しし群を実際に見てみよう

 今年話題のしし座流星群(しし群)を、実際に見るための話題をまとめてみました。


<観測日はいつ?>

 実はしし座流星群は、例年11月10日前後から11月25日前後まで出現しています。特に昨年は11月に入ってすぐ流れ始め、少し話題となりました。
 その中で最も多く流れる極大は、11月17〜18日の晩でほぼ間違いないとされてます。ぜひこの晩に、しし座流星群に注目しましょう。

<観測時間は?>

 しし座流星群は、流れた流星の経路を逆にたどると、しし座の大がまと呼ばれる付近に集まり、これを輻射点(ふくしゃてん、最近は放射点:ほうしゃてんと言う)と呼びます。この輻射点(しし座)が地平線の下にあるうちは、流星も地平線の下になってしまい、流星は見られません。
 輻射点は23時頃地平線から上ってきますので、この時刻から明け方まで、しし座流星群が見られます。最低でも0時から観測を始め、明け方まで注目しましょう。

<どこを見ればよいの?>

 しし座流星群と言っても、しし座だけにながれるのではありません。
 輻射点が上ってきてすぐの0時より前くらいは、東の空を中心に流れそうですが、それ以降はほぼ全天にまんべんなく流れます。したがって、基本は寝転がって天頂(頭の真上)をながめるようにします。
 もし視界を遮るものがあっても、その方向をさけてできるだけ視野の広い方向を見れば、大丈夫でしょう。

<どんな場所で見ればよいの?>

 日本国内に限れば、地理的な条件はそれほど違いません。なるべく市街地を避け、空の暗いところの方が暗い流星まで見られるので、たくさんの流れ星を見るためには有利になります。天の川が見えるような場所ならばベストでしょう。
 また流星は輻射点が上ってきたばかりの頃を除くと、ほぼ全天にまんべんなく見られます。木などで視界を遮るものがない、広く見渡せる場所が観測に向いてます。
 ただ当日は、相当多くの人がこの流星群を見に出かけると予想されます。有名な広場などよりは、車の往来の少なそうな場所の方がよいのかもしれません(結構車のヘッドライトは強烈で、観測のときの邪魔になるものです)。

 一方、しし群はマイナス等級など明るい流星も多く流れます。市街地でも街灯が直接目に入らない場所や、明るい光を放つものから離れた場所ならば、ある程度(空の暗い場所の数分の1〜10分の1程度)の流れ星は見られるでしょう。もし出かけるのはちょっと・・・という場合でも、ベランダから眺めてみるなんていうのだけでも、意外に見えるかもしれません(私もよく府中の自宅の物干しに寝そべって、空を眺めてます)。ぜひチャレンジしてみてください。

<こんなものあるとちょっと便利>

 流星を見るのに特別な物は必要ありません。でも次のようなものがあると、観測が楽になるはずですから、ぜひ用意しておきましょう。

<敷物>
 寝転がって空を見上げるのに必要です。ビニールシート一枚でも良いのですが、凸凹の吸収、保温性などが高い、ロールマットのような厚手のものの方がなお良いでしょう。当会でもアウトドア用の銀マットなどをよく利用してます。
<着るもの>
 11月の夜ともなると、場所によっては真冬並の寒さになります。特に標高の高いところでは氷点下もの寒さになるかも知れません。着る物は、多すぎるかな?と思う位用意しておいたほうが良いでしょう。スキーウエアやダウンジャケット、厚手の靴下、手袋、ぼうし、カイロなどがあれば、あったかく観測することができます。
<食べ物・飲み物>
 観測も長時間になるとおなかがすいてきます。飲み物は体を冷やさないように温かい物、食べ物は簡単に食べられてすぐエネルギーになる甘いお菓子などが良いでしょう。あまり食べ過ぎてしまうと眠くなってしまうので注意かもしれません。
<懐中電灯>
 大きめの懐中電灯と、赤セロファンや赤ビニールテープなどを貼ってちょっと暗くした小さめの懐中電灯の2つを用意しておきましょう。大きめの懐中電灯は観測地までの移動の際に、小さな赤懐中電灯は観測中に明かりが必要になったときに使います。ライトを赤くするのは、目が暗さに慣れたあとに明るいライトを見てしまうと、また暗さに慣れるまでに時間がかかるためです。赤い光ならばすぐ暗さに慣れるので、観測中は赤いライトを使用しましょう。
<時計、紙と鉛筆>
 ぼーっと流星を眺めるだけでも良いのですが、せっかくですから記録を残してみましょう。たくさん流星が流れたら、流星が流れ始めた時間と流れなくなった時間、その間に流れた流星の数を記録して見て下さい。流星の大出現が見られるのは、ほんの狭い範囲かも知れません。もしかしたらその大出現は、あなたのところでしか見られなかったものかも知れないのです。

 (この項目は、当会寺久保さんの文章を参照しました。)

<こんなことにちょっと注目>

 ただぼーっと流星が流れるのを見ていても、十分楽しめると思いますが、上の記事にある通り、流星の数を数えると出現状況がわかり、あとで面白いかもしれません。
 そこまでしなくても、例えば何時頃に最も多く流れていたか、それをチェックしてみるだけでも、あとで色々な予想記事と比べられて、面白いかもしれませんね。


 あとは天気も問題ですね。どんなに大出現していても雲に覆われていたら、流れ星は見られません。天気の良さそうなところに遠征するのも一つの手段です(でも遠出して曇られたり、晴れても流れなかったりした場合の覚悟も必要でしょう)。

 もちろん体調も万全に整えたいです。体調悪くて寝てしまったら見ることはできませんしね。寒い中で見ることになりますから、その間にも体調をこわさないよう注意が必要です。また車で遠征観測する場合は、観測の後の運転で眠くなって事故を起こさないよう十分気をつけたいですね。

 ということで、皆様に事故なく、しし座流星群の出現を楽しんで頂けることを心から願っております。


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