'97年のしし座流星群の情報




日本では大出現は観測されず!

 11月18日の明け方に期待されたしし群ですが、残念ながらこの時間日本では活発な出現は捉えられませんでした。日本の昼間に当たる時間帯や、輻射点が地平線の下で観測不能な時間帯に、海外でどう観測されたか気になるところです。

 以下は11月17日の晩から18日の明け方にかけて、当会で行った観測結果です。

Time(JST)     min   Ls      h    Lm  Cl All Leo   HR  CHR  ZHR   Obs.        Rec.
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22h00m-22h30m  30  235.27  -8.2  4.6  0   2   0    0    0        佐藤 智子  中村 清英
22h30m-23h00m  30  235.29  -3.0  4.6  0   0   0    0    0        寺久保一巳  佐藤 幹哉
23h00m-23h30m  30  235.31   2.5  5.1  0   5   1    2    4  434   中村 清英  佐藤 智子
23h30m-24h00m  30  235.33   8.1  5.0  0   3   0    0    0    0   佐藤 幹哉  門田 憲明

24h00m-24h30m  30  235.35  13.9  4.6  0   2   0    0    0    0   広瀬 祥史  寺久保一巳
24h30m-25h00m  30  235.37  19.8  4.6  0   6   5   10   24  124   門田 憲明  寺久保一巳
25h00m-25h30m  30  235.39  25.8  5.0  0   3   1    2    4   14   佐藤 智子  中村 清英
25h30m-26h00m  30  235.41  31.8  5.1  0   8   5   10   19   50   吉村 昌晃  佐藤 幹哉

26h00m-26h30m  30  235.43  38.0  5.1  0   9   7   14   27   56   中村 清英  佐藤 智子
26h30m-27h00m  30  235.45  44.1  4.8  0  11   8   16   36   61   寺久保一巳  門田 憲明
27h00m-27h30m  30  235.48  50.2  5.2  0  16   9   18   33   49   吉村 則子  吉村 昌晃
27h30m-28h00m  30  235.50  56.2  4.7  0  18  14   28   65   86   佐藤 幹哉  中村 清英

28h00m-28h30m  30  235.52  62.1  4.6  0  12   9   18   44   53   吉村 昌晃  寺久保一巳
28h30m-29h00m  30  235.54  67.6  4.6  0  14   6   12   29   33   門田 憲明  吉村 則子
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 左から、開始-終了時刻(Time)、観測時間(min)、太陽黄経(Ls,2000)、輻射点高度(h)、最微星光度(Lm)、雲量(Cl)、全流星数(All)、しし群流星数(Leo)、一時間当たりの流星数(HR)、修正一時間流星数(CHR)、天頂修正流星数(ZHR)、観測者(Obs.)、記録者(Rec.)です。今回は全て30分毎のデータとなってます。
 また時刻は30時間制です。(25時→午前1時)

修正一時間流星数(CHR):
雲量0(快晴)、最微星光度6.5等の(肉眼で6.5等まで見える)空で観測した場合に、一時間当たりこれくらい見られるだろうと言う推定値。
CHR = HR*Fa*Fb, Fa = 1.6^(6.5-Lm), Fb = 10/(10-Cl)

天頂修正流星数(ZHR):
流星群は一般的に輻射点の地平高度が高い程多く見られるが、その輻射点が天頂にあった場合に一時間当たりこれくらい見られるだろうと言う推定値。
ZHR = CHR/(sin h)^1.5
観測地:山梨県鳴沢村

 輻射点が23時頃に地平線上となるので、これより前には流星は見られません。また23時台、24時台は輻射点高度(h)が低いので、ZHRは誤差が大きくなります。

 しし群の流星は23時25分に最初の一つを確認しました。その後しばらくは低調でしたが、輻射点が高くなる24時半頃から増え始めました。27時30分〜28時00分の30分に群流星が14個と最も多く見られましたが、予想された数にはほど遠く、極大はこの時間帯にはなかった模様です。ZHRグラフからも、観測した時間帯が果たしてピークの前だったのか後だったのかははっきりせず、冒頭に書いたとおり海外での観測結果が待たれるところです。が、今のところ流星雨のような大出現は確認されてないそうです。


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