毎年、お盆前の夜空をいろどるペルセウス座流星群の情報です。
観測速報
当会メンバーは、8月11〜12日、12〜13日の二晩観測しました。ともに極大や注目される時間帯は含まれなかったのですが、ペルセ群の活発な活動の片りんをうかがうことができました。
一晩目流星数がもっとも多かったのは2:40〜3:10の30分間に29個で1時間あたりに換算(HR)すると58個/時でした。
また二晩目は1:30〜2:00の30分間に33個、1時間あたり換算(HR)66個/時でした(くわしい解析などは後日掲載予定)。
Aug.11-12/2004
Time min Ls h Lm Cl All Per HR CHR ZHR Obs. Rec.
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00h40m-01h10m 30 139.25 41.3 6.2 2 28 23 46 66 123 寺久保 一巳 佐藤 智子
01h10m-01h40m 30 139.27 45.3 6.2 3 17 9 18 30 49 中島 直之 佐藤 幹哉
01h40m-02h10m 30 139.29 49.3 6.2 1 36 24 48 61 93 佐藤 智子 寺久保 一巳
02h10m-02h40m 30 139.31 53.1 6.3 0 24 18 36 40 55 佐藤 幹哉 中島 直之
02h40m-03h10m 30 139.33 56.9 6.2 0 41 29 58 67 87 寺久保 一巳 佐藤 智子
03h10m-03h40m 30 139.35 60.4 6.2 0 33 21 42 48 60 中島 直之 佐藤 幹哉
03h40m-04h10m 30 139.37 63.4 5.4 0 22 19 38 64 75 佐藤 幹哉 寺久保 一巳
Aug.12-13/2004
Time min Ls h Lm Cl All Per HR CHR ZHR Obs. Rec.
--------------+--+-------+-----+----+--+---+---+----+----+-----+------------+------------
21h30m-22h00m 30 140.08 18.7 5.4 1 18 6 12 22 123 中島 直之 寺久保 一巳
22h00m-22h30m 30 140.10 21.9 5.5 0 24 18 36 58 252 佐藤 幹哉 佐藤 智子
22h30m-23h00m 30 140.12 25.4 5.5 1 21 17 34 60 216 寺久保 一巳 中島 直之
23h00m-23h30m 30 140.14 29.0 5.4 1 18 11 22 41 122 佐藤 智子 佐藤 幹哉
23h30m-24h00m 30 140.16 32.7 5.5 0 37 22 44 70 177 中島 直之 寺久保 一巳
00h00m-00h30m 30 140.18 36.6 5.4 3 28 20 40 96 208 佐藤 幹哉 佐藤 智子
00h30m-01h00m 30 140.20 40.5 5.5 3 24 17 34 78 148 寺久保 一巳 中島 直之
01h00m-01h30m 30 140.22 44.5 6.2 2 26 17 34 49 83 佐藤 智子 佐藤 幹哉
01h30m-02h00m 30 140.24 48.5 6.2 1 47 33 66 84 130 中島 直之 寺久保 一巳
02h05m-02h35m 30 140.26 53.0 6.3 3 36 27 54 85 119 佐藤 幹哉 佐藤 智子
02h35m-03h05m 30 140.28 56.8 6.2 2 25 21 42 60 79 寺久保 一巳 中島 直之
03h05m-03h35m 30 140.30 60.2 6.2 3 33 21 42 69 85 中島 直之 佐藤 幹哉
観測地:長野県立科町
Time:観測時刻 min :観測時間(分) Ls :太陽黄経(2000.0年) h :輻射点高度
Lm :最微星光度 Cl :雲量 All:全流星数 Per:ペルセ群流星数
HR :ペルセ群の一時間あたり流星数 CHR:ペルセ群の修正HR ZHR:ペルセ群の天頂修正HR
