府中の星空から〜怪鳥の星空日記〜

1996年3月のバックナンバー



現在の日記に戻る 96年のバックナンバーリストへ


3月1日(金)

 この日、仕事中に熱っぽくなってしまい、解熱剤を服んで仕事をしていたので、帰ってきてから作業する気力がなく、久々の翌日アップとなってしまいました。
 とは言っても、以上のような状況であまり空を見る機会もなかった訳ですが。昼間と言うか午前中の久々の強い雨が上がり、きれいな空が期待できるかな、と思ったら、夕方都内はどん曇り。熱っぽい体を引きずって府中まで帰ってきて見上げると、きれいに晴れ渡っていました。週末ですから、
彗星なんかを観望した方も多いのではないでしょうか。

3月2日(土)

 夕方、雲はあるけど結構きれいだなぁ、と明るい空に金星を見つけて思ってたのですが、夜半過ぎて結構透明度のよい空になりました。こういう空を見ると、つい、彗星なんかを見たくなり、結局話題の百武彗星を観測してしまいました。28日の空とは大違いで、5cmでも結構見えますし、12cmではついに嫁のリトルも楽勝で確認できました。結構大きく、これならもっと空のきれいな所では、明るく見えるんでしょうね。

3月3日(日)

 今日は会社の後輩の結婚式だったのですが、外はとっても寒かったですねー。怪鳥は風邪を中途半端にひいているようで、夕方の寒い風に負けて帰ってからは、部屋でおとなしくしてました。今見ると夜半には曇ってきてしまったようですね。
 ところで、帰りに新宿により、最近オープンした(もうだいぶ前かな?)デジタルアストロショップ Newton に寄って見ました。体調もよくなかったので、目的のGSCのCD−ROM(ガイドスターカタログ)だけ買って帰ってきましたが、なかなか不思議なお店でしたねー。今度はもう少しじっくり見たいですね。

3月4日(月)

 仕事で横浜まで行ったのですが、その帰り、きれいな金星を見ました。この場所に来るのは初めてだったのですが、あまり見慣れない風景でも宵の明星と言うのは非常にしっくり来て安心しますね。
 府中に帰ってきたときには、すっかり日も暮れ、月がこうこうと輝いてました。そういえば明日は満月なのですね。ちなみに明日、当会
福岡支部の山崎氏が来京するので、お会いすることになってます。彼の入会以来、ようやく4度目の対面なのですが、これで同じ同好会のメンバーなんですから、なかなか不思議に思ってしまいます。

3月5日(火)

 当会福岡支部の山崎氏が来京し、府中市内の活動拠点を少々案内しました。郷土の森(夜間なので正門の前だけ)では、「結構見えますね。久留米より見えるんじゃないですか」とのことでした。確かにここ数日の間ではきれいな空の方で(冷え込みも3月にしてはすごかったですね)、満月の空にもかかわらずオリオン座の小三ツ星なども見えてましたからね。彼は福岡県八女郡広川町と言うところに住んでまして、30分も車を飛ばせばかなり暗い空に会える環境にいるわけで、そこから比較すれば府中の空はもう少し悪いと思っていたようです。ただ、市内の道中、どんなに細い道でも電柱1本1本に街灯があるのには閉口していたようですが。
 夜半には怪鳥宅で二つ目の百武彗星を見ました。月明かりのせいもあり、15cmでようやく見えたのですが、福岡では双眼鏡で楽に見えたとのこと。光害の影響を大きく受けてるようで、かなり大きく拡散しているのかな?と思われました。

3月6日(水)

 山梨県東部を震源とする地震がありましたねー。ここ府中もかなり大きく揺れました。揺れ自体が短かったので、物が倒れるようなことはなかったのですが、皆様のところでは被害はありませんでしたか?
 ところでこのニュース速報を見ていて思ったのですが、報道された東京都内の震度ってとっても少ないですね。少なくとも府中では震度3〜4はあったと思うのですが、都内で震度が発表されてるのは気象庁だけ、しかも震度2じゃないですか(都内でも伊豆諸島は多いですけどね)。約1千万人もの人が生活している東京が、こんな粗い観測態勢でいいのですかね?? 例えば、直下型で八王子辺りで被害が出てても、都内では震度3くらいだからって、行政の対応が遅れるようなことがあるんじゃないかと。ちょっと心配になってしまいました。信じられないっすね。
 ・・・とすっかり府中の星空じゃなくて地面の話になってしまいましたが、空は晴れてます。昨日よりはやや透明度が悪く、満月過ぎの月が我が物顔で輝いて、他の星は見づらいです。

3月7日(木)

