今年地球に遭遇する可能性のあるトレイルについて、今年の接近付近の詳細を検討した結果を、次の図2-1にまとめる(この図は中間報告1のfig.6に相当します)。
今回のトレイルが遭遇するのは、6月23日頃である。この時期に地球軌道に到達するトレイルは、1813年、1819年、1825年、1830年放出の4トレイルとなった。なお、1813年放出のトレイルは、今回から計算に加えた。また前回接近するとした1836年トレイルは、わずかに到達しない結果となった。
この1836年放出トレイルを含めて、これ以降に放出されたトレイルは、地球通過時にはわずかに地球軌道に到達せず、地球通過直後に相次いで接近する結果となった。これらのトレイルにおける流星物質も、分布の広がりが大きければ、地球と遭遇し流星となる可能性はある。
この4トレイルの軌道面を地球が通過する時刻などについて、下の表2-1にまとめる。また地球軌道との位置関係を図2-2に表した。
放出年 | 放出速度 [m/s] | 日付 | 時刻(JST) | 距離 [AU] | α | δ | 速度 [km/s] |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1830-1 | 8.155 | 6/23 | 22:45 | +0.0033 | 223.0 | +47.1 | 14.14 |
1830-2 | 8.169 | 6/23 | 23:17 | +0.0064 | 223.5 | +47.3 | 14.12 |
1825-1 | 8.834 | 6/23 | 23:46 | +0.0031 | 223.0 | +47.0 | 14.13 |
1825-2 | 8.859 | 6/24 | 00:36 | +0.0115 | 224.2 | +47.6 | 14.08 |
1819-1 | 10.377 | 6/24 | 01:32 | +0.0062 | 223.4 | +47.2 | 14.10 |
1819-2 | 10.388 | 6/24 | 01:29 | +0.0098 | 224.0 | +47.6 | 14.09 |
1813-1 | 13.166 | 6/24 | 01:09 | +0.0045 | 221.6 | +46.7 | 14.17 |
1813-2 | 13.290 | 6/24 | 04:32 | +0.0034 | 223.1 | +46.9 | 14.10 |
1813-3 | 13.291 | 6/24 | 04:15 | -0.0040 | 223.1 | +47.0 | 14.10 |
この結果、約0.003[AU]まで接近するトレイルが存在し、流星の出現が期待される。ただしトレイルと言っても、接近する部分は乱された部分(中間報告1を参照のこと)のため、大出現はのぞめないと判断する。
出現数の推定については、1998年との比較が必要である。現在1998年の分布については計算中である。まとまり次第、2004年のケースと比較して報告したい。