2002年6月11日の部分日食の情報

 2002年6月11日、約5年ぶりに全国で部分日食が見られます。こちらの情報です。


日食の概要

 6月11日朝方、全国で部分日食が見られます。部分日食には、場所を選んでも部分日食しか見られないものと、場所によっては皆既食・金環食になるものがあります。今回のものは太平洋上の細い地域で金環日食が見られます。

 日食が見られる範囲は図の通りとなります。

 金環日食が見られるのは、ほとんどが海上です。わずかに見られる陸上は、怪鳥の調べるところによりますと、メキシコのごく一部、サイパン島の南部、テニアン島、バベルトゥーアップ島(パラオ)の一部、タラウド諸島の一部、サンギヘ島、スラウェシ島の一部だけです(よくわかりませんね)。日本からはサイパン島に近いテニアン島への観測ツアーが出る模様です。

 国内は全域が部分日食の範囲に入っています。食分は南東側で大きく、房総半島では約47%、小笠原諸島の父島では約66%です。府中では約45%が欠け、全国的には20〜50%程度が欠けることになります。

(図は、竹迫さん作成のフリーソフト「EMAPWIN」に若干手を加えてて作成したものです。)



日食の様子

 部分食は各地で開始・最大・終了時刻などが変わります(計算はこちら)。府中では6時42分に右やや上側から欠け始めます。その後食は7時40分に最大となり、食分は45.2%で、太陽の直径の半分近くまで月が入り込みます。
 その後、月は下側へと回り込み、徐々に形を戻しながら8時44分には食が終了となります。

 右図は府中の様子です。欠け始めは東の低空なので、東側がよくひらけた場所が必要となります。


観察方法

 いずれの場合も、太陽の観察には注意が必要です(目を痛めたり、失明のおそれがあります)。十分に気をつけしょう。

肉 眼

 太陽の光を弱めれば、欠けてる様子が観察できます。
 太陽の光を弱めるには、次のようなものを利用します。  
お薦め減光法のページはこちら

 なお、普通のサングラス、黒い下敷き、カラーフィルム等は目を痛めますので、絶対に避けましょう。またカメラ用のNDレンズも、熱線を若干通すので避けた方がよいとの話を聞いたことがあります。注意しましょう。

双眼鏡

 基本的には観察できません。減光すればよいのですが、双眼鏡自体に光(熱)を集めるパワーがありますので、よほどのことが無い限り、避けた方が無難です。

望遠鏡

 口径を絞り、太陽観察用の特殊な濃いフィルターを利用すれば観察可能ですが、かなり注意が必要です。またフィルターが熱を持って割れるおそれもありますので、観察していない場合は視野から太陽を外しておくなどの配慮も必要です。
 また、投影板が付属しているものは、これに投影することで観察できます。投影された太陽を見る分には安全ですが、覗き込んでるときに、誤って太陽光の差し込む方向を見ないように(特にお子様に見せるときには)注意しましょう。

ピンホール・その他

 太陽が欠けてるときに、日光を小さな穴を通して見ると、ピンホールの原理で写った像が欠けて見えます。うまく木漏れ日が影を落とす所を見つけると、欠けた太陽でいっぱいになりますから、注意してみまそう。テレホンカードの穴でもOKです。(右の写真は1995年10月24日タイで部分日食中、イスの穴を通して影を作ったものです。上側が欠けてます。)

 また、墨汁を器に入れて、その水面に太陽を映すとまぶしくなく見えるそうです。1988年に小笠原沖で皆既日食を見たとき、これをしている方がおりました。

ビデオ

 ビデオで撮影する場合も、肉眼と同様の減光が必要となります(何も使わない場合、撮影できないばかりか、最悪、故障する可能性もあります)。NDフィルターを装着できれば楽ですが、肉眼用の各種減光法をテープなどで固定しても、利用可能です。
 できれば三脚に固定し、ズームを望遠側(光学の最大)にすると、そこそこ撮影できるかと思います。

 怪鳥は個人的にビデオ撮影しようと思っています。ただし5cm屈折望遠鏡を使用してのコリメート撮影です。対物レンズ側にND400フィルターを2枚装着し、アイピース(接眼レンズ)を付けて、この接眼部分に目で見るようにビデオを固定して撮影する予定です。

 ・・・が、残念ながら府中では太陽を拝むことができませんでした。(;_;)



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