[JOIN:1694] より転載


 [JOIN:1694] upsilon Leo by Simeisa

相馬です.仙台を中心とする東北地方の方々,特にご注目ください.

 今夜の (748) Simeisa (14.2等, 直径107km) によるυ Leo (4.5等) の掩蔽に
ついて Dr. David Dunham からの情報がすでに JOIN にも届いておりますが,こ
こでそれを要約しておきます.このメールは転載自由です.多くの観測者に観測
を呼びかけてください.その際,観測用星図などが載っている雑誌やホームペー
ジをいっしょに紹介してくださるとなお良いと思います.予報精度から言って,
日本国内の場所による違いも含めて21時24分の前後それぞれ1分間,恒星を注視
すれば充分です.

 アメリカの U.S. Naval Observatory の Flagstaff観測所の2月2日から22日
までとアメリカのカリフォルニアにある Table Mountain Observatory の3月2
日夜の計10個の精密な位置観測から,掩蔽は仙台を中心とする 115kmの幅の地域
で,3月4日21時24分に見られることが予想されます.輝面比 95%の月がわずか
16度離れたところにあるため,肉眼での観測は不可能と思われますが,双眼鏡を
使えば観測は容易でしょうし,家庭用ビデオカメラをマニュアルフォーカスにし
て小望遠鏡のアイピースに近づけてビデオ撮影することも可能でしょう.恒星の
視直径が 0.002" もあるため,潜入や出現に少なくとも10分の数秒かかるでしょ
うし,掩蔽帯の南北限界線付近ではそれぞれ 4kmの幅で部分掩蔽帯が存在するで
しょう.

 予報の誤差は±0.04" すなわち掩蔽帯幅の±0.8 倍であるため,この予報中心
線で掩蔽が起こる確率は 50%です.したがって,少なくとも予報中心線の南北そ
れぞれ 175kmにわたって等間隔に観測者を配置するのが最良でしょう.予報中心
線に近いほど掩蔽の起こる確率は高くなりますが,すべての観測者がそこに集ま
ってしまうのは危険です.移動の困難な観測者も,少なくとも誤差の2倍から3
倍の範囲内にいる場合はその場で観測してください.

 恒星は upsilon Leonis (ZC 1685) で,2000年の位置は赤経 11h 36m 56.9s,
赤緯, -0 deg. 49' 26" です.しし座とおとめ座の境界付近にあり,おとめ座β
星の南西約4度です.Edwin Goffinの観測用星図はジョンホプキンズ大学のNEAR
のホームページ http://near.jhuapl.edu を開いて
       748 Simeisa occultation information for March 4, 1999.
をクリックすれば,この文章の原文とともに見ることができます.

 小惑星 Simeisa の視直径はわずかに 0.053"しかありませんが,これはアメリ
カで3月2日夜,少なくとも4ヵ所で掩蔽観測に成功した小惑星(580) Seleneの
視直径 0.033"より大きなものです.その改良予報の精度は今回の Simeisa とほ
とんど同じでしたが,実際のずれは掩蔽帯幅の3分の1,角度で0.01" でした.

                               相馬  充


この情報は、掩蔽観測のメーリングリスト「JOIN」に掲載されたものを、転載しました。


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