1999年の火星の接近

1999年4〜5月、火星が2年ぶりに地球に接近し、観測しやすくなります。
(このページは、郷土の森で配布したパンフレット用の原稿を、ページ用に作成し直しました。)

 6月上旬現在、火星は20時頃真南の空に見られます。スピカと接近中で、赤い火星と青白いスピカの対比がきれいです。に東の空からのぼってきます。2時頃には西の空に沈みますので、夜半前が観測に適してます。


 火星は約2年に一度地球と接近し、観測に適した年を迎えます。今年はちょうどその年にあたり、5/2に最接近します。

 今年のはじめは、夜中の東空に1等で見えていた火星は、どんどん地球に接近し、光度も明るくなってきました。

 4/24には衝を迎え、地球からみて太陽と正反対の位置に達します。一晩中観測が可能な時期になります。

 さらに8日後の5/2には約8700万kmまで接近し(最接近)、明るさも−1.6等に達します。夕方に東の空に見える赤い火星は、西空にぎらぎら輝く宵の明星の金星と一緒に、非常に目立つ存在になることでしょう。

 その後は徐々に遠ざかり、暗くなりながら夕方の西空へと移っていくことになります。

 望遠鏡では接近に伴い、どんどんと大きく見えるようになります。

 図の右下にある北極冠(ほっきょくかん)と呼ばれる白い部分は明るく見やすい模様なのですが、現在は徐々に小さくなる季節に入ってしまってます。極冠は主にドライアイスでできていると推定され、一部は氷だと考えられてます。

 この他、火星表面には色々な模様が見られます。

(左図の火星像は、天文シミュレーションソフト「GUIDE.EXE」によりました。)



 右図は星座上の火星の動きを表したものです。

 接近の前後は、おとめ座からてんびん座の間を行き来します。6/5頃にはおとめ座の1等星スピカに接近し、きれいな光景が見られることでしょう。

 その後はさそり座の方向へと移動していきます。
(右図はStellaNavigator,AstroArts/ASCIIを参考に作成しました。)

夜空の中の火星のおよその位置はこちら。



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