C/2001 Q4 Comet NEAT
2004年5月に肉眼で見えると予想される彗星の情報です。リニアー彗星とともに、尾が立派に発達した大彗星となることが期待されていますが、ともに予想より暗く、微妙になってきました。
<概要>
2001年8月24日にアメリカのジェット推進研究所のNEAT(Near-Earth-Asteroid Tracking Team:地球に近づく小惑星を追跡するチーム)が発見しました。ニート彗星という名前は多いので「2001 Q4」(2001年8月後半の4番目に発見)という符号で区別します。
この彗星は発見からずっと北半球では観測できない位置にありました。彗星が最盛期を迎える5月初め頃から、ようやく夕方の南西〜西の空で観測できるようになります。
地球への最接近は5月6日です。ちょうど日本から観測できるようになる頃で、見ごろを迎えることになります。また太陽への最接近(近日点通過)は5月15日で、この直後あたりに彗星自体の活動は最盛期を迎えることになります。したがって、観測好機は、5月初旬〜5月中旬と考えられます。
5月下旬に入ると、太陽からも地球からもやや離れるため、規模は小さくなりますが、まだ肉眼で観測可能です。この頃から見えはじめるリニアー彗星とともに、肉眼で二つの彗星を見ることができるのかどうか、注目が集まっています。
<位置概略>
●夕方の南西〜西空
(関東付近・日没1時間後の空)
※尾の長さは参考です。
彗星は5月4日頃より、夕方の南西の低空に姿を現します。この頃明るさは2等台になっていると予想されます。初めの頃は空低い位置なので、西側がひらけた場所で観測する必要があります。
しかし彗星は日を追って高度が高くなり、観測条件が好くなります。彗星の活動自体も最盛期を迎えるため、5月10日前後はとても条件が好いと言えるでしょう。果たして長い尾を見ることができるでしょうか。
5月25日頃からは同じ夕方の空にリニアー彗星も現れます。両彗星とも最盛期を過ぎた姿となってしまうのが残念ですが、果たして肉眼で2つの尾のある彗星を見ることができるでしょうか。
<光度予想について>
下のグラフは、これまで観測されたニート彗星の光度推移と、予想光度です。
彗星の光度予報は彗星ごとにパターンが多少異なります。このため、ある程度の予想はできても、実際の推移が異なってくることがあります。ご了承下さい。
ニート彗星は、今年の2月頃までは順調に増光してきました。そのままであれば5月上旬に1等台に達すると予想されてきました。
しかしグラフの通り、3月に入った頃から若干増光が鈍ってきています。それでも5月上旬には2等台の達するとみられております。
(※本ページの光度観測データは、ICQ/CBAT/MPCのRecent Comet Magnitudesを使用しました。ただしこれらは暫定観測値です。)
<観測報告>
<軌道要素>
<リンク>
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