1998年8月22日の日食の情報

 8月22日、西日本で部分日食が見られます。また、東南アジアの一部などでは、金環日食が見られます。


日食の概要

 この日食が見られる範囲を、右図に示します。中央の赤い線に囲まれた細長い地域(陸地では、スマトラ島、マレー半島、ボルネオ(カリマンタン)島などの一部など)では、金環日食が見られます。月が太陽の手前の内側にすっぽり入り、太陽が環のように残って見えます。

 また西日本をはじめとする東〜中央アジアの一部や、オーストラリアなどでは、部分日食が見られます。

(右図は、客星さん作成のフリーソフト「EMAP」に若干手を加えてて作成したものです。なお、作者の客星さん(竹迫忍さん)のホームページ「古天文の部屋へようこそ」はこちらです。ソフトのダウンロードもできます。)

 日本では、西日本で部分日食が見られます。下図はその見られる限界線(境界)付近です。

 限界線は、島根県江津市、岡山県邑久町、兵庫県北淡町・淡路町、和歌山県泉大津市、三重県志摩町などを通過しています。これより南側では部分日食となりますが、限界線に近いところでは、欠けているかどうかわかりにくいかもしれません。

 欠ける部分は南に行くほど多くなり、石垣市では食分で約0.34(太陽直径の34%内側まで、月が入り込む)となります。


日食の時刻予報

主な都市における現象の予報です。観測の参考にどうぞ。
(「EMAP」により計算しました。入力位置の精度により多少の誤差が見込まれます。)
都市名   開始   最大   終了   食分
和歌山市 9:51:22 10:04:28 10:17:34 (0.010)
岡山市  9:55:48 10:02:28 10:08:58 (0.002)
久留米市 9:26:43  9:56:48 10:27:54 (0.056)
鹿児島市 9:15:30  9:56:39 10:40:00 (0.107)
那覇市  8:49:23  9:51:31 11:00:07 (0.280)
石垣市  8:40:03  9:45:36 10:59:20 (0.344)

観測方法

 いずれの場合も、太陽の観察には注意が必要です(目を痛めたり、失明のおそれがあります)。十分に気をつけしょう。

肉 眼

 食分の深い地域では、太陽の光を弱めれば欠けてる様子が観察できます。
 太陽の光を弱めるには、次のようなものを利用します。  お薦め減光法のページはこちら

 なお、普通のサングラス、黒い下敷き、カラーフィルム等は目を痛めますので、絶対に避けましょう。またカメラ用のNDレンズも、熱線を若干通すので避けた方がよいとの話を聞いたことがあります。注意しましょう。

双眼鏡

 基本的には観察できません。減光すればよいのですが、双眼鏡自体に光(熱)を集めるパワーがありますので、素人は避けた方がよいです。

望遠鏡

 口径を絞り、太陽観察用の特殊な濃いフィルターを利用すれば観察可能ですが、かなり注意が必要です。またフィルターが熱を持って割れるおそれもありますので、観察していない場合は視野から太陽を外しておくなどの配慮も必要です。
 また、投影板が付属しているものは、これに投影することで観察できます。投影された太陽を見る分には安全ですが、覗き込んでるときに、誤って太陽光の差し込む方向を見ないように(特にお子様に見せるときには)注意しましょう。

その他

 太陽が欠けてるときに、日光を小さな穴を通して見ると、ピンホールの原理で写った像が欠けて見えます。うまく木漏れ日が影を落とす所を見つけると、欠けた太陽でいっぱいになりますから、注意して見てはいかがでしょうか。(右の写真は1995年10月24日タイで部分日食中、イスの穴を通して影を作ったものです。上側が欠けてます。)

 また、墨汁を器に入れて、その水面に太陽を映すとまぶしくなく見えるそうです。1988年に小笠原沖で皆既日食を見たとき、これをしている方がおりました。


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