3.地球軌道との交差期間(〜1927年)


 彗星は2公転毎に木星と接近し、近日点距離がさらに大きくなる。地球軌道に非常に近いところを通過するようになる。
 このため、放出された流星物質も地球軌道付近でうねるように分布し、交差するようになる。流星物質の回帰のタイミングによっては、流星出現が大いに期待される。

3−1 1898年〜1904年

 彗星よりも早く回帰する流星物質が摂動の影響を大きく受け、地球軌道と交差するようになる。ただし、回帰のタイミングが合っていないため、流星出現の可能性は低い。

X軸:降交点通過時刻(T1)  Y軸:降交点通過時の太陽との距離(r)
*:彗星本体



図 1898年回帰時の流星物質の分布





図 1904年回帰時の流星物質の分布


3−2 1909年〜1915年

 彗星軌道がより地球軌道に接近するようになる。流星物質がうねり、各回帰毎に3度地球軌道と交差するため、流星が出現する可能性が高い。
 1909、1910、1911年、1915、1916、1917年に出現の可能性がある。実際、1916年には突発出現が確認されている。

X軸:降交点通過時刻(T1)  Y軸:降交点通過時の太陽との距離(r)
*:彗星本体



図 1909年回帰時の流星物質の分布





図 1915年回帰時の流星物質の分布


3−3 1921年〜1927年

 木星の摂動をさらに受け、彗星軌道は地球軌道の外側に移る。ただし流星物質の分布は広がり、彗星回帰付近のみで地球軌道と交差する。
 1921年、1927年に出現の可能性がある。実際この両年には突発出現が確認されている。

 また、かなり古く彗星から放出され、彗星よりも大きく遅れて公転する流星物質は、木星の摂動を受けなくなる。これらは地球軌道付近にとどまり、流星出現の可能性を残す。
 この物質からは1930年に出現の可能性が示される。

X軸:降交点通過時刻(T1)  Y軸:降交点通過時の太陽との距離(r)
*:彗星本体



図 1921年回帰時の流星物質の分布





図 1927年回帰時の流星物質の分布


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