府中の星空から〜怪鳥の星空日記〜

1996年4月のバックナンバー



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4月1日(月)

 仕事が遅くなり、急いで帰ろうと思うと外は雨。なんかまっとうな星空を見ていないなぁと、ちょっとつまらなくなってしまいました(星空日記なんだから、星空が見られないととってもネタに困ってしまうのでした)。
 (気を取り直して)東京では桜が咲き始めました。今年は西空に金星がいますから、夕方(本当はもう少し高度の下がった20時頃かな?)には「桜と金星」なんて言うショットを撮影できることになります。実は昔、サンシャインプラネタリウムの天体写真コンテストに、金星と月と桜と言うテーマで撮影した写真が入選したことがあります(月は下旬にならないと西空に来ないので、今年は無理ですね)。当時3M-1000と言うISO=1000のフィルムで露出は1/8秒でしたか(50mm F=1.8)、とにかくそんなくらいで金星は写真に写り込みますので、結構手軽ですよ(何しろ私は当時自転車の荷台に手で固定して撮影したのですから)。もう少し街灯のない場所の桜だったら、数十秒露出にすれば、金星とほぼ同じ地平高度にある百武彗星なんかも写るでしょうね。どうでしょう、一つ記念に撮影してみては?

4月2日(火)

 今日も天気が悪かったですね。星の「ほ」の字も東京では見えません。ところで随分百武フィーバーも冷めてきましたが、まだまだ空の暗いところでは尾が20度くらいのびてるそうですから、あきらめずに見てみたいものです。なんにしても晴れてくれないとつらいですね。

4月3日(水)

 久々に天気がよかったですね。私は体調を崩してしまい、どこへも出かけられませんでしたが、自宅の物干しから、久々の星空を見てました。西空の金星に双眼鏡を向けると、プレアデス星団(すばる)に接近してますね。すっかり忘れてました。双眼鏡の同一視野に星団と金星が入ってきれいですよ。
 さらに北側のペルセウス座に視野を移すと、
百武彗星が入ってきました。2等くらいでこの明るさなら、と肉眼で探すと、やはりまだ十分に見えますね。見かけの大きさが小さくなったので、ぼんやりとした感じではなく、だいぶ集光してます。まだまだ十分楽しめますね。

4月4日(木)

 昨日は横須賀辺りは曇ったようですね。からけんさんがホームページで悔しがってました。さて、今日は昼間は青空がのぞいていたのですが夕方は曇空、夜には小雨もぱらついてしまいました。
 しかし夜半を過ぎた頃から雲が切れまして、今は満月が皎々と輝いてます。頭の真上にはアークトゥルスが輝き、10日ほど前にはこの辺りを百武彗星が通過してたんだなーとか思うと、あの頃満月じゃなくてよかったなぁと、しみじみ思ってしまいます。月自体はきれいなのですが、月明かりって、本当に明るいですよね。

4月5日(金)

 今日は、ここの掩蔽のページからもリンクしている名古屋のN10さんが東京に来るとのことで、関東のパソコン通信仲間と新宿で歓迎飲み会となりました。他に、このページでもお世話になってますからけんさんも駆けつけ、ホームページの企画の話題などで盛り上がりました。新宿の夕方は曇っていたのですが、飲み会が終わった21時頃には満月過ぎの月がきれいで、そのまま千鳥ヶ渕で夜桜見物へとなだれ込みました。桜の薄ピンクと満月の青白、まさに桜月夜(さくらづきよ)の景観に酔いしれました。

4月6日(土)

 N10さんが、昨日に引き続き怪鳥宅に泊まることになり、夕方から近くの国分寺跡まで百武彗星を観望しに出かけました。薄明が終わってるにもかかわらず、北西の低空は光害の影響か明るくてコントラストが悪く、双眼鏡でかろうじて尾が見える程度でした。一通り見て帰ろうと車に乗り込んだ瞬間、東の空から昇ってくる深いオレンジ色の月を見つけ、またしばらく肉眼と双眼鏡で見入ってしまいました。まるで皆既月食のような色調と、大気の屈折の影響かややひずんだ形がとっても神秘的でした。

4月7日(日)

 体力的に無理があったのか、昼間も結局寝入ってしまいました。夕方はなんとなく雲の切れ間がありそうだったのですが、家に閉じこもって養生してました。本当はこんなことではいけないなぁと思いつつ。。。やはり天文やるには体も鍛えないと、とちょっと思ったりしたのでした。

