1月24日の小惑星Ireneによる恒星の食の観測結果


小惑星名 No.14 Irene ( 光度 = 9.2等 )
恒星名  GSC 193900864 ( 写真光度 mp.= 7.4 )
予報日時 1996/01/24 25h00m(J.S.T)
観測時刻 24h50m00s〜25h07m00s(J.S.T)
観測結果 減光を認めず
観測機材 15cmマクストフカセグレン(88倍)
保時手段 JJY
観測者  佐藤 幹哉
観測場所 東京都府中市晴見町(自宅) E 139゚28'45" N 35゚40'43" h 60m

 この日府中は久々のきれいな空で小惑星の方も見えるんじゃないかと(9.2等ですから)期待してました。

 望遠鏡のセッティングが終わり、目的の星が導入できたのが約30分前、このとき恒星のそばに、まるで二重星の伴星のように暗い星があることを見つけました。ただ思うよりも離れていたため(最初は37.5倍で見てました)これじゃないだろうなぁ、と思っていたのでした。
 ところがしばらく見てると、その暗い星と恒星との距離が徐々に近づいてくるのがわかるのです。
「うわー、こんな短時間でこの距離が埋まるのかぁ」
と思いつつ、しばらく間をおいて、おぉ近づいた、、の繰り返しをしばらく楽しんだのでした。

 一応観測予定時刻の23h50m(約10分前)になったので、そこからは常に星を凝視することになるのですが、まだ星の脇に小惑星が見えるのです。そしてどんどん恒星に近づいてきます。「これは来るか?」と思うと結構緊張してきます。この後、5分前の55mまでは、近づきながらもはっきり分離してました。

 本当はそのあともしばらくは分離して見えていた気がするのですが、光度差のあるこの2星を凝視すると非常に目が疲れるので、とりあえずはっきり見ないように目をそらし気味に明るさだけを気にして(少し離れた恒星との光度が比較できる程度に)、現象時刻を待ちました。深夜の庭にJJYだけが妙に響きます(^^;。しかし、減光は見られませんでした。

 予報時刻が過ぎ、24h05m頃からなんとなく星が一つでないな、と言う風に感じ始め、07m、先ほどと反対側に小惑星が分離して見えたのを確認し、観測を終えました。一体どこをすり抜けていったのでしょう(^^;

 今日の情報では、宮城県で観測に成功された方がいるようですね。羨ましいっす。


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