黒い太陽 in ペルー

その6


【凱旋する観測隊】

 止めたところが砂漠だったため、バスがスタックして道に出られないというトラブルもあったが、無事小学校に戻ってくる。冷静に見ると、本当に砂漠に唯一ある緑、という感じで、伐採された木を見ると心も痛む。目に見える形で、感謝を表さないと。
 小学校到着。バスを降りると残ったスタッフの皆さんが、「見えました?見えました?」と叫んでくる。小学校では雲に阻まれ、ほんの少しだけコロナが見えただけだったそうだ。「見えましたよー」と言う、我々移動組の声に、ほっと胸をなでおろしている様子であった。

 大野さんのアナウンスで、ともかく観測が成功したことへの拍手や万歳が続く。なお、機材等の関係で、現地に残ったツアー参加の皆さんは27名。この方々の勇気に対しても拍手が送られた。

 現地の新聞社の取材があり、インストラクターの方々がそれに応える。そして一通り機材が片づくと、場所を提供して頂いた小学校に感謝をこめて、物品・金銭両面でのカンパが行われた(阪急交通社からは、ビデオ装置一式が送られるとのことであった)。そして、それに応えるかのように、用意してくれた児童達の愉快なダンス。きっとこの小学校にとっても、今後またとない大イベントであったに違いない。
 場所を提供して頂いた小学校の関係の方々や、ぎりぎりで迅速に判断を下した阪急交通社の方々に、心の底からの感謝をこめながら、小学校を後にする。こうして怪鳥とリトルのペルー皆既日食観測は幕を閉じたのであった。


 帰路で、インストラクターの田中さんとお話をしたら、おそらくバスに乗った組で望遠鏡を持っていった人は皆無だから、写ってるといいですね、と言われました。まぁ、写真もなんとか写っていましたから、軽い最小限の機材にとどめたことが、功を奏することになたったと言うわけです。(なおこの写真は、恐らくツアーに協力されたSKY WATCHE誌のコネによって、誌面で紹介されました(^^;)

【おまけ】

 現地からの帰りのバスの中、「コロナがあんまり広がってなかったけど、まぁ見られてよかったねー。」とリトルに話しかけると、「えー、コロナってもっと広がってるんだぁ。」と不満顔。まずい、と思ったときはもう遅く、「じゃぁ、来年もまた連れてってよ。(^^)」と、ここに、日蝕貧乏病にかかった女性が一人増えたことを記録して、今回の報告を終わります。なお、来年10月24日の皆既日食に向けて、インドやタイのツアーがすでに企画されているようです。怪鳥とリトルがそこに向かうかどうかは、全くの未定でありますので、あしからず。

・・・と'94年、FAS府中天文同好会の同好会誌には書いたのですが、上記のリトルの思いが強く(うー、、、お金がぁ(^^;)、'95年も同じ阪急交通社の日食ツアーでタイに行ってきました。

 リトルの'95年タイ日食報告記へ

 最後までお読み頂いた皆様、どうもありがとうございました。



 感想をお寄せ下さいませ。 メールはこちら


 '94年ペルー日食のページへ戻る   その5へ戻る  FASのホームページへ戻る