9月24日深夜、小惑星Eunickeが7.6等の恒星をかくすという現象が予報されてます。もしこの現象が起きると、7.6等の恒星が小惑星の明るさの10.9等まで暗くなりますので、小口径の望遠鏡では恒星が消えたように見えるでしょう。
この現象が見られるのは、小惑星とほぼ同じ約150kmほどの幅の中に限られます。甲田さんのページ「小惑星による恒星食の予報」によれば、北海道〜東北〜関東を通過しており、国内で見られる可能性が高いようです。
複数の地点で現象が観測されれば、小惑星の大きさ・形などが推定されます。
観測の方法
現象予報の前後10〜20分ほど(例:今回の場合は23時39分〜49分)恒星を監視し、現象の時刻を測定します。
時刻の測定には、テープレコーダを用意して短波放送のJJY(5.0MHz、8.0MHz、10.0MHz)と自分の声を録音するのが一般的な方法です。恒星が消えたときと恒星が出てきたときに声をあげ、その現象時刻を測定することになります(0.1〜0.2秒程度の精度)。
電話の時報「117」も有効ですが、10分程で切れてしまうので注意が必要です。テープを録音状態で回しっぱなしにして、前後に117の時報を入れる方法も有効です。
携帯電話からの「117」は時間差(10分の数秒程度)が生じてしまい、あまりおすすめできません。
その他方法でも正確な時刻さえ測定できれば構いません。
恒星の位置は下の星図の通りです。くじら座のβ星(2等星)から近いので、望遠鏡での導入は楽そうです。
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- 小惑星名 No.185 Eunike (光度 = 10.9等)
- 恒星名 PPM209265(光度 = 7.6等)
- 予報日時 1998/09/24 23h44m(J.S.T)
- 継続時間 最大13.0秒(これより長くなる場合もあります)
観測報告
怪鳥は現象の一時間半ほど前に、自宅の府中で曇っていることに気づき、その後15kmほど西の八王子まで移動したのですが、結局、雲を抜けることはできずに観測できませんでした。
掩蔽観測のメーリングリスト「JOIN」によれば、山梨県内で減光が確認されたという情報ですが、詳細は不明です。
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