1月22日の小惑星Diomedesによる恒星の食


 観測報告へジャンプ


 1月22日夜、小惑星Diomedes(15.3等)が、9.2等の恒星をかくすという現象が予報されてます。もしこの現象が起きると、9.2等の恒星が小惑星の明るさの15.3等まで暗くなり、望遠鏡では恒星が最大約12秒間消えたように見えるでしょう。

小惑星名 No.1437 Diomedes (光度 = 15.3等)
恒星名  HIP 28410(光度 = 9.2等)
予報日時 1999年1月22日 22h57m(J.S.T)
継続時間 最大11.6秒(これより長くなることも、短くなることもあります。)
 この現象が見られるのは、小惑星とほぼ同じ約170kmほどの幅の中に限られます。天文ソフト「GUIDE」(Project Pluto)によると、この掩蔽帯は日本の南岸上を通過しています(左図)。またその他の予報でも概ね日本列島を縦断しており、日本中のどこかでは見られる可能性が高いと思われます(ただし予報がはずれる場合もあります)。

 なお「GUIDE」の制作元であるProject Plutoのホームページはこちらです。また当会甲田さんのページには、GUIDEの解説の日本語版のページが掲載されてます。

 もし複数の地点で現象が観測されれば、小惑星の大きさ・形などが推定されます。
 ちなみにこのDiomedesは、97年11月7日に日本で食が観測され、細長い形をしていることが推定されました。今回の観測からは、どんな形が見られるでしょうか。

観測の方法

 現象予報の前後10〜20分ほど(例:今回の場合は22時50分〜23時05分)恒星を監視し、現象の時刻を測定します。
 時刻の測定には、テープレコーダを用意して短波放送のJJY(5.0MHz、8.0MHz、10.0MHz)と自分の声を録音するのが一般的な方法です。恒星が消えたときと恒星が出てきたときに声をあげ、その現象時刻を測定することになります(0.1〜0.2秒程度の精度)。
 電話の時報「117」も有効ですが、10分程で切れてしまうので注意が必要です。テープを録音状態で回しっぱなしにして、前後に117の時報を入れる方法も有効です。
 携帯電話からの「117」は時間差(10分の数秒程度)が生じてしまい、あまりおすすめできません。
 その他の方法でも正確な時刻さえ測定できれば構いません。

 恒星の位置は下の星図の通りです。


<観測報告>

 怪鳥は府中の自宅で観測しましたが、現象は見られませんでした。

[観測報告]
小惑星名 No.1437 Diomedes
恒 星 名  HIP 28410
予報日時 1999/1/22 22h57m(J.S.T.)
観測時刻 22h51m00s - 23h02m00s
観測結果 食は起こらず
観測機材 12cmニュートン反射    眼視(倍率29倍)
     15cmマクストフカセグレン 眼視(倍率38倍)
保時手段 JJY+テレコ
観 測 者 佐藤 智子 Tomoko Sato(リトル)
     佐藤 幹哉 Mikiya Sato(怪鳥)
観測場所 東京都府中市
     E139d 28' 45"  N35d 40' 43"    h60m
 稲城市で観測した当会の寺久保さんも、やはり現象は見られなかったとのことです。その他でも現象が見られたとの報告は、残念ながら今のところないようです。掩蔽帯はどちらを通過したのでしょうか??


 小惑星による食のページへ戻る