スター・ウィーク 1999

〜星空に親しむ週間〜

 8月1日〜7日は、スター・ウィーク〜星空に親しむ週間〜です。今年もFAS府中天文同好会のページでは、観望のお手伝いとして星空をご案内致します。


 当会メンバーの多くは都内の市街地に住んでいます。最近は無意味に空を向いた街灯が多く、「光害」(ひかりがい・こうがい)は年々ひどくなるばかりです。しかしそんな場所でも、晴れた日には少なからず星が見られます(特に今年の東京は、かなり澄んだ星空が見られています)。
 「こんな市街地じゃ星は見えないよぉ」と最初からあきらめずに、ぜひ一度空を見上げてみましょう。思ってるよりも、たくさんの星が見えてるはずです。

 もちろん、空の暗いところでは多くの星座や、天の川まで見えることでしょう。たくさんの星座の形をたどってみたいですね。


日没後、約1時間30分の空

 日の入りから約1時間半たつと、夕方の西空の白みも消え、星がきれいに輝き始めます。
 日の入り時刻は当サイトの実験工房で計算できます。
 (図は全天を円に見立てて描いてます。頭の真上(天頂)が、円の中心部になります。)

一番星を見つけよう

 スターウィークの頃、一番星は3つの星が競っています。一つ目はうしかい座のアークトゥルス。0等星でちょっと黄色がかった星です。夕焼けを楽しんでいると、天頂よりもちょっと西の空に輝いています。
 もう一つは南西の空の火星。今年5月頃地球に接近し明るく見えた火星ですが、今は0等星となりました。南西に低く低空のもやの影響を受けやすいのですが、赤い星は薄明中でも目立つのでもしかしたら一番星となるかもしれません。
 3つ目の候補はこと座のベガ。七夕の織り姫星としても知られてます。こちらも0等星でほぼ天頂に青白く輝いています。
 さぁ、今晩の一番星はどれ?

春の星座も見える

 8月と言っても、まだ宵の空には春の星座が残っています。おおくま座の北斗七星からうしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカと続くきれいなカーブは春の大曲線と呼ばれています。春の名残を、夕方の西空にたどってみましょう。

さそり座にチャレンジ

 黄道12星座の一つのさそり座。南に低いので、建物に囲まれた市街地ではとっても見づらい星座の一つです。ところが、赤っぽく輝く1等星のアンタレスをはじめ、星座をかたどる星たちは明るい星が多い立派な星座です。南のよくひらけた場所を見つけて、S字に広がる星座の形をさがしてみませんか。

夜半頃の空

 真夜中頃になると、夏の大三角は頭の真上をこえて、やや西よりへと位置をうつします。空の暗いところでしたら、天の川が北東から天頂通り南西へと大空をまたいでる様子が見られます。

はくちょう座をたどろう

 夏の大三角はこと座のベガ(織女星)、わし座のアルタイル(牽牛星)、はくちょう座のデネブという0、1、1等星の明るい星で三角形を作ります。こと座とわし座は、星座の形をたどるのはちょっと難しいですが、はくちょう座は市街地でも比較的楽にたどることができます。尾にあたるデネブから一直線にのびる胴体と、それと交差する翼の部分。この形が大きな十字形になることから北十字とも呼ばれます。大空に白鳥がはばたく姿を想像することができるでしょうか。

天の川にチャレンジ

 また、はくちょう座は天の川の中にどっぷりつかってる星座でもあります。空の暗いところならば、天の川が中州のようなものを作って、二手に分かれているところまで見られることでしょう。
 ところが市街地でも悲観することはありません。深夜になると街の明かりもちょっとだけ少なくなり、また空も澄んでくることが多いものです。こんなとき、地上の光の影響を受けにくい頭の真上の空は、思っているよりも暗いのです。はくちょう座からカシオペヤ座にかけて、まわりの空よりも、ほんの少し、ぼーっと白っぽく見られたら、それは確かに天の川なのです。今年は、晴れると空がよく澄み渡る日が多いようですので、ぜひチャレンジしてみて下さい。

月・木星・土星

 7月28日に満月となり、部分月食となったは、どんどん細くなりながら明け方の空へと移っていきます。スターウィークの後半では、東の空にのぼってきた木星土星と接近します。
 月明かりがあると天の川が見づらくなるなど、星見をする際には必ずしも歓迎されない月ですが、こういった明るい星との接近は、きれいな光景となりますね。

夏は流れ星が多い

 こうやって空をたどってくると、思わず流星が空をよぎったりすることも多いと思います。夏は流星の多い季節のようです。やぎ群やみずがめ群といった南の空から流れてくる流星群、8/13に極大を迎えるペルセウス群の初期活動に加え、群流星に入らない散在流星と呼ばれる流れ星も、結構流れています。もしかしたら、願い事を3回言えるほどの大流星に遭遇するかもしれませんね。
簡単な流星群の解説はこちら

<リンク>

スター・ウィークのホームページ
 国立天文台の中のスター・ウィークのホームページです。自分だけで見るのはちょっと心細いと言う方は、こちらのページで、各地のイベントを探してみてはいかがでしょうか。

府中市郷土の森星空観測会(8/7)
 当会がスタッフとして参加している毎月の観測会です。8月はスターウィーク協賛イベントとして行います。よろしかったら遊びにおいで下さい。


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