'96年のしし座流星群の情報

 大出現まであと2年と迫ったしし座流星群の今年の情報です。


11/18まで掲載していた前情報はこちら


<当会の観測報告>

 FAS府中天文同好会では、16-17日に朝霧高原、17-18日に乙女高原での観測を試みました。残念ながら両日とも雲や雨に阻まれ、満足のいく観測はできませんでした。

 下は16-17日、かろうじて行った眼視観測の結果です。

DATE  JST         Min  All  Leo   HR   CHR   ZHR   Lm  Cl  Obs.    
-------------------------------------------------------------------
1996.11

16/17 00:30-01:00  30    7    1   2.0   3.6  19.1  5.5  1  門田
      04:20-05:00  40   11    6   9.0  60.7 109.9  5.0  7  寺久保 *
      05:02-05:22  20    3    3   9.0  87.8 134.4  3.4  6  泉本  *

 左から、日付(DATE)、開始・終了時刻(JST)、観測時間(Min)、全流星数(All)、しし群流星数(Leo)、一時間当たり流星数(HR)、修正流星数(CHR)、天頂修正流星数(ZHR)、最微星光度(Lm)、雲量(Cl)、観測者(Obs.)
 なお、「*」は条件が悪く参考データ

CHR:
雲量0(快晴)、最微星光度6.5等の(肉眼で6.5等まで見える)空で観測した場合に、一時間当たりこれくらい見られるだろうと言う推定値
ZHR:
流星群は一般的に輻射点の地平高度が高い程多く見られるが、その輻射点が天頂にあった場合に一時間当たりこれくらい見られるだろうと言う推定値
観測地:静岡県富士宮市朝霧高原


<観測結果について>

 0:30−1:00は、観測条件はよかったものの、しし群の輻射点高度が低く(約19度)、観測中の出現数はわずかに1個でした。この後、雲に阻まれ、明け方近くまで観測は難しい状況でした。

 4時以降、雲が行き交うものの、見られる空が増えたので、観測を強行しました。雲量が6〜7と言う悪状況の中、一時間当たり(HR)で9個となりました。天気の状況を考えると、そこそこの出現だったと考えられますが、観測してる方としては少々物足りなさを感じました。なお、4:20-5:00、5:02-5:22の修正値(CHR値及びZHR値)は、かなりの流星出現量を示していますが、雲量が多すぎて条件が悪く、過修正になっております。

<17日明け方5:15の火球について>

 火球クラスが近年増加中のしし群ですが、16-17日に眼視観測中、5h15m35s(±10s)に金星よりも明るい火球が見られました。途中で爆発し、痕が三筋に見えたそうです(当会会員の多くが目撃しましたが、怪鳥は記録係りだったため、見られませんでした)。
 位置は南南東の空高度30度→20度くらいでした。この火球は、我々の観測地に近い富士山須走口五合目の他、宮城県でも地平線近くに見られたそうです。

<今年の状況>

 他の、条件よい空での今年の観測状況です。

 16-17日は明け方にかけて20〜30個/時程度が見られました。また度々火球クラスが流れたようです。これは昨年に最も多く見られたときと同程度の出現です。

 17-18日は天気が悪く、早い時間帯で10個/時程度でした。ただ17/18日の明け方に、約50個/時程度の観測をされた方がおられます。明るいものは少なかったそうですが、この頃にも活発な活動があったということになります。

 また、フランスの観測では、世界時17日4時台(日本時、17日の13時台)に、100個/時を越える出現があったようです。

 この他の電波観測などを含めますと、現在のところ、今年の極大は17日の昼間にあたったようです。

 また、17日昼間の10時頃に、しし群と思われる火球を見たとの報告もあるそうです。もし、このようなものを見られた方がおられましたら、ご一報下さいませ。


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