C/1998J1 Comet SOHO
明るい彗星が発見されましたが、太陽に近く肉眼で観測するのは難しそうです。
太陽観測衛星SOHOが撮影した5月3日の画像に、明るい彗星が映っていることがわかり、新彗星の発見となったそうです。もちろん太陽観測の画像の中ですから、太陽に近い位置にあったわけです。
<彗星の動き>
この彗星は、5月9日明け方(日本時)に近日点を通過(太陽に最も接近)し、この頃-0.8等に達すると予想されてます。そして徐々に太陽から遠ざかり、5月中旬〜下旬夕方の西空低空に姿を現します。とはいうものの非常に低空なので、観測はかなり難しそうです。
また、第一報よりも彗星の位置が南にずれ、さらに条件が厳しくなりました。ちょっと残念ですね。
図は、StellaNavigator、AstroArts/ASCIIに手を加えて作成。
<ここに見える>
5月12日、日没後45分後の空(東京:19時23分)・・・5/8修正
図は、StellaNavigator、AstroArts/ASCIIに手を加えて作成。尾は方向の目安です。
5月の中旬に入ると、多少条件がよくなってきます。とは言っても、まだ明るい日没45分後で地平からの高度が数度という低空です。はっきり言って昨年のヘール・ボップ彗星のように、だれでもすぐ探せるようなシロモノではありません。よく晴れ渡り、地平線近くまで澄み渡った空の元で、双眼鏡・望遠鏡を使って探す必要があるでしょう。それでも見えるか見えないか、といった状況だと思います。
上図は5月12日の位置です(日没45分後で彗星の地平高度は約3度)。彗星の明るさはこのころで約0.3等と予想されてます。予報が明るい方へ外れて欲しいと思ったのですが、最初よりも暗めの予報になってしまいました。
探すときは日没30分後くらいから、0等星カペラを見つけ、あたりをつけて地平線近くを双眼鏡で探すのが良いと思われます。
この後は、5月14日前後が最も地平高度が有利になります(それでも日没45分後で約3度)。ただ光度が暗くなっていくので、見えやすさはその兼ね合いになります。さらにその後は南下してしまい再び条件が悪くなってしまいます。20日前後までがかろうじて観測のチャンスがありそうです。
<現在の状況>
ハワイでの観測を始め、オーストラリアで観測されるようになりました。オーストラリアだと天文薄明が終了した後も、まだ地平線の上にあり、北半球よりもずっと条件が好いのです。光度は3等前後のようです。
日本からは位置の条件が悪くなり、今後の観測は困難です。
<挑戦報告>
- 5月17日夕方
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当会は臨時に観測会を開き、17日の夕方、山梨県の観音平まで行ってきました。残念ながら高層の薄雲・低空の雲に阻まれ、彗星の位置に望遠鏡を向けることさえできませんでした。甲府盆地まで非常に好く晴れていたのですが・・・。
<お薦めリンク>
- Comet Observation Home Page
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NASAの中のサーバにある彗星情報のページです。この中のRecent News and Observationsに観測報告が集まることでしょう。
軌道要素はこちらから
- SOHOのホームページ
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この中のこの画像(5/3)が彗星発見の画像だと思います。(違ってたらごめんなさい。右上隅の端っこに頭部がちらっと映ってます。)こちらの1日後の画像(5/4)では、はっきりした彗星像が映ってます。
画像一覧はこちらから。
- Michael Horn's Comet 1998 J1 (SOHO) Gallery
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Michaelさんによるオーストラリア・ブリズベンでのSOHO彗星の画像です。135mmレンズで立派な彗星の姿が写ってます。
- 日本全国の日の出・日の入り、天文薄明開始・終了時刻計算
- 日没時刻はこちらへどうぞ。
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