2004年10月14日の部分日食の情報

 2004年10月14日、約2年ぶりに部分日食が見られます。こちらの情報です。


速報

最大食分の頃から府中でも雲が薄くなり、欠けた太陽が見られました。



11:48頃(最大食分から数分後)



12:22頃



12:34頃(食終了直前)

5cm屈折(f=400mm)・直焦点撮影(共通データ)


日食の概要

 10月14日の昼間は、日本の一部の地域を除いて部分日食が見られます。部分日食には、場所を選んでも部分日食しか見られないものと、場所によっては皆既食・金環食になるものがありますが、今回のものは世界的に見ても部分日食しか見られないものです。

 日食が見られる範囲は図の通りとなります。日本では九州の一部と沖縄県を除いて、この日食を見ることができます。世界的には、アラスカで最も食分が大きくなります(食分約93%)。国内ではおおむね北に行くほど食分が大きくなり、知床岬で約46%、稚内で約42%の食分となります。

(図は、竹迫さん作成のフリーソフト「EMAPWIN」に若干手を加えてて作成したものです。)



日食の様子

 部分食は各地で開始・最大・終了時刻などが変わります(各地のデータは、今後掲載予定)。府中では10時45分にほぼ上側から欠け始めます。その後食は11時40分に最大となり、食分は約24%で、太陽の直径の約1/4まで月が入り込みます。
 その後、月はさらに左側へと移動し、徐々に形を戻しながら12時35分には食が終了となります。

 右図は府中での様子です。太陽がほぼ南中しており、南の空約45度での現象で条件好く観測できそうです。

各地の現象時刻と最大食分

場所開始最大終了最大食分場所開始最大終了最大食分
稚内10:23:0011:29:1012:35:1041.8%名古屋10:48:1011:37:2012:26:3018.0%
根室10:28:4011:37:2012:45:2044.6%潮岬10:55:5011:38:3012:21:1013.0%
札幌10:27:1011:31:5012:36:2038.0%大阪10:51:1011:36:0012:20:5014.7%
青森10:31:5011:34:1012:36:4033.7%鳥取10:49:2011:32:3012:16:1013.8%
盛岡10:34:3011:36:3012:38:2032.6%岡山10:53:1011:33:3012:14:0011.8%
仙台10:38:0011:38:2012:38:3029.9%広島10:56:5211:31:3012:06:308.5%
酒田10:36:1011:35:4012:35:1029.3%徳島10:54:5011:35:3012:16:1011.9%
宇都宮10:42:4011:39:4012:36:3025.6%高知10:58:5011:34:4012:10:409.0%
府中10:45:2011:40:3012:35:3023.5%福岡11:07:4011:29:4011:51:303.3%
新潟10:39:0011:36:0012:33:2026.3%大分11:05:3011:32:1011:58:404.8%
金沢10:43:4011:34:4012:25:5020.0%宮崎11:16:4011:34:0011:51:102.0%
諏訪10:44:3911:37:4012:30:5021.7%長崎11:20:4011:30:1011:39:300.6%
静岡10:48:0011:40:0012:31:5020.4%国分11:25:2011:33:2011:41:100.4%


観察方法

 いずれの場合も、太陽の観察には注意が必要です(目を痛めたり、失明のおそれがあります)。十分に気をつけしょう。

肉 眼

 太陽の光を弱めれば、欠けてる様子が観察できます。
 太陽の光を弱めるには、次のようなものを利用します。  
お薦め減光法のページはこちら

 なお、普通のサングラス、黒い下敷き、カラーフィルム等は目を痛めますので、絶対に避けましょう。またカメラ用のNDレンズも、熱線を若干通すので避けた方がよいとの話を聞いたことがあります。注意しましょう。

双眼鏡

 基本的には観察できません。減光すればよいのですが、双眼鏡自体に光(熱)を集めるパワーがありますので、よほどのことが無い限り、避けた方が無難です。

望遠鏡

 口径を絞り、太陽観察用の特殊な濃いフィルターを利用すれば観察可能ですが、かなり注意が必要です。またフィルターが熱を持って割れるおそれもありますので、観察していない場合は視野から太陽を外しておくなどの配慮も必要です。
 また、投影板が付属しているものは、これに投影することで観察できます。投影された太陽を見る分には安全ですが、覗き込んでるときに、誤って太陽光の差し込む方向を見ないように(特にお子様に見せるときには)注意しましょう。

ピンホール・その他

 太陽が欠けてるときに、日光を小さな穴を通して見ると、ピンホールの原理で写った像が欠けて見えます。うまく木漏れ日が影を落とす所を見つけると、欠けた太陽でいっぱいになりますから、注意してみまそう。テレホンカードの穴でもOKです。(右の写真は1995年10月24日タイで部分日食中、イスの穴を通して影を作ったものです。上側が欠けてます。)

 また、墨汁を器に入れて、その水面に太陽を映すとまぶしくなく見えるそうです。1988年に小笠原沖で皆既日食を見たとき、これをしている方がおりました。

ビデオ

 ビデオで撮影する場合も、肉眼と同様の減光が必要となります(何も使わない場合、撮影できないばかりか、最悪、故障する可能性もあります)。NDフィルターを装着できれば楽ですが、肉眼用の各種減光法をテープなどで固定しても、利用可能です。
 できれば三脚に固定し、ズームを望遠側(光学の最大)にすると、そこそこ撮影できるかと思います。



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