 久々にまとまった雨になりましたね。府中の空も星は見えずじまいでした。そういえば気象庁の天気予報が、コンピュータ予報でかなり小さい地域の予報が出るようになりましたね。そんな折り、私の父が見たところによると、今日はコンピュータ予報では「雪」になると出てるのですが、TBSの「森田さん」のコーナーで森田さんは、「コンピュータでは雪ですが、多分雨でしょう」と言っていたそうです。いつものことなのですが、ちょっと気になって親父と外を見ると、ほとんど雨だけどたまーにみぞれみたいなのも混じってるようでした。この場合、両者引き分けでしょうか??・・・府中の雨空でした。

3月8日(金)

 夜、家に帰ってきて空を見たら、満月過ぎのちょっと欠けた月に傘がかかってました。この傘が結構きれいなんですよ。月から2度くらいまでがやや明るい部分で赤みがかった縁がはっきりしています。ところがその外側もまたうっすらと明るくなっている部分が広がってまして、ここが青みがかってるのですが、一番縁はやっぱり赤みがかってるんです。こんなはっきりとした二重構造なのって、普通にあることなんですかねー?どなたかご存じありませんか?(こういうのは写真に撮って、画像アップしたいところですね)

3月9日(土)

 今日夕方、色々な野暮用から帰りのバスを降りて、すぐリトルが金星を見つけました。天気と生活時間の都合で、金星を見たのは久々のような気がします。しかし家に辿り着くまでににわかに雲に隠されて、一瞬の出来事となってしまいました。
 夜半を過ぎて空を見たら、月がきれいですね・・・と場所を見るとスピカのちょいと東側。これは!とシミュレーションソフトStellaNavigatorを走らせると、やはり2つ目の百武彗星から8度程しか離れてません。7倍の双眼鏡の視野が約7度ですから、非常に近いですね。これは今晩の観望は、かなり難しそうです。
・・・とここまで書いて一度UPしたのですが、今NASAのCometのページを見てきたら月明かりをおして、4等台の観測がありました。しかも5cmの双眼鏡で2度の尾が確認できるとのこと。これは空の暗いところでは結構見えるかもしれませんね(府中では見える星自体が少なくて、無理でした)。

3月10日(日)

 嫁のリトルの2番目の姉(彼女は4人姉妹の三女です)の家に先頃生まれた4人目の娘(つまり私の姪・・・すごい女系家系でしょ??)を見に出かけてまして、色々と時間の潰れてしまった今日なのでした。空もほとんど見ることはなく、夕空だいぶ遅くなってとっぷり暮れた西空に金星を確認しただけでした。その姉の家の6年生の長女が、家からではオリオン座の三ツ星が見えないと嘆いてましたねー。家は横浜の泉区なのですが、光害は府中と同じくらいかなと言う感じで、(今日は曇ってましたが晴れていれば)なんとか見えそうです。ただ彼女の目は星を見るのに慣れてないのでしょう、「今度は30分くらい暗闇で目を慣らしてから見てごらん」と言っておきました。果たして今シーズン中に彼女は三ツ星を確認することができるでしょうか。
 全然関係ありませんが、リトルの1番目の姉の子供も3人姉妹です(つまり私には今7人の姪がいます・・・)。

3月11日(月)

 体調が悪く(腹の状態が悪いのです)星見どころではないので、申し訳ありませんが星空は全然見ておりません。窓越しに見ると、どうも晴れてるようですけどね。こんな日は部屋でじっとしてるのですが、星空観測会のパンフレットの原稿にする金星の話題で、リトルと激論になってしまいました。金星自体とは直接関係ないのですが、彼女は黄道の日周運動をイメージするのに苦労してました。天の赤道と約23.4度傾いたまま、1日の動きではそのまま回転してる、、、と言うことなのですが、皆さんも理解できますか?この辺り、理屈を伴って理解するのは結構難しいものです。今日は、竹串に丸く切ったボール紙を斜めにつけて、回転させて理解しましたが・・・。(字で見るとなにがなんだかわかりませんね。失礼しました。)

3月12日(火)

 相変わらず体調の悪い怪鳥です。もうすぐ百武彗星も本番だと言うのに、こんなことでいいのだろうかとちょっと不安だったりします。もっとも今日は薄雲(と言うよりは雲)が覆っており、ぼーーーーーっと月だけが不気味に輝いていますが。まだ彗星は月が近くて、観測は難しいようですね。早く空の暗いところで見てみたいものです。当会では、地球再接近直前の23−24日に、富士山方面での観測を予定してるのですが、その頃一体どのような姿になってるでしょうか。

3月13日(水)

 まだ本調子にほど遠い体調なのですが、色々と寝付けず窓を覗くと、下弦の月が昇ってきたところでした。若干の春霞があり、冬の空とは似ても似つかない空ですが、よく見るとアンタレスもスピカも見えてます。これはと思い、手軽な3cmの双眼鏡を手にしててんびん座を捜索・・・なんと百武彗星が簡単に見つかりました。光害のひどい府中の空でも3cmでも見える明るさになっているとは・・・。これは今後に期待してよさそうですね。

