リニアー彗星の情報

C/1999S4 Comet LINEAR

 7月に地球に接近した彗星です。当初の予報より暗く、6等級で観測されました。その後砕け散る様子が捉えられていて、消滅が噂されてます。


<彗星消滅に向かう?>

 7月末、この彗星が砕け散る様子が観測されていると話題になりました。

 7/5〜7にはハッブル宇宙望遠鏡で、彗星を形成する物質が引きちぎられて遠ざかっているような様子が捉えられました。また7/22には、彗星が0.5等ほど急激に暗くなる様子が見られたとのことです。中心部を形成する「核」も7月末に入って見られず、このような様子は彗星が砕け散っている様子を示しているとのことです。

 そしてこのままだと消滅に向かう可能性があるとのこと。一体どうなってしまうでしょうか。単に期待外れだったというだけでなく、とっても興味深い彗星になってしまいました。

<発見の経緯>

 この彗星は、LINEAR彗星(1999S4)と言います。LINEARは「The Lincoln Near Earth Asteroid Research」という、地球に接近する小惑星を捜索するプロジェクトの名称で、小惑星に限らず移動する彗星も非常に数多く発見されてます。このため、単に「リニアー彗星」というと非常に多くの彗星を指してしまうので、注意が必要です。

 この彗星は1999年9/27に小惑星状の移動天体として発見されたようですが、その後の観測で彗星であることが判明し、1999S4という番号がつけられました。


<今後の動向 〜光度の推移など〜>

 昨年の発見時では、順調に増光すると最大3等台が見込まれ期待されてました。今年に入って一時増光が鈍り、明るくなるかどうかが心配されましたが、6月に入り再び増光が確認されました。

 しかし、今度は6月下旬になんと減光するに至り、7月下旬の最接近時も約6等までしか明るくなりませんでした。

 予想光度は怪鳥による推定です。これより明るくなることも、暗くなることもあります。
 光度観測のデータはICQのものを参考にしました。
 なお光度についての詳しい情報は、下記サイトもご参照下さい。


 地球への最接近は7月23日で、この頃、尾が一番長く見られそうです。その後7月26日に太陽へ最も近づき、彗星活動が最も活発な時期を迎えます。

 その後は地球からも太陽からも遠ざかりますが、8月上旬までは見られそうです。

 彗星は7月の半ばまでは明け方の空に見られましたが、7月半ばには彗星が北に進み、夕方と明け方の空で条件が好くなりました。7月下旬以降は夕方の空に回ります。


<彗星の位置>

 下記の各ページにまとめました。観望の際の参考にどうぞ。

<観測報告>


<お薦めリンク>

<軌道要素>


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