毎年、お盆前の夜空をいろどるペルセウス座流星群の情報です。
今年は絶好の条件で観測することができます。
ペルセウス座流星群の概要
ペルセウス座流星群(ペルセ群)は、毎年8月12日前後を中心に活動する流星群です。
毎年1時間あたり50個程度の活動が見られ、ふたご座流星群と並んで一年を通じて最大の流星群です。
地上で観測すると、まるでペルセウス座のある一点から四方八方へ放射状に流れるように見られます。この点を輻射点(ふくしゃてん、放射点:ほうしゃてんとも言う)と言い、この点がペルセウス座にあることから流星群の名前がつけられました。この輻射点は見かけ上、流星のもとになる粒が飛び込んでくる方向です。この輻射点が地上にあって、かつ夜間に流星は観測可能となります。また輻射点が高い位置にあるほど、観測条件が良いことになります。
ペルセ群の最も多く見える極大は、太陽黄経という値で139.9〜140.0度付近です。今年は日本時で8月12日深夜の23時頃〜13日未明の2時頃となります。日本では絶好の時間帯が観測できることになります。
おすすめの時間帯は8月12日深夜23時〜13日未明の4時頃で、天の川が見えるような暗い空ならば、1時間あたり60個から70個もの流れ星を見ることができそうです。市街地では街明かりの影響で暗い流星が見えなくなり、この数分の1程度となりますが、それでも明るい流星を楽しむことができそうです。
またこの日は月も夜半前に沈み、月明かりの影響を受けません。良い条件が揃っていますので、ぜひ観測してみましょう。
実際の空での見え方
実際の空でのおよその見え方を模式図に表しました。見るときの参考にして下さい。
ペルセ群の流星は22時頃から見えはじめます。図は23時頃の空ですが、この時間帯ペルセ群の輻射点は北東のやや低い空になります。このため、流星の数はやや少な目となってしまいます。しかし、天の川に沿って長い径路の流星が多く見られ、見映えの良い流星はこの頃の方が多いくらいです。
この後は輻射点が空の高い位置にのぼってきて、流星の数も増えていきます。
明け方3時になると輻射点はかなり高くなるため、流星数が最高に達します。今年は極大時刻にもあたり、空の暗いところでの流星の数は、1時間あたり70個ほどになるかもしれません。
寝転がってみるのが基本ですが、輻射点が天頂近くになるため、地平線付近でも地平線に突き刺さるような流星が多く見られます。見やすい体勢で見てみましょう。
この後は薄明が始まり、空が白んできます。観測可能なのは、東日本では4時頃、西日本では4時半頃まででしょう。
どうやって見る?
流星は輻射点の近くだけではなく、ほぼ全天にまんべんなく流れますので、観測にはなるべく視界の広い場所が適してます。
そして基本的にはグランドシートや銀マットなどの上に寝っ転がって、頭の真上を見るのが普通です。立ったままで上を向くと、首が痛くなります(^^;。
当然、空が暗ければ暗いほど多くの流星が見られるので、天の川が見られるような場所がベストです。ただし、ペルセ群は明るい流星も多いので、市街地でも街灯などが目に入らないように工夫して観察すると、思いのほか多くの流星が見られると思います。あきらめずにチャレンジしてみましょう。
なお夏とはいえ、高原などでは明け方は冷え込みますので、寒さ対策も必要です。また虫などにも注意しましょう。
ちょっとマニアックなお話
実はちょうどこの日、やぎ座からの流星が少し流れるかもしれない、という計算結果を得ています。どのくらいの数になるのかは全くの未知数(と言っても、ペルセ群よりははるかに少ないでしょう)なのですが、経験のある方は、南からの流星もちょっと気にしてみてください。
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なお、FAS府中天文同好会は8月11〜13日に、長野県内で観測を行う予定です。結果がまとまったら、またこちらに掲載しますので、お楽しみに。
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