3月14日(木)

 昨日の百武彗星の明るさが頭から離れず、今日も期待したのですが、結局空は曇りのまんまのようです。途中寝てしまったりして、必ずしもずっとかどうかは確認してませんが・・・。リトルの話では、夕方金星は見えたのに、とのことです。いずれにしても今後1ヶ月以上、毎日でもチャレンジしたい対象ですね。
 この後は彗星の移動が速くなるため、念のために時刻も入った詳細星図を作ってみました。20日くらいになると、既に夕方と明け方では随分位置に差が出てくるんだなってことがわかります。ただ、ものが明るいですから位置が大ざっぱでも十分探せるとは思います。
 なお、この後怪鳥は家を空けるので、今度のアップデートは17日の深夜になると思います。ご了承下さい。

3月15日(金)

 現在(16日)京都のインターネットカフェからアクセスしてみてます。15日は、昼間は大津で大雨だったそうで(私は夜来たのでわかりませんが)、琵琶湖のほとりが水浸しになってたそうです(リトル談)。夜も琵琶湖の夜景はきれいでしたが、星は見えずじまいでした。今日(16日)は天気がよいので、なんとか京都の星空を見てきたいなぁと思ってるところです。

3月16日(土)

 この日宿泊した京都のホテルは、結構山に近いところにあって、もし晴れたらちょっと歩けば星空のきれいそうなところへ出られそうだったのですが、残念ながら夕方からべた曇りとなってしまいました。久々に東京府中を抜け出したんですけどねー。百武彗星を肉眼で見たかったのですが・・・。(この書き込みは府中に帰ってきてから1日遅れで書き込んでます。)

3月17日(日)

 京都から帰ってきました。府中には23時前に着いたのですが、相変わらずのべたーっとした曇り空。百武彗星は明るくなってきてるのに・・・。26時頃窓を見ると、ようやっとスピカ・アンタレスの一等星が見えるくらいには晴れてきました。こんな空では・・・と半分あきらめながら、5cmの望遠鏡で見ると、星図も確認せずに彗星の方から転がり込んできました。改めてその明るさを実感。早く空の暗いところで見てみたいです。

3月18日(月)

 今日は夕方から随分冷え込みましたね。これは晴れたらきれいだろうなぁ、と期待して帰ってきたのですが、府中の空はどん曇りでした。残念! その後も百武彗星に備えて随分粘ったのですが、夜半過ぎからは何とあられが降ってきました。これでは星空は拝めそうにありません。明晩に期待することにするしかないようです。皆さんのところの天気はいかがですか?

3月19日(火)

 夕方都内では金星が見られたので期待して帰ってきたのですが、残念ながらその後の府中の空はべた曇りでした。他にも色々することがあって、この夜はここの書き込みもできずに力尽きて寝てしまいました。
 なお、当会の寺久保夫妻は、この日朝霧高原に出かけ、わずかな晴れ間をついて相当大きくなった
百武彗星を確認し、数コマの写真撮影もできたそうです。一方で西湖に出かけた吉野さんは曇られっぱなしで、結局この彗星を見ることはできなかったそうです。

3月20日(水)

 天気が悪いですね。昼間から当会会誌の編集作業があったため、ほとんど表にはでてませんが、ずっと曇っていたようです。夜になって非常に明るい雲が広がってます。雲の高度が低く、光害を多く反射してるのでしょうか。月もないのに非常に不気味です(東京以外にお住まいの方が見たら、信じられないと思いますよー)。
 ・・・とまで書いたのですが、27時(3時)頃、雲に切れ間ができました。慌てて双眼鏡を出したら、薄雲を通して百武彗星が見えました。その後、目が慣れると肉眼でも見えてます。これはすごい彗星ですね。改めて認識しました。
 南東の空には木星が輝いてます。本当は観測したいのだけれど、いまはとりあえず彗星優先ですね。

3月21日(木)

 天気が悪い・・・と思ってたら、雨まで降ってきました。これでは今日の百武彗星は見られそうにありません。ときに、昨日から体調は悪かったのですが(おかげで寝付けずに百武彗星を見ることができましたが)、なんかまた風邪をひいてしまったようです。今年の風邪、腹に来ますね。皆様ご注意下さいませ。
 さて、天気の悪かった今日ですが、天文ファンでは密かに話題のドラマ白線流しの最終回を見入ってしまいました。結局主人公の男性は、北海道の天文台に就職しましたね。すっごい展開だぁ。ドラマの舞台が、の出身と同じ信州であることと、このような天文絡みの内容が魅力で、結局最終回まで見てしまいました。しかも来春続編があるそうです。視聴率は低かったようですが、フジテレビ、なかなかやりますね。

3月22日(金)

