ペルセウス座流星群を見よう

 下の原稿は府中市郷土の森博物館の星空観測会の原稿をほぼそのままページにしたものです。


 8月12日頃、地球は砂粒や小石の流れの帯の中に飛び込みます。「うわー、大変!」でもあわてないで下さい。地球には大気(空気)があって守ってくれます。地球の大気の中に飛び込んできた砂粒は、大気による摩擦(まさつ)で高熱になり、光を出して燃えつきてしまいます。
 その正体は?…… そうペルセウス座流星群(ペルセ群)なんです。流れ星の正体は彗星(ほうき星)から放出された砂粒なんですね。ペルセ群の元は、スイフト・タットル彗星と言う彗星から放出された砂粒が長い年月をかけて流れの帯を作ったもので、この帯に毎年8月12日頃地球が突入することで、多くの流れ星を見せているのです。

 同じ流れの帯から地球に飛び込んできた流れ星を地上で見ると、ある1点から四方八方へ飛び出しているように見られます。この点のことを輻射点(ふくしゃてん)と言います。ペルセ群は、文字通り輻射点がペルセウス座にあるので、こう呼ばれるのです。

 過去の観測から、今年のペルセ群が最も多く見えるのは8月12日の夜から13日の明け方にかけてと予想されてます。計算上は23時(午後11時)頃に極大(きょくだい=流星が最も多く流れるピーク、当会の観測値から)を迎えますが、この時刻は輻射点が地平線からあまり離れてなくて、見える流星、つまり地平線上に流れる流星がちょっと少なくなります。夜が更けて輻射点の地平高度が十分に高くなる明け方の3時頃には、天の川の見えるようなきれいな空では、1時間に60〜80個もの流れ星が見られることでしょう。
 この晩だけしか流れないのかと言うとそうでもなく、1日前と1日後もそこそこの流れ星が見られます。さらに前後でも、一週間くらいはペルセ群の流星が見られますし、また夏はなぜか流れ星自体が多く見られる季節ですので、ぜひ観察して欲しいと思います。

 流星観察に向いている場所は、街灯のない、できる限り暗い場所です。天の川が見えるような所ならベストです。また、ペルセウス座だけでなく、ほぼ全天にまんべんなく流れますので、できるだけ視界の広い場所がよいです。そういう場所にグランドシートや銀マットなどをひいて、ねっころがってゆっくり気長に見ましょう。15分とか30分とか時間毎の流れる数などを、自由研究にまとめるのもよいかもしれませんね。

 また府中などの市街地でも、全く見えないということはありません。数は相当少なくなってしまいますが、1時間に5〜10個くらい流れることもありますから、出かけられなくても、自宅の近くでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

右の写真:ペルセ群の流星(雲で途中が途切れてます)


極大日の星空

8月12日22時頃の星空

 22時(午後10時)頃からペルセ群の流星は流れ始めます。ただこの頃は、輻射点が地平線に近く、見えない流星も多くなります。

 また、南西の空には月があり、月明かりで空がほんのりと明るくなるので、暗い流星が見づらくなります。

 月は23時30分頃沈みます。その後は、明け方まで暗い空になり、流星も見やすいでしょう。


8月13日明け方3時頃の空

 輻射点がかなり高くなり、多くの流星が見られるようになります。

 天頂やや北よりを東西に伸びる天の川が見えるような、きれいな澄んだ空ならば、1時間に60個程度見えるでしょう。

 ただ、1分に1個のペースで流れると言うことはなく、1分に3個流れたと思ったら、5〜6分流れなかったり、そんな気まぐれな流れ方をしますので、あせらずじっくりと観察してみましょう。

 3時半頃には、空が白み始め、4時頃には星が見づらくなりますので、それまでが観察時間となります。


<お薦めリンク>

97年ペルセウス群眼視観測速報
東京近郊地区流星観測者会の中のページです。日本流星研究会(NMS)のメーリングリストに報告されたデータが掲載されます。この他にも流星関係で見所たくさんのページです。



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