ペルセウス座流星群観測報告(1996)

 FAS府中天文同好会では、今年も長野県の蓼科でペルセウス座流星群の観測を行いました。こちらの観測報告です。


DATE  JST         Min  All  Per   HR   CHR   ZHR   Lm  Cl  Obs.    
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1996.8

11/12 23:30-00:00  30   15    7  14.0  17.7  46.2  6.0  0  吉村(則)
      00:00-00:30  30   12    7  14.0  18.6  41.5  5.9  0  小林
      00:30-01:00  30   15    4   8.0  10.6  20.7  5.9  0  田中
      01:00-01:30  30   22   12  24.0  30.4  52.5  6.1  0  門田
      01:30-02:00  30   27   23  46.0  55.5  86.6  6.1  0  竹本
      02:00-02:30  30   27   20  40.0  50.6  72.2  6.0  0  多田
      02:30-03:00  30   27   20  40.0  58.3  77.2  5.7  0  泉本
      03:00-03:30  30   26   15  30.0  36.2  45.1  6.1  0  佐藤(幹)
      03:30-04:00  30   26   14  28.0  47.0  55.8  5.4  0  野島
                                                   
12/13 01:00-01:30  30   34   27  54.0  72.4 123.5  6.1  1  竹本
      01:30-02:00  30   41   34  68.0 120.9 186.3  5.5  1  泉本
      02:00-02:12  12    7    5  25.0  63.6  92.1  5.6  4  小林*
      02:30-03:00  30   33   13  26.0  60.2  79.1  5.8  4  小林
      03:00-03:06   6    6    4  40.0 106.1 134.2  5.9  5  門田*
      03:31-03:40   9    4    2  13.3  53.3  63.9  5.5  6  門田*

 左から、日付(DATE)、開始・終了時刻(JST)、観測時間(Min)、全流星数(All)、ペルセ群流星数(Per)、一時間当たり流星数(HR)、修正流星数(CHR)、天頂修正流星数(ZHR)、最微星光度(Lm)、雲量(Cl)、観測者(Obs.)
 なお、「*」は条件悪く途中で打ち切ったため、参考データ

CHR:
雲量0(快晴)、最微星光度6.5等の(肉眼で6.5等まで見える)空で観測した場合に、一時間当たりこれくらい見られるだろうと言う推定値
ZHR:
流星群は一般的に輻射点の地平高度が高い程多く見られるが、その輻射点が天頂にあった場合に一時間当たりこれくらい見られるだろうと言う推定値
観測地:長野県立科町

<観測結果について>

 グラフに今年の観測結果をまとめました。

図1 流星数の推移(時間毎)

図2 流星数の推移(太陽黄経)

 11日〜12日の晩は、ほぼ快晴の下で観測ができました。1時間当たりの流星数は、2時前後で多くなっており、約50〜60でした。
 12日〜13日の晩は雲が行き交う中での観測となってしまったため、若干観測条件が悪くなってしまいました。1時間当たりの流星数は1時台に60〜70となり、前日よりは若干多い数でした。条件が悪かったため、CHR、ZHRでは2晩目の方が多くなり、より極大に近い時間だったことがうかがわれます。

 過去の当会の観測値をグラフにまとめてみました。

図3 流星数の推移(近年の値、ZHR(2.5)にて)

 ペルセ群の従来の極大は、太陽黄経で140.0度付近にあります。当会の過去の観測からもこの傾向がおおざっぱにつかめてます。
 今年観測できたのは、この極大より前と極大の後に当たります。グラフにすると8/11-12の晩の観測値が過去の推移から推測するよりは若干低いようにも思えますが、大ざっぱに見ると従来の傾向の上にだいたい乗っていると思われます。

 なお、太陽黄経139.6度付近に突出した観測データがありますが、これは1991年の突発出現の年に当たります。ペルセウス座流星群の母天体「スイフト・タットル彗星」が1992年暮れに回帰し、これに関係すると思われる出現数の増大が、1991年以来太陽黄経139.6〜139.7度付近で観察されてます。(当会で観測できたのは1991年だけなのですが、翌1992年、雲に覆われて星がほとんど見えない中で、20分間に5個もの流星が雲を通して見られたと言う経験があり、これがこの経度に当たっていました)。
 どうも従来の極大とは別に、流星物質の濃い帯がこの経度付近に存在するようで、新極大と呼ばれてます。今年、日本では12日の午前中(昼間)に当たってしまったため、この新極大を観測することはできませんでした。海外ではこの極大の存在を示す観測結果が出ているとのことです。

 以上、駈け足で作成したため、舌足らずなところもあるかと思います。申し訳ありません。



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