当会の過去の観測をまとめたのが上のグラフです。グラフでは実際に見えた流星数に、さまざなま条件を補正した値(通常ZHRといいます)でプロットしてます。
すると極大はおよそ140.0という頃になるのがわかります。これは太陽黄経の値で、これが140.0という位置に地球がさしかかる頃、極大を迎えるのです。当会だけでなく、多くの観測でもこの頃極大が観測されてます。
一番下の目盛りが、今年観測できる時間帯です。残念ながら今年は極大付近の山の高い部分は昼間にあたってしまうため、その前後にあたる8/12〜13、8/13〜14の二晩にほぼ同じくらいの流星数が見られそうです。
また1991年の値が突出していますが、これは新極大とよく呼ばれます。母天体のスイフト・タットル彗星が接近した1992年の前年から観測されました。当会では1991年の一度きりしか観測してませんが(実際には1992年にも目撃してますが)、一昨年の1997年までは微妙にその位置を変えて、この極大が存在したようです。今年8/13の明け方にこの極大が観測されれば、後述の予想よりも多く見られる可能性があります。
流星数は今の研究段階をもってしても未知の部分が多く、予報することはとても難しいのですが、ペルセ群のように毎年ほぼ同じように観測される流星群では、上記のような過去の条件から推定することはできます。今年の条件にあてはめて、実際に1時間あたりどのくらい見られるかをグラフにしてみました。
これによると8/13の明け方が最も多く、天の川が見られるような空では、1時間あたり50個近くにのぼりそうです。実際にはこれよりも増減しますので、もう少し多く見られる時間帯もありそうです。翌晩も比較的多く見られ、夜半過ぎから1時間あたり30個〜40個で推移しそうです。
市街地でも、良く晴れ渡り4等星が見えるような空であれば、この半分くらいの数が見られそうです。この数は光害の状況や、空の透明度(澄んでいるかどうか)で大きく変わります。
前述した新極大がもし観測されれば、もう少し多い流星が流れるかもしれません。実際には観測してみないとわからないのです。
過去の当会の観測では、今年観測できそうな太陽黄経でのものが少ないため、どのような出現数となるか(そしてどのようなグラフが描けるのか)楽しみにしています。
(なお、推定値は長野県での北緯・東経を使用しています。北や西に大きくずれた地方では、推定値も若干異なります。)