また過去にこの辺りに「しぶんぎ(四分儀)座」と言う星座があったそうで、その名残で「しぶんぎ群」とも呼ばれてます。こちらの方が呼び方としてはメジャーだったりしますので、チェックしておきましょう。ちなみに、ろくぶんぎ(六分儀)座、はちぶんぎ(八分儀)座は現存します。
ちなみに輻射点は、流星のもとの塵自体が地球に飛び込んでくる方向をおよそ示しています。
ところがりゅう座流星群は、その元の物質を放出した彗星(母彗星)が見つかっていません。どういうプロフィールで出来上がった流星群なんでしょうね。
りゅう座流星群は、流星が多く流れる極大のピークがかなり短く、それが観測できる時間帯に当たる年と当たらない年で、大きく出現数が変わります。実は過去の観測データを載せた天文誌などから怪鳥が勝手にグラフ化して予想したものが、過去結構当たってますので、ご紹介します。
右のグラフがそれです。青い線は、地球上で条件が最も好い状況の地点で観測出来た場合の流星の出現数の推移です。これに、輻射点の位置関係と、昼間には見えないと言うことを吟味した場合に見られるであろう流星数が、赤い線で示されてます(赤い線の上下の曲線は、計算上の誤差範囲です)。
これによると、1月4日の朝3時〜5時半頃に、だいたい1時間に20個程の流星が見られることになります。したがって怪鳥のおすすめは、1月3日深夜〜4日5時半頃になります。(ただ流星の数の予想はあくまで予想であって、予報ではなく、どんなものでも実際に観測してみないとわかりません。外れる可能性もたくさんあります)
また以上の話は、5等星が充分見られるようなきれいな空の元での話です。東京など明るい町中では、さらに半分以下になってしまいます。ただそれでも明るい流星は見られます。私は府中で30分に16個ものりゅう座流星群の流星を見たことがあります。
さらに今年は、空には下弦過ぎの月が輝いています。月明かりがあると、暗い流星が見えなくなってしまいますので、もう少し数が減ってしまうかもしれません。
また場所は、空が暗ければ暗いほど、よい条件となります。冬の天の川が見られるようなところならば、ベストです。またよくひらけた見通しのよい場所がよいでしょう。
ところが、ヘール・ボップ彗星の軌道から流星が見られた場合、輻射点がりゅう座流星群に比較的近い場所になります。りゅう座流星群には母彗星が見つかっていません。こんなこともあって、りゅう座流星群とヘール・ボップ彗星が関連する可能性が、意外にあるのではないかと個人的には思ってます。
もし万が一そうだとした場合、ヘール・ボップ彗星は数千年前に太陽に近づいたことがあると考えられてまして、前回あるいは前々回とかに太陽に近づいたときに放出された流星の元の物質は、今彗星の比較的周囲に濃く分布していると思います。そうしたらりゅう座流星群の流星が今年増加してもおかしくない訳です。とても可能性の低い話なのですが、覚えておいて損はないと思うのです。
<何日の何時頃がよいのか〜極大の話〜>
群流星が多く見られるのは、流星のもとになる物質の密度が最も濃い部分を、地球が通過するときになります。ただ、実際にはこのもとになる物質を直接観測することはできませんので、過去の出現から予想するしかありません。<どうやって見ればよいか>
基本的には寝っ転がって、頭の真上を見るのが普通です。上の図からもわかる通り、ほぼ全天にまんべんなく流れますので、なるべく視界の広い場所が観測に適してます。この時には私たちは、厚めのレジャーシートの上に銀マットをひいたり、汚れてもいいような古毛布をひいたりしてその上に寝っ転がって観測してます。寝袋があればかなり温かいですね。
<寒さに注意!>
この時期、明け方に晴れ渡っていれば、相当冷え込むことが考えられます。暖かい格好(ダウンジャケット、スキーウェアー、靴下の2枚重ねなど)をお忘れなく。使い捨てカイロを腰にあてるなどもよいようです。<おまけ〜ヘール・ボップ彗星との関連あり???>
97年3月〜4月、話題の彗星ヘール・ボップ彗星が太陽に近づきます。実はこの彗星は、地球にかなり近づく可能性のある軌道をもっています。地球がこの軌道に近づくのは1月2〜3日頃で、約0.12天文単位まで近づきます(彗星自体はかなり遠くにあります)。
彗星から放出された物質によって流星群が出来るためには、もう少し近く(0.0?天文単位)ないと可能性が低いので、ヘール・ボップ彗星に関連した流星が見られる可能性は低いとされています。
なお、FAS府中天文同好会は1月2〜4日で観測を行う予定です。結果がでましたらまたここに掲載しますので、お楽しみに。
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