昨年から話題になりました、土星の環が消えてしまう現象についての解説と、観測報告です。
- 土星の環の消失現象説明
図を使用した怪鳥による説明です。「環が消えて見えることについてはなんとなくわかるけど、3度も4度も消えてしまうのはよくわからない」と言う方はぜひ一度ご覧下さいませ(図は、モノクロにして極力サイズを抑えてます)。
<以下観測報告です>
- 1996.02.24 夕方
星空観測会の準備中、久々に土星に望遠鏡を向けることができました。そして、ついに細くのびる土星の環を確認しました。土星はかなり西空に低く、シーイングも悪かったのですが、もうはっきりと見えてますね。今後もどんどん西空低くなってしまいますので、まだ見てない方は急いで望遠鏡を向けましょう。金星よりもかなり低くなってます。
これで、昨年から続いた一連の土星の環の消失現象の観測も、終了となりました。
観測機材:10cmフローライト屈折(f=800mm) 114倍
シーイング:2/10、透明度:2/5
- 1996.02.12 夕方
この日の午前中に、ちょうど環の平面上を地球が通過し、昨年から続いたこの現象の最後の環の消失が起こりました。このあとは約15年間、傾きがあり、きちんと太陽の光のあたっている環をずっと見ることになります。
そして、条件さえよければ見え始めてる「はず」の環を見ようと望遠鏡を向けました。が、やはりシーイングが悪く、細く串刺しのように見えるであろう環は見えませんでした。なんとなくなにかがある気配は感じるのですが、確認するまでには至りません。仕事があるので次に観測可能なのは17日の土曜日。土星はどんどん西に低くなり、観測条件が悪くなります。このシーズン中に環の復活を確認できるでしょうか。
観測機材:15cmマクストフ・カセグレン(f=1500mm) 88倍、150倍
シーイング:2/10、透明度:4/5
- 1996.02.10 夕方
この日、西空低く輝く土星を本当に久々に望遠鏡で見ました。明後日に環の消失(地球から見て、環が真横になる)を控え、環の傾きがほとんどない状態に加えて、昨年の11/19以来の裏側照明が続いてるため、環は全くかけらも見えませんでした(シーイングも悪かったのですが)。見えないはずの環を確かに見えないと確認した最後の日となりました。
観測機材:15cmマクストフ・カセグレン(f=1500mm) 88倍、150倍
シーイング:1/10、透明度:4/5
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