4月8日(月)

 仕事が終わってみたら、あらあら結構な雨ではないですか。家に帰ってみたら、新聞の天気予報は雨は降らない予報。久々に思いっきり外れたのかしら?当会の寺久保さんの話では、最近の予報は比較的よく当たって、百武彗星の観測地選びに役立ったとのことだったのですが。星見人は天気がとっても気になるのです。

4月9日(火)

 会社の最寄り駅の市ヶ谷周辺では、満開の桜のお花見客と、クリントン来日に備えた厳戒態勢でうろつくお巡りさんとがごった返して、不思議な光景でした。さて、天気は今日も曇だったのですが、夜半を過ぎたら府中の空には雲に切れ間が出てきました。先ほどふと窓から見ると、下弦前のちょっとだけふっくらした半月が雲の切れ間からのぞいてました。明日の夕方は、百武を見に近場へ出かける予定です。天気が回復するといいのですが。

4月10日(水)

 今日は会社が創立記念日で休みでした。嫁のリトルの仕事絡みで、府中市内にある五藤光学研究所へ行って、最新機器の映像を見てきました。すごいですね(どこまで話していいかわからないので、とりあえずこんな表現でごめんなさい)。
 また夕方から百武彗星を求めて、嫁と、津久井湖周辺、富士山周辺、八ヶ岳周辺と3段階に目標を設定して出かけました。出発の17時の府中は雨が降り出しそうな空、小仏を越えても空は変わらず相模湖ICをパス、大月から南西方向は雲が厚そうで大月JCTをパス、甲府でかすかな夕焼けに期待をこめて、大泉高原から天女山に着いたのが19時半、薄雲越しに金星がぼんやり見えてました。ここで雲間からしばし彗星観望。その後、雲の切れ間を探して、八ヶ岳牧場脇で雲の切れ間を見つけ観望、ここより北側では雲が広がり、望み薄と見て一転南下、観音平で本当に久々の満天の星空に出会いました。標高1500mはちょっと寒かったけど、心が洗われますね。
 帰りは甲府盆地からもう小雨が降っており、ちょっと遠かったけど遠征した甲斐があったなぁと自己満足!

4月11日(木)

 今日の東京は午後から雨になりました。帰りがけに新宿でOA用品をちょっと買い込んだのですが、この頃は結構強い降りでした。昨日の疲れがあったのか、帰宅して後、しばらく寝入ってしまいました。今外を見たら、雲間から下弦を過ぎた月と木星が並んで、ちょっときれいです(でも木星のスケッチをとるほどの気力はありませんでした)。

4月12日(金)

 今日の夕方の空のきれいだったこと。市ヶ谷の会社を出てすぐ、目に飛び込んできた澄み渡る青い夕暮れ空に感動! 急いで帰宅し、家の近くで百武彗星を観望しました。府中の星空も冴え渡って、西に傾いたオリオン座の小三ツ星なんかまで本当にきれいに見られました!
 なお、土曜日の晩は、NIFTY-Serveのスペースフォーラムの方々と、岐阜県の藤橋で星見です。このため、次の更新は日曜日の夜になりそうです。

4月13日(土)

 この日、岐阜県の藤橋でNIFTY-Serveのスペースフォーラムの方々と観測会となりました。夕方の百武彗星は、肉眼でも長い尾が見えて、非常に素晴らしかったです。この後も一晩中快星に恵まれ、自分の12cm反射、三重県の服部さんの双眼望遠鏡などで、観望してしまいました。ここのところ雲のない空には出会えなかったので、もったいなくってもったいなくって。本当に星空を眺め続けて明け方を迎えたのでした。来年に明るくなることが期待されてるヘール・ボップ彗星も初めて確認し、明け方の木星と本当に充実した一晩でした。

4月14日(日)

 昼間、青空が広がっていたので、天気がよければ帰りの中央道を降りて、どこかで観望をと思っていたのですが、夕方から雲が増え、飯田〜伊那の辺りで薄雲を通じて金星がぼんやり見えただけでした。もうすぐ百武彗星も観測が不可能になります。これからは一日一日が大事になりますね。

4月15日(月)