Obs.:観測者 Rec.:記録者
なお、CHR = HR * 1.6^(6.5-Lm) * 10/(10-Cl), ZHR = CHR / (Sin(h))^1.5
(日本流星研究会の算出方法に準拠)
以下は事前掲載情報です。
ペルセウス座流星群の概要
ペルセウス座流星群(ペルセ群)は、毎年8月12日前後を中心に活動する流星群です。
毎年1時間あたり60個程度の活動が見られ、ふたご座流星群と並んで一年を通じて最大の流星群です。
流星群とは、彗星がまき散らした砂粒が地球の大気に飛び込んで、摩擦で高温となり、さまざまな要因で光りを放ち、あたかも星が流れたように見えるものです。ペルセ群の場合は、スイフト・タットル彗星という彗星がまき散らした砂粒が地球に飛び込んでくるものです。地球は、この砂粒の流れの帯を毎年8月12日頃通過し、たくさんの流星が見られます。
地上で観測すると、まるでペルセウス座のある一点から四方八方へ放射状に流れるように見られます。この点を輻射点(ふくしゃてん、放射点:ほうしゃてんとも言う)と言い、この点がペルセウス座にあることから流星群の名前がつけられました。この輻射点は見かけ上、流星のもとになる粒が飛び込んでくる方向です。この輻射点が地上にあって、かつ夜間に流星は観測可能となります。また輻射点が高い位置にあるほど、観測条件が良いことになります。
ペルセ群の最も多く見える極大は、太陽黄経という値で139.9度付近です。今年は日本時で17時頃となり、残念ながら日本では観測できない時間帯となりました。
したがって今年は、8月11〜12日の晩、12〜13日の晩の二晩が注目となります。
※太陽黄経の計算はこちら(時刻入力)とこちら(太陽黄経入力)。
一方で今年地球と遭遇する流星物質は、2003年2月に木星に接近しており、その分布状態が少し変化している可能性が高いです。特に前々回彗星が太陽に接近した1862年に放出された流星物質が、今年地球と接近することをフィンランドのライチネンさんが指摘し、注目されています。この時刻は8月12日の6時頃(日本時)となり日本では夜明け過ぎで観測不可能ですが、8月11〜12日の晩は明け方近くに流星物質が増加するかもしれません。
※怪鳥もこの計算をしてみました。その結果はこちらから。
実際の空での見え方
実際の空でのおよその見え方を模式図に表しました。見るときの参考にして下さい。
ペルセ群の輻射点は、ペルセウス座とカシオペヤ座の中間にあり、また天の川の中でもあります。時間帯は輻射点の高度が高くなり始める22時頃から流れ出しますが、さらに高くなる24時頃から本格的になります。
上記は22時頃の星の位置です。この頃は輻射点が低いため、流星の数はあまり多くありませんが、長径路の流星が多く見られます。特に天頂付近では天の川に沿って流れますので、見応えがあるかもしれません。12日は極大が過ぎてすぐなので、この時間帯も注目となります。
明け方3時になると輻射点が高くなるため、その条件自体は良くなります。13日明け方は極大が過ぎて流星の数は減ってくる頃ですが、逆に12日の明け方は流星が急に増えてくるかもしれません。特に12日6時頃の極大の状況いかんでは、このくらいの時刻から増えてくるのかもしれません。いずれにしても注目の時間帯ですね。
どうやって見る?
流星は輻射点の近くだけではなく、ほぼ全天にまんべんなく流れますので、観測にはなるべく視界の広い場所が適してます。
そして基本的にはグランドシートや銀マットなどの上に寝っ転がって、頭の真上を見るのが普通です。立ったままで上を向くと、首が痛くなります(^^;。
当然、空が暗ければ暗いほど多くの流星が見られるので、天の川が見られるような場所がベストです。ただし、ペルセ群は明るい流星も多いので、市街地でも街灯などが目に入らないように工夫して観察すると、思いのほか多くの流星が見られると思います。あきらめずにチャレンジしてみましょう。
なお夏とはいえ、高原などでは明け方は冷え込みますので、寒さ対策も必要です。また虫などにも注意しましょう。
なお、FAS府中天文同好会は8月11〜13日に、長野県で観測を行う予定です。結果がまとまったら、またこちらに掲載しますので、お楽しみに。
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