【2003年の火星観測報告】
■2003年8月4日
8/2にようやく梅雨が明けて、この日が3晩目。ここ2日間は疲れていてパスしていたのですが、今日ようやく初観測となりました。
●23時50分 観測者 怪鳥
CM=39.6度
視相:8/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
今年望遠鏡ではじめて見る火星は、極冠がとても明るく輝いていました。一部切れ込んでいるように見えました。
全体的に模様は淡く感じ、暗い部分がはっきりとはわかりませんでした。右部分には、太陽湖(ソリス)が見えています。
●24時00分 観測者 リトル
CM=42.0度
視相:8/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
リトルも2年ぶりの火星です。暗い部分が3カ所描かれています。一番右側が太陽湖(ソリス)ですね。
●25時04分 ビデオ撮影
CM=57.6度
視相:6/10 透明度:3/5
機材:15cmマクストフカセグレン(150倍)+デジタルビデオ(コリメート)
久々にビデオ撮影も試みてみました。うちの機材としてはまずまずの映りだと思います。正面やや右側が太陽湖(ソリス)です。
■2003年8月10日
台風一過で晴れたこの日。シーイングは今ひとつですが、きれいな火星が見られました。
●23時31分 観測者 怪鳥
CM=341.0度
視相:4/10 透明度:5/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
子午線の湾が中央やや右にきれいに見えてました。シーイングはちょっと悪かったものの、前回のスケッチよりは濃淡のメリハリがあって見やすかったです。
極冠はちょうどへこんでいる部分が見えていて、随分といびつに見えました。
●23時50分 観測者 リトル
CM=345.7度
視相:2/10 透明度:3/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
相変わらずシュールなスケッチですが、かなりの悪シーイングが響きました。極冠の様子などはよく捉えられてると思います。
本人談:もうシルチスが沈んじゃった・・・。
●24時04分 一眼レフデジカメによる撮影 吉野 宗治
CM=349.1度
機材:20cm自作ニュートン+キャノンEOS 10D
吉野さんから写真が届きました。4コマのコンポジット画像です。傾きが若干違いますが、上のスケッチと見比べてください。
■2003年8月22日
最接近を5日後に控え、久々に晴れ上がった府中の空に火星を見ることができました。
●24時13分 観測者 怪鳥
CM=244.7度
視相:4/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
久々に見た火星は、南極冠がとっても小さくなっていました。色も輝いているというよりは、少し濁った感じで、これからも小さくなっていくのでしょうか。
右端に大シルチスが出てくるところでした。計算すると、もう少しまわってきていておかしくないようですが、あんまり良く見えませんでした。
●24時45分 観測者 リトル
CM=252.4度
視相:8/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
シルチスが出てきて、よく見える位置。シーイングも良く、色々な模様がよく見えています。
極冠が小さくなり、そのまわりが少し黒くなっていました。
●25時21分 観測者 怪鳥
CM=261.2度
視相:5/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
シルチスが出てきたので、もう1枚スケッチをとりました。今シーズンはじめてみる大シルチスは、思ったより下側にあって、ちょっと観察しづらかったです(今年は、南半球=上側が地球側に向いているため、北半球にあるシルチスがかなり下に見えてしまいます)
一方シルチスの上側にあるヘラスは、今まではかなり明るい部分として見てきましたが、今年はうすぼんやりとしていて、あまり明るくありませんでした。なにかうす暗めの模様も見える感じです。
■2003年8月25日
最接近3日前。この後、天気が崩れて火星観測が難しくなりそうなので、しっかりと観測してみました。
●23時11分 一眼レフデジカメによる撮影 吉野 宗治
CM=203.0度
機材:20cm自作ニュートン+キャノンEOS 10D
吉野さんから届いた写真です(4コマのコンポジット画像)。下のスケッチよりだいぶ早い時間帯で、大シルチスへと続くキンメリア人の海の辺りが見えています。
●26時50分 観測者 リトル
CM=256.4度
視相:4/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
回を重ねるごとに上手になる、リトルのスケッチです。3日前とほぼ同じ経度ですが、今日は中央近くの部分がよく見えたとのことでした。ちなみに似ていますが、太陽湖(ソリス)ではありません。
●27時03分 観測者 怪鳥
CM=259.6度
視相:4/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
全体的にシーイング(視相)が満足でない、今年の火星。この辺の影響で、毎回見え方がちょっと違ってしまいます。
一方で大シルチス(右下部分)のさらに右側が非常に明るく輝いていました。おそらく朝霧ではないかと思います。時々見られますね。
■2003年8月28日
最接近1日後。残念ながら昨晩は曇られてしまいました。この日は薄雲がかかっていたものの、天気がやや回復。我々にとっては、おそらく今年最も大きく見えた火星でしょう。
●25時22分 観測者 怪鳥
CM=208.5度
視相:3/10 透明度:2/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
シーイング(視相)・透明度とも今ひとつで、かなりシュールなスケッチとなってしまいました。右側に見えるのは朝霧でしょうか。リトルが見た北極側(下側)の雲は、私にはあまりよく見えてません。
●25時25分 観測者 リトル
CM=209.2度
視相:3/10 透明度:2/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
先日23日の星空観測会で見た火星とほぼ同じ経度ですが、スケッチは初めて。左側がシレーンの海、右側がキンメリア人の海という部分にあたります。
■2003年8月30日
最接近を過ぎましたが、十分に大きくて、見やすいです。カラースケッチにもチャレンジしてみました。
●22時30分 観測者 リトル