 いつも現像に出す店がメンテナンスで今日中に仕上がらないとのことで、昔利用していた45分チェーンの写真屋に13日に撮影したフィルムを出しました。出来上がってみるとネガにキズが入っており、抗議したのですが店のせいではないとの一点張り。だいたいプリント時にキズが入ったプリントがあることに気づかないような扱いをしてるのに、ネガにキズが入ることはないなんて言い張れるものなのだろうか。疑ってしまいますだ。以前、焼きに文句を付けたら、そんなことは出来ないとバイトの兄ちゃんが言い張るのでずっと使ってなかった店だったんですけどねー、後悔。やっぱり2度と使わないんだーと心に決めた一日なのでした(全国にあるチェーンなので、皆さん気をつけましょうね)。
 と愚痴はこの辺にして、今日は結構晴れてましたね。
百武彗星も、双眼鏡を使えば自宅から見られました。薄明の終わらないくらいじゃないと、もう自宅の物干しからは見えない低さになってしまいました。これからは会社に双眼鏡もってって、帰りがけにみようかな。

4月16日(火)

 実は誕生日でした。とは言っても残業もあって、普通の一日なわけですが。昼間は雨が結構降りましたね。こんな雨の中でも会社の近傍では某大統領の警備で何十mおきに警官が立ってます。ご苦労なことですね。
 夜、会社から帰ってきて見上げるとすっかり晴れ上がり、麦星ことうしかい座のアークトゥルスがオレンジ色の光を放ってました。なんか非常に色が濃く見えたのは雨上がりで空が澄んでいたからでしょうか。

4月17日(水)

 昼間からきれいに晴れ上がり、夕方には百武彗星が見られるかなぁと、ちょっと期待したのですが、夕方はしっかり曇ってました。残念。ところで家に帰ってみたら、当会の寺久保さんから、百武彗星の写真が届いてました。仕事のあとに熱心に出かける姿勢には頭が下がります。百武の画像のコーナーに、徐々にUPしていく予定ですので、お楽しみに。

4月18日(木)

 会社で歓送迎会があったため、22時頃に帰宅したのですが、その頃は曇ってしまってました。嫁のリトルの話では、夕方、双眼鏡で百武彗星を見ようと急いで帰ってきたら、府中駅では晴れてたのに家に着いたときにはもう曇ってしまってたそうです。ちょっとこの頃天気が悪いですね。週末は大丈夫だろうかぁ。。。

4月19日(金)

 この日も曇で、星の見えない夜が続いています。土曜日の百武観測、日曜日の高遠でのお花見に備え、夜のうちにリトルの実家の諏訪に入る予定だったのですが、雨が降ってきたのと、疲れの影響で、とりあえず府中で寝ることにしました(と言うことで20日に起きてから書いてます)。NHKの中継によると、高遠の桜は咲き始めたようです。あとは天気ですかねー。

4月20日(土)

 百武彗星を見に八ヶ岳のふもとの観音平まで行って来ました。夕方は雲の多い天気だったのですが、この場所ではほぼ快晴で、金星、三日月、水星、百武彗星、それにすばると言った賑やかな夕空が楽しめました。これほどの天体がまとまって見られるというのも珍しいものです。

4月21日(日)

 昼間、信州の高遠まで、花見に行って来ました。一昨年はこの時期満開だったのですが、今年はほとんど咲いてなく、つぼみの下での宴会となりました。夕方からは雲が多くなり、昨日に続いて期待した夕方の賑やかな空は、辰野や諏訪辺りでおぼろ月とおぼろ金星(?)を見ただけにとどまりました。夜、府中へ移動したのですが、甲府盆地からは雨。月と金星だけでも見られてよかったようです。

4月22日(月)

 今日は21時頃、府中へ帰ってきました。乗り換えの西国分寺の階段を上がる途中、向こう側のホームの屋根の上に沈みかけた月が見えました。階段が西に向かって昇ってるからなのですが、上弦前の頃、時折こういう光景に出会います。なかなか絵になる光景なんで、いつか写真に収めたいと思うのですが。また北府中の駅に着いて西空を見たら、なんと金星が赤く輝いてました。地平線近くにもやがあるせいなのでしょうが(月も相当赤く見えました)、まるで大接近の頃の火星のようで、ちょっと不気味でした。

4月23日(火)

