2000年のペルセウス座流星群の情報

 毎年お盆前の夜空をいろどるペルセウス座流星群は、8月12日夜にピークを迎えます。空のきれいなところでは、1時間に50個ほどの流れ星が見られそうです。



ペルセウス座流星群の概要

 ペルセウス座流星群(ペルセ群)は、毎年8月12〜13日頃を中心に活動する流星群です。もっとも多い時には、1時間あたり50個以上もの流星が見られます。

 流星群は、彗星がまき散らした砂粒が地球の大気に飛び込んで、摩擦で高温となり、さまざまな要因で光りを出すようになったものです。ペルセ群は、スイフト・タットル彗星という彗星がまき散らした砂粒が地球に飛び込んでくるものです。この砂粒の流れの帯との交差点を、毎年8/12頃地球が通過することにより、たくさんの流星が見られます。

 地上で観測すると、まるでペルセウス座のある一点から四方八方へ放射状に流れるように見られます。この点を輻射点(ふくしゃてん、放射点:ほうしゃてんとも言う)と言い、この点がペルセウス座にあることから流星群の名前がつけられました。

ペルセ群の極大

 ペルセウス座流星群は、過去の観測から極大を迎える時間帯がわかります。今年は8月13日の19時頃となります。しかしこの時間帯は日本では輻射点が地平線の近くにあり、空もまだ薄明で明るいため、残念ながらほとんど見られません。
 実際にはだいたい21時〜22時頃から見え始めます。

 そして、おすすめの観測日はこの極大をはさんだ二晩、11日晩〜12日明け方と、12日晩〜13日明け方になります。

 過去の当会の観測から推定される流星数を表したのが右のグラフです(1時間あたりの流星数)。11〜12日は明け方に向けて流星の数が急増します。これは19時の極大に向けて実際の数が多くなるのと、輻射点の地平高度が高くなり、見られる流星の数が増える効果が合わさるからです。

 一方12〜13日は、極大を過ぎたばかりの比較的早い時間帯から多く流れそうです。しかし深夜から明け方にかけては伸びが悪く、横ばいに近い状態になりそうです。

 なおこれらはあくまで当会の観測から求めた平均値です。実際には、これよりも多く見られる時間帯や少なくなる時間帯があります。また予想外に突発的に増加したり、逆に予想より全体的に低調な場合があったりすることも考えられます。

 なお、この数は天の川が見えるような空の暗いところの場合です。市街地のように街灯が多く、明るい星しか見られない場所では、この半分〜数分の1になってしまいます。また関東近県以外では、計算値も多少異なります(例:九州などでは30〜40分程時間帯が後にずれます)。ご注意下さい。

実際の空での見え方

 実際の空でのおよその見え方を模式図に表しました。見るときの参考にして下さい。
 (時刻は関東近県の場合です。)

 ペルセ群は、これより1〜2時間ほど前から、流れ始めます。ただ輻射点が地平線に近く、地平線下の見えない流星がまだ多い時間帯です。

 しかし輻射点の低いときには、頭の真上の夏の大三角付近で、経路の長めの流星が見られます。天の川が見られるような空では、天の川の方向に沿って流れるペルセ群の流れ星が目立つことでしょう。特に12日の晩は極大を過ぎたばかりなので、この時間帯でも見ごたえがあるかもしれません。

 一方、南の空には月があります。月あかりは意外に明るく暗い流星を見づらくします。直接目に入らないように天頂よりも北側を見るようにしましょう。


 この時間帯になると輻射点が天頂に近くなり、多くの流星が見られるようになります。流れ出した方向へさかのぼってたどると、ペルセウス座とカシオペヤ座の間に集まっていることがよくわかると思います。

 また一見すると、輻射点の近くに多く流れそうですが、経験的には南の地平線近くなどにも結構な数の流星が見られます。輻射点方向にこだわらず、障害物のないよくひらけている方向を見るのがよいでしょう。

どうやって見る?

 基本的にはグランドシートや銀マットなどの上に寝っ転がって、頭の真上を見るのが普通です。また流星は輻射点の近くだけではなく、ほぼ全天にまんべんなく流れますので、観測にはなるべく視界の広い場所が適してます。

 また場所は、空が暗ければ暗いほど多くの流星が見られるので、よい条件となります。天の川が見られるような場所が良いです。

 また虫対策、夜露対策、山の上などの標高の高い場所で見る場合には、夏とはいっても明け方は冷え込みますので、寒さ対策にも気をつけた方がよいでしょう。


 なお、FAS府中天文同好会は8月11〜14日、長野県で観測を行う予定です。結果がまとまったら、またこちらに掲載しますので、お楽しみに。



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