Pons-Winnecke彗星由来の流星群の
2004年出現の可能性についての検討

〜中間報告 2〜

 現在計算を行っている、2004年に出現の可能性のあるこの流星群についての中間報告2です。これまでよりも数値積分の速いツール(Integrat)を入手しましたので、こちらで計算した結果をご報告いたします。
 今後も計算ができ次第、徐々に内容を増やしていきたいと思います。

 なおこれまでの経緯につきましては、中間報告 1をご参照下さい。

更新履歴


 今年地球に遭遇する可能性のあるトレイルについて、今年の接近付近の詳細を検討した結果を、次の図2-1にまとめる(この図は中間報告1のfig.6に相当します)。

 今回のトレイルが遭遇するのは、6月23日頃である。この時期に地球軌道に到達するトレイルは、1813年、1819年、1825年、1830年放出の4トレイルとなった。なお、1813年放出のトレイルは、今回から計算に加えた。また前回接近するとした1836年トレイルは、わずかに到達しない結果となった。

 この1836年放出トレイルを含めて、これ以降に放出されたトレイルは、地球通過時にはわずかに地球軌道に到達せず、地球通過直後に相次いで接近する結果となった。これらのトレイルにおける流星物質も、分布の広がりが大きければ、地球と遭遇し流星となる可能性はある。

 この4トレイルの軌道面を地球が通過する時刻などについて、下の表2-1にまとめる。また地球軌道との位置関係を図2-2に表した。

放出年放出速度
[m/s]
日付時刻(JST)距離
[AU]
αδ速度
[km/s]
1830-18.1556/2322:45+0.0033223.0+47.114.14
1830-28.1696/2323:17+0.0064223.5+47.314.12
1825-18.8346/2323:46+0.0031223.0+47.014.13
1825-28.8596/2400:36+0.0115224.2+47.614.08
1819-110.3776/2401:32+0.0062223.4+47.214.10
1819-210.3886/2401:29+0.0098224.0+47.614.09
1813-113.1666/2401:09+0.0045221.6+46.714.17
1813-213.2906/2404:32+0.0034223.1+46.914.10
1813-313.2916/2404:15-0.0040223.1+47.014.10

 この結果、約0.003[AU]まで接近するトレイルが存在し、流星の出現が期待される。ただしトレイルと言っても、接近する部分は乱された部分(中間報告1を参照のこと)のため、大出現はのぞめないと判断する。

 出現数の推定については、1998年との比較が必要である。現在1998年の分布については計算中である。まとまり次第、2004年のケースと比較して報告したい。


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