22 27h30m頃
府中から嫁の実家へ移動し、諏訪湖畔でこの彗星を観望しました。府中で肉眼で見えただけで興奮していたのですが、空の比較的暗い(それでも5等くらいまでしか見えないのですが)諏訪では、なんと肉眼でも15度程の長い尾が見えました。天文に興味をもってもう20年程になりますが、生まれて初めて肉眼で彗星の尾を見ました。すごいものなんですね。
- 1996.03.22 22h00m頃
府中の空でも肉眼ではっきり見え、非常に明るいです。双眼鏡を使うと尾も3〜4度くらいでしょうか、伸びているようです。
観測機材:5cm屈折(f=400mm)10倍
フジノン双眼鏡(8x30:8倍30mm)
シーイング:4/10、透明度:4/5
この日のスケッチです。(26k JPEG)
同じ日、当会の吉野氏が撮影した写真です。(135mm 20分 20k JPEG)
- 1996.03.20 27h30m頃
ついに府中の空でも肉眼で確認できました。この日は体調が悪く寝付けなかったのが幸い(?)して、雲の切れ間を見つけてしまいました。軽い気持ちで双眼鏡をもってうしかい座の0等星アークトゥルスから南東へ視野をふったら、非常に明るいこの彗星が確認できました。雲の切れてるときには、体調を崩してる状態の私でも肉眼で十分確認でき、明るさは確実に2等台、またはそれよりも明るいと思われました。双眼鏡では薄雲を通して1〜2度の尾も見え、非常に立派な姿になってきました。
観測機材:フジノン双眼鏡(8x30:8倍30mm)
シーイング・透明度:体調悪く特に確認せず
- 1996.03.19 夜
府中にいた怪鳥は見ることができなかったのですが、朝霧高原で当会の寺久保夫妻が、わずかな晴れ間をついて確認しました。肉眼で十分に大きく見えてるそうです。
- 1996.03.18 夜
福岡支部の山崎氏がこの日に撮影した写真です。
No.1(200mm 10分 32k JPEG)
No.2(600mm 15分 16K JPEG)
- 1996.03.17 26h30m頃
関西の旅から帰って久々の府中の空、天気はあまりよろしくありません。かろうじてスピカやアンタレスが肉眼で見えるくらいのまったり空。果たしてこの彗星はこんな空でも・・・見えてました(^^)。今日はFC−50を使ったのですが、星図と照らし合わせることもなく、えいやで視野の中にとびこんで来ました。かなり大きく広がってますね。空の状態が悪いので12cm反射に切り替え、そのいびつなコマの様子を見てました。スケッチをとりたかったのですが、なんか見づらくなってきまして空に目をやると、肉眼ではスピカさえ見えない程に薄雲が覆ってきてるじゃないですか(まぁそんな空でも望遠鏡なら見える程度に明るいってことなんですが)。仕方なく今晩の観測は打ち切りました。
観測機材:5cm屈折(f=400mm)10倍
12cmニュートン反射(f=720mm)18倍
シーイング:5/10、透明度:1〜2/5
- 1996.03.13 28h00m頃
一週間あいだが空いてしまって、一体どのくらい明るくなってるんだろうと、おそるおそる春霞の空へ双眼鏡を向けると、案外星達はよく見えてます。てんびん座のα星と思われる二重星が視野に入ってきた瞬間に、その左上にぼーっとした彗星像を確認しました。たった一週間でこれほど明るくなってきてるとは・・・。体調さえ良ければ、色々データをとるのですが。光害のひどい府中でも3cmの双眼鏡で見えるようになりました。
観測機材:フジノン双眼鏡(8x30:8倍30mm)
シーイング:7/10、透明度:2〜3/5
- 1996.03.05 25h00m頃
来京した当会福岡支部の山崎氏と、私の嫁のリトルと3人で観測しました。空全体としての透明度は悪くないのですが、月明かりもあって2日に比べるとかえって見づらくなってました。
12cmニュートンでは微かでリトルは確認できず、15cmマクストフに上げて、はっきり見ることができました。山崎氏によると、2月の終わり頃の福岡では双眼鏡で楽に観測できたとのことで、ここ府中での光害の影響を改めて実感しました。彗星は相当大きいようで、バックの空の抜けが悪いとかなり見づらくなるようです。
尾は、確かに伸びてるんでしょうが、伸びてる方向の3人の主張が微妙にずれ(うむむ・・・)、はっきりは見えてないんだなぁと言うのも改めて実感しました。
観測機材:15cmマクスト・フカセグレン(f=1500mm)38倍
シーイング:4/10、透明度:3〜4/5
- 1996.03.02 27h30m頃
今日は先日とは違い、ここ数日間ではかなり透明度のよい空に恵まれました。ついに府中でも5cmでも姿を確認しました。12cmではもう楽勝でして、嫁のリトルも確認することができました。やや楕円気味のコマは結構大きく、尾も、かすかですが確認できました。光度を測定しようと思うのですが、透明度がよくても低空なので、光害によるバックの白さが目立ち、正確でないと判断してあきらめました。もう少し高度が高くなったら目測できるかもしれません。
観測機材:12cmニュートン反射(f=720mm)18倍〜72倍
シーイング:5/10、透明度:4/5
つたないスケッチです。(17k JPEG)
- 1996.02.28 28h頃
一寝入りしたあと、つい起きてしまったので、この彗星の観望を試みました(実はこの前日、8×30の双眼鏡で探したのですが、さすがに3cmでは府中の光害ひどい空では見えませんでした)。空は晴れてるのですが、湿度が高く、まだ南に低いこの彗星のあたりの空は非常に白んでます。このため、まず5cm屈折を使ったのですが全く見られず、12cm反射使って、ようやく「存在が確認できる」程度でした。彗星の見え方解説でも少し触れましたが、拡散状の天体は、バックが白んでるようなコントラストの悪い空の下では、非常に見づらくなってしまいますね。空のきれいな所に行きたくなってしまいました。
観測機材:12cmニュートン反射(f=720mm)18倍
シーイング:7/10、透明度:1〜2/5
- 1996.02.21 26h頃
シュチェパンスキー彗星と合わせて、この彗星の観望に挑戦しました。かなり南に低いため、バックの空の明るさが気になりましたが、目が慣れてきたら「ぼーっ」と広がった立派な姿が目に飛び込んで来ました。府中でこれなんですから、もう相当大きく見えてるんでしょうね。今後もどんどん大きく、明るくなるのでしょう。楽しみです。
観測機材:15cmマクストフ・カセグレン(f=1500mm)88倍
シーイング:6/10、透明度:3/5