スター・ウィーク 1998

〜星空に親しむ週間〜

 8月1日〜7日は、スター・ウィーク〜星空に親しむ週間〜です。FAS府中天文同好会のページでも毎年、観望のお手伝いとして星空をご案内致します。


 多くの方に星空を見ていただこうという「スター・ウィーク」も、今年で4年目を迎えました。皆さんもぜひこの機会に空を見上げ、星空を眺めてみましょう。

 当会メンバーも多くは都内の市街地に住んでいます。意味もなく空を向いた街灯も多く見られ、いわゆる「光害」は年々ひどくなるばかりです。しかしそんな場所でも、晴れた日には少なからず星が見られます。ですからもし市街地に住んでても、最初からあきらめずにぜひ一度空を見上げて、星を数えてみてはいかがでしょうか。思ってるよりも、知られた星が見えてるかもしれませんよ。

 もちろん、空の暗いところでは多くの星座や、天の川まで見えることでしょう。たくさんの星座の形をたどってみたいですね。


日没後、約1時間30分の空

(東京では20時15分頃)

 日の入りから約1時間半たつと、夕方の西空の白みも消え、星がきれいに輝き始めます。
 日の入り時刻は当サイトの実験工房で計算できます。
 (図は全天を円に見立てて描いてます。頭の真上(天頂)が、円の中心部になります。)

一番星はどの星?

 今年のスターウィーク期間、夕方に明るい惑星がありません。したがって一番星は、いわゆる恒星になるわけですが、どの星だと思いますか?
 候補は二つあります。一つはうしかい座のアークトゥルス。0等星で1等星よりも約2.5倍明るい星です。日本では「麦星」とも呼ばれ、麦の刈り入れの頃の夕方、天頂高く輝きますが、今の時期は頭の真上より西よりです。やや黄色みをおびた色をしています。
 もう一つの候補はこと座のベガ。こちらも同じく0等星です。頭の真上より若干東よりで青白く輝いてます。有名な七夕の「織女星」でもあります。
 さて、ではどちらが一番星でしょうか。夕