 この4月に転職した友人と四ッ谷の駅で待ち合わせました。19時の四ッ谷駅は、夕焼けのオレンジ色が消えた頃のきれいな空だったので、ちょっと百武彗星を肉眼で探してみたのですが、やはり見つかりませんでした。金星が空高く輝いてます。よく考えると、夕方の金星の地平高度がこんなに高くなるのは、今頃に東方最大離角(太陽から東に最も離れること。今年は4月1日)になる年だけです。会合周期の都合で、8年ごとに金星の見え方はほぼ同じ条件になりますので、今頃のように21時を大きくまわってもまだ北西の空に金星が見られる(東京の時刻感覚です。他の地方の方ごめんなさい)のは8年ぶりと言うことになります。そんなことをふっと思い出した夕方でした。
 夜半の府中は春霞に負けて、1等星しか見えてません。

4月24日(水)

 なかなか平日は星を楽しめない日々が続いてます。今日も月がきれいだなぁ、と思いながら、とある仕事の打ち上げの飲み会に出てきました。
 23時半に帰宅後、27日に開催される
星空観測会の配布資料の原稿(担当はリトル)の仕上げをして、2時になってしまいました。ちょっと空を見たら、木星がきれいでした。もう少しすると、楽な時間帯にスケッチ観測ができるようになりますね。早く観測がしたい!

4月25日(木)

 最近、なぜか疲れが激しく、夜、星空を楽しんだり、ホームページを作成したりすることなく、寝てしまいます。この日も夕食を食べ終えて、23時頃から寝てしまいました。こういう日は夢を見がちです。自分は、空の暗いところに遠征に出かけてます。夕焼け・薄明が終わり、西空が暗くなると、頭は沈んだはずの百武彗星の尾だけが、すーーーっと天頂付近まで見事に伸びてます。あ、すごい、すごい、どの辺りまで伸びてるか記録を取らなければ、と星図に一所懸命書き込もうとしたとき・・・目が覚めました。うーん、なんかの暗示かしら?(単なる思い込みですね ^^;)

4月26日(金)

 秋葉原へちょっとよって(結局なにも買いませんでしたが)、21時半頃帰宅。駅から見上げると、本当に「朧月」と言うような、薄雲越しのぼんやりとした月が見えました。明日は府中市郷土の森で星空観測会です。天気は大丈夫でしょうか。今日のように中途半端に星が見える時ほど、観望する天体に悩んでしまいます(府中では一等星しかみえなかったりするのです)。

4月27日(土)

 今日は府中市郷土の森で星空観測会でした。府中の空は夕方雲が出て天気が心配されましたが、春霞の中、なんとか月や金星を観望することができました。ぼんやりとした春の空はシーイングが好いことが多く、この日も月のクレーターや金星の強拡大が好評でした。金星は半月状(やや細い)で、この星が満ち欠けすることを実感できたようでした。

4月28日(日)

 今日も府中の空は春霞まっただ中。朧月となったちょっとふっくらした月がきれいです。これから諏訪に移動します。諏訪の星空はきれいでしょうか。
 さて諏訪に移動しましたが、丁度着いた頃、月が沈む直前でした。赤黒く減光した月が諏訪湖の向こうの山に沈んでいくのを、双眼鏡で眺めました。諏訪の空も少しもやがかかってますが、さすたにはくちょう座あたりの天の川がうっすらと見えてました。

4月29日(月・祝)

 この日、百武彗星が本当に見えないことを確認しようと、諏訪から八ヶ岳観音平まで観望に出かけたのですが、残念ながら西空は雲がかかってしまい、見えないことを確認することができませんでした。
 また人工天体ミールを19時過ぎに確認しました。詳しくは
こちら(宇宙開発と人工天体のページ)をご参照下さい。

4月30日(火)

 昨日、腰を痛めました(正確に言うと、痛みが出始めた)。徐々に痛くなったのでぎっくり腰と言う訳ではないかと思うのですが、先日の星空観測会でEM-200(重たい赤道儀です)の入った箱を運んだときにおかしくしたかしら・・・。とても29の若者とは思えない状況ですね。しくしく・・・(;_;)
 そんな訳で家で閉じこもってました。先ほど物干しから見たら、まだ晴れ間がありますね。月は丁度雲の中でしたが。雲の小さな切れ間が3つ並んでまして、そこから月明かりが漏れ、△の星によるでっかい三ツ星のようでした。


 
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