CM=148.9度
視相:6/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
少し単調な部分が続く場所です。南極冠の左側が崩れ気味。北極側(下側)では雲の影響か、かなり明るく見えます。
●22時41分 観測者 怪鳥
CM=151.5度
視相:4/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
中央部分がやや明るいほか、北極側(下側)、右下、右上などに明るい部分を感じました。南極冠はいびつに見えますね。
●25時25分 観測者 リトル
CM=191.5度
視相:6/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
リトルの提案でカラースケッチに初挑戦。色鉛筆の色数の都合で、かなり大胆な色使いにはなってますが、火星面の特徴が良く出ていると思います。
●26時10分 観測者 怪鳥
CM=202.5度
視相:3/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
ややおとなしめの色使いかもしれませんが、全体的にはかなり黄色っぽい感じに見えているのは事実です。暗い部分も彩度の落ちた茶色という感じでしょうか。全体的に図の左側の方が多少赤っぽく、右上の方ほど黄色っぽく感じるのは、機材のせいなのか、大気のせいなのか、本当にそうなのか、今ひとつわかりかねるところ。
南極冠は真っ白ではなく、だいぶ黄色みがかっているように思いますが・・・。
■2003年9月5日
ほぼ一週間ぶりの観測は、一ヶ月ぶりの太陽湖(ソリス)の観測になりました。
●22時23分 一眼レフデジカメによる撮影 吉野 宗治
CM=94.1度
機材:20cm自作ニュートン+キャノンEOS 10D
吉野さんから届いた写真です(4コマのコンポジット画像)。中央に太陽湖(ソリス)がよく見えています。
●23時25分 観測者 リトル
CM=109.2度
視相:6/10 透明度:5/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
太陽湖(ソリス)がはっきり見えました。北側(下側)に見える明るい部分は、極雲?
●23時32分 観測者 怪鳥
CM=110.9度
視相:6/10 透明度:5/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
太陽湖(ソリス)から右側に続く複雑な部分が印象的。南極冠は明るい部分の左側にやや薄暗い部分があって、二重構造に見えました。
●25時54分 観測者 リトル
CM=145.6度
視相:4/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
この日2枚目のスケッチ。火星もだいぶ西に傾き、見づらくなりました。
■2003年9月9日
火星と月が接近したこの日。月が近くて観測は難しいかと思われたのですが、真夜中を過ぎて多少離れると、問題なく観測できました。
●24時34分 観測者 リトル
CM=90.7度
視相:6/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
まん中に見える太陽湖(ソリス)が印象的。
●25時11分 観測者 怪鳥
CM=99.6度
視相:6/10 透明度:3/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
南極冠がかなり平べったく感じて、描きにくかったです。太陽湖(ソリス)はこんな感じなんでしょうか?とらえどころが難しい模様です。
■2003年9月12日
思ったほど台風の影響がなく、シーイングも好く観察できました。
●23時57分 観測者 怪鳥
CM=54.9度
視相:8/10 透明度:5/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
今シーズンはじめてシーイングで8/10を付けました。複雑な部分なのですが、とてもスケッチに表現できないほど、細かい模様も見えてました。太陽湖(ソリス)の回りの部分がよく見えたのが印象的。
●24時15分 観測者 リトル
CM=59.2度
視相:8/10 透明度:5/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
細かくて、大変だったとのこと。太陽湖(ソリス)の部分や、左側暗部の中に見られる白い部分がよく見えてます。
■2003年9月17日
正式観測は5日ぶりとなりました。西に傾くのが早くなりました。これからは、もっと早い時間帯に観測しないと。
●24時21分 観測者 リトル
CM=16.0度
視相:4/10 透明度:3/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
シーイングが悪くて、ほとんど見えなかったとのこと。左の明るい部分がヘラスのようです。
●24時30分 観測者 怪鳥
CM=18.2度
視相:4/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
シーイングが悪いので、模様をとらえづらかったです。特に黒い部分が多い経度なので、いかに細かく観察するかが難しい。また右側が少し欠けてきたように思われました。
■2003年9月30日
このところ天気が悪かったり、出かけたりで、観測は2週間ぶりとなってしまいました。
しかし久々に見る火星は、すっかり秋へと季節が変わった天候のため、シーイングが悪く最悪の条件でした。
●22時35分 観測者 リトル
CM=232.4度
視相:2/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
シーイングが悪くて、ゆれゆれ模様。ただ中央に黒い伸びている模様が見えたようです。また北極側の明るい部分も目立ちました。
●22時47分 観測者 怪鳥
CM=235.4度
視相:1.5/10 透明度:4/5
機材:15cmマクストフカセグレン(250倍)
本来なら観測してはいけないシーイングだと思いますが、久々なので一応スケッチしてみました。火星はだいぶ欠けてきましたね。
極冠はシーイングのせいで時々しか見えませんが、まだしっかりとしているようでした。北極側や欠け際がだいぶ明るく見え、雲か霧が出ているようです。この辺はところどころ青みがかってみえました。
怪鳥が使用しているフォーマットです。よろしかったらご利用下さい。
用紙は厚めのA5に印刷してご使用ください(またはA4に2回印刷してカットしてください)。
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