 ここ府中で百武彗星が肉眼で見えて驚いた後、嫁の実家の諏訪へ移動しました。中央道を移動中でも車内から見える程明るかったです。諏訪湖畔で肉眼で見た百武彗星は、府中で見た姿とはまた全く違う実に雄大な姿でした。こんなにすげー彗星になってるんだぁと、しばし興奮の一晩でした。また、移動途中の甲府盆地あたりで、フロントガラス越しの目の前に1等程の流星が見られました。走行中の流星は初めてでした。

3月23日(土)

 諏訪から移動して、当会の会員と合流すべく富士山西側の朝霧高原まで出かけましたが、あいにくの曇天で、星一つ見えないうちに府中まで帰ってきました。この日当会会員は、この朝霧高原と長野県の原村、野辺山と出かけていたのですが、百武彗星は、原村で雲越しにの存在を確認しただけにとどまりました。

3月24日(日)

 この日、世間ではTV・新聞を通じて百武、百武と騒いでいたのですが、残念ながらここ府中でもずっと曇天で、夜半前からは雨まで降り始めました。いよいよ明日は地球への最接近です。天気予報では雨は午後に止むとのこと。果たしてその姿はどんなになってるのでしょうか。わくわくしますね。

3月25日(月)

 百武彗星が地球へ最接近のこの日、府中は雲が多く、結局雲間からぼんやり確認しただけにとどまりました。八ヶ岳では尾が40度にも延びてるのが見えたとのことで、出かけようかとの話もあったのですが、体力的に限界がありで、断念しました。みなさんはいかがでしたか?

3月26日(火)

 出張で金沢入りしたこの日、光害のひどい金沢の市街でも百武彗星はよく見えていました。また、普通に道を歩いている人の中にも、立ち止まって見ている人が多く、ニュース・新聞の影響力を見せつけられました。
 一段落して市街地の宿の周辺を1時間ほどかけて歩きましたが、際だって暗いところもなく、浅野川のほとりで街灯をさけて見たところ、約15度の尾が見られました。東京のリトル(嫁)は、相模湖のあたりで30度にも延びる尾を見たそうで、うらやましくなりました。

3月27日(水)

 金沢も夕方から雲が広がり、月さえ見えない空だったのですが、20時過ぎから雲が薄くなり、21時にはほぼ雲がなくなりました。このため意を決して、金沢市内で展望台のある卯辰山までタクシーを飛ばしました。運転手さん曰く、この時期にこの展望台には人はほとんどいなよーとのことだったのですが、ついて見れば学生らしき人々あり、カップルあり、結構賑やかでした。みんな北の空を見上げながら、「結構見える」等と話してるので、どうも百武彗星を見に来ていたようです。さすがに話題性があるんですね。私は50mmで固定撮影を試みましたが、月あかりと春霞のため、かろうじて確認できる程の写真しか撮れませんでした。

3月28日(木)

 金沢3日目の晩、さすがに下り坂と言うことで、夕方は月も見えない空でした。会社の課長のつきあいでカラオケに出かけ、帰ってきた頃には薄雲状態になってました。話題の百武彗星は存在がわかる程度。月明かりがひどく、ほとんど見られませんでした。また月に目をやると、月のまわり半径20度強くらいのところでしょうか、比較的大きな傘がかかってまして、明日は崩れそうな天気であることがわかりました。

3月29日(金)

 東京へ戻ったこの日、見えそうな空ではあったのですが、夜半からべた曇りになってしまい、結局星空はおがめませんでした。せっかく家に戻ってきて自由になったのに・・・。残念。

3月30日(土)

 春の嵐となったこの日、明日に控えた当会の十周年記念式典の準備および会誌「むぎ星」の原稿に追われ、徹夜に近い状態となりました。夜半もだいぶ過ぎ、27時頃なにげなく空を見たら、きれいな星空が広がってました。家は北側は視界が悪く、話題の百武彗星を確認することはできませんでしたが、夏の大三角が見られ、季節の移り変わりが感じられました。

3月31日(日)

 昼間は当会の定例会兼総会、夜は十周年記念式典と盛りだくさんでした。定例会では、メンバーそれぞれが仕事の合間に遠征をして撮影した百武彗星の写真が集まり、また肉眼で見た状態などの情報を交換しました。さすがに20年ぶりの大彗星と言うことで、会員の関心も高かったです。しかし昼間は暑かったですね。東京は20度を越えたようです。当会定例会の本拠地である中央文化センターは、市内随一の桜通り前にあるのですが、時間を追って桜の花が開いていくのがわかりました。
 式典後の夜は残念ながら曇ってしまい、星空は全く見られませんでした(と言うことで、このコーナーをまとめ書きしました。今後はなるべく毎日更新します。どうもすみませんでした。)


 このページの先頭に戻る  バックナンバーリストに戻る  FASのホームページへ戻る