6月上旬現在、火星は20時頃真南の空に見られます。スピカと接近中で、赤い火星と青白いスピカの対比がきれいです。に東の空からのぼってきます。2時頃には西の空に沈みますので、夜半前が観測に適してます。
火星は約2年に一度地球と接近し、観測に適した年を迎えます。今年はちょうどその年にあたり、5/2に最接近します。
今年のはじめは、夜中の東空に1等で見えていた火星は、どんどん地球に接近し、光度も明るくなってきました。
4/24には衝を迎え、地球からみて太陽と正反対の位置に達します。一晩中観測が可能な時期になります。
さらに8日後の5/2には約8700万kmまで接近し(最接近)、明るさも−1.6等に達します。夕方に東の空に見える赤い火星は、西空にぎらぎら輝く宵の明星の金星と一緒に、非常に目立つ存在になることでしょう。
その後は徐々に遠ざかり、暗くなりながら夕方の西空へと移っていくことになります。
望遠鏡では接近に伴い、どんどんと大きく見えるようになります。
図の右下にある北極冠(ほっきょくかん)と呼ばれる白い部分は明るく見やすい模様なのですが、現在は徐々に小さくなる季節に入ってしまってます。極冠は主にドライアイスでできていると推定され、一部は氷だと考えられてます。
この他、火星表面には色々な模様が見られます。
(左図の火星像は、天文シミュレーションソフト「GUIDE.EXE」によりました。)
右図は星座上の火星の動きを表したものです。
接近の前後は、おとめ座からてんびん座の間を行き来します。6/5頃にはおとめ座の1等星スピカに接近し、きれいな光景が見られることでしょう。
その後はさそり座の方向へと移動していきます。
(右図はStellaNavigator,AstroArts/ASCIIを参考に作成しました。)