'99年のペルセウス座流星群の情報

 毎年お盆前の夜空をいろどるペルセウス座流星群は、8月12日夜にピークを迎えます。空のきれいなところでは、1時間に50個ほどの流れ星が見られそうです。


ペルセウス座流星群の概要

 ペルセウス座流星群(ペルセ群)は、毎年8月12〜13日頃を中心に活動する流星群です。もっとも多い時には、1時間あたり50個以上もの流星が見られます。

 流星群は、彗星がまき散らした砂粒が地球の大気に飛び込んで、摩擦で高温となり、さまざまな要因で光りを出すようになったものです。ペルセ群は、スイフト・タットル彗星という彗星がまき散らした砂粒が地球に飛び込んでくるものです。この砂粒の流れの帯との交差点を、毎年8/12頃地球が通過することにより、たくさんの流星が見られます。

流星群の輻射点

 流星群には輻射点(ふくしゃてん、最近は放射点−ほうしゃてん−とも言います)というものがあります。流星の元になる砂粒が、見かけ上地球に飛び込んでくる方向を示しています。ペルセ群は、この輻射点がペルセウス座にあることから、この名前となりました。さらに輻射点は、ペルセウス座γ星に近いことから「ペルセウス座γ群」などとも呼ばれます。

 ペルセ群の流星の流れた元の方向をたどると、このペルセウス座の輻射点に集まります。逆にこの方向にたどり着かないものは、ペルセ群ではない流星になります。

 また、輻射点の位置が高い明け方には、ペルセ群の流星が多く流れます。逆に輻射点の位置が低い夜半前は、地平線の下に流れる流星が多く、数は少なくなってしまいます。


ペルセ群の極大

 ペルセウス座流星群は、過去の観測から太陽黄経という値で140.0度の頃に極大を迎えます(太陽黄経は、その日の地球の軌道上の位置を表します)。この値の太陽黄経を迎える日時は、毎年ちょっとずつ変わります。今年は8月13日の13時頃となり、残念ながら昼間にあたってその頃は観測できません。

 この極大をはさんだ二晩、つまり12〜13日と、13〜14日がおすすめの観測日になります。特に輻射点の高くなる明け方の3時頃は多く、天の川が見えるような空の暗いところならば1時間に40〜50個程度見られると予想されます。しかし市街地のように街灯が多く、明るい星しか見られない場所では、半分〜数分の1になってしまいます。

実際の空での見え方

 実際の空でのおよその見え方は、 で図にあらわしました。見るときに参考にどうぞ。

流星群の特徴にも注目

 単に流星と言っても、速い流星、遅い流星、明るい流星、暗い流星、青白い流星、赤っぽい流星、尾をひく流星・・・などなど、色々なタイプの流星があります。

 ペルセ群の場合は、やや速めで、青白い流星が多いとされてます。また流れた後、雲のようなすじを残すことが多いです。これは「痕」と呼ばれるもので、ペルセ群は3割くらいに見られることもあります。

 しかし、年によっては赤っぽいなど、例年と違った流星が多く見られることもあります。今年のペルセ群がどのような特徴を持っていたかに注目するのも面白いですよ。

どうやって見る?

 基本的にはグランドシートや銀マットなどの上に寝っ転がって、頭の真上を見るのが普通です。また流星は輻射点の近くだけではなく、ほぼ全天にまんべんなく流れますので、観測にはなるべく視界の広い場所が適してます。

 また場所は、空が暗ければ暗いほど多くの流星が見られるので、よい条件となります。天の川が見られるような場所が良いです。

 また虫対策、夜露対策、山の上などの標高の高い場所で見る場合には、夏とはいっても明け方は冷え込みますので、寒さ対策にも気をつけた方がよいでしょう。


 なお、FAS府中天文同好会は8月12〜14日、長野県で観測を行う予定です。結果がまとまったら、またこちらに掲載しますので、お楽しみに。



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