C/2002C1 Comet Ikeya-Zhang
2月1日、日本の池谷薫さんと中国の張さんが新彗星を発見しました。肉眼で見える可能性があるこちらの彗星の情報です。
2月1日、池谷さんと張さんが8等台〜9等の彗星状天体を発見しました。
その後の観測で、太陽に約0.5AUまで接近する新彗星であることが確認され、イケヤ−チャン彗星と命名された模様です(張さんの正式な発音はわかりませんが−「ジャン」に近い発音だと思うのですが−とりあえずこう表記します)。
2月上旬現在、夕方の南西の低空で観測することが可能です。この後、少しずつ明るくなりますが、条件はあまり変わらず、夕方の西空の低空を南から北に移動していきます。
順調に増光すれば、3月には肉眼でも見える明るさになります。空のきれいなところで眺めてみたいところです。太陽に最も接近するのは3月18日頃。光度自体は、この前後が最も明るく輝きそうです。
一方4月に入ると、今度は明け方の北東の空に4等台で見られそうです。地平線からの高さも高くなり、条件の面からは見やすくなります。光度は3月後半よりも若干暗くなりますが、(彗星の変化にもよりますが)もしかしたらこの頃、尾も伸びて見られるかもしれません。
●明け方の低空(4月〜)
(東京付近・日の出1時間前の空)
なお、尾の長さは0.1AU(地球−太陽間の距離の10分の1)に伸びた場合の見え方です。実際はどのくらい伸びるかわかりませんので、方向の参考にしてください。
また彗星の下の数字は予想光度(例:38→3.8等)です。
●GW深夜の北東の空
(東京付近・23時頃の空)
ゴールデンウィークの頃になると、深夜でも充分見られる位置になります。ケフェウス座→りゅう座と移動しますが、これらの星座はやや暗い星が多いので、夏の大三角などから目星をつけるのが良さそうです。明るさは5等前後で、空の暗い場所では肉眼でもわかりそうですが、双眼鏡を使うと確実です。尾は少しずつ短くなっていくと見られますが、双眼鏡や望遠鏡では確認できそうです。
<観測報告>
当会メンバーは、原村・茅野市境界付近でこの彗星の観測にのぞみました。黄砂の影響か、空の透明度があまりよくありませんでしたが、夕方のときよりも地平高度も高く、その姿を堪能しました。
光度は3等台といったところで、カシオペアの東側に肉眼でもわかりました。ただし尾はあまり明るくなくて、双眼鏡を使わないと確認できませんでした。長さはおよそ4度ほどでした。
当会メンバーは、河口湖の近くでこの彗星の初観測を行いました。残念ながら肉眼では確認できませんでしたが、望遠鏡や双眼鏡で立派な姿を見せていたそうです。
光度は約5等まで明るくなっていて、尾も約4度ほどに伸びていたとのことでした。
この日寺久保さんが撮影した写真です。
・その1(100mm) その2(100mm) その3(50mm)
・さらに寺久保さんの観測記はこちら。
観測地:山梨県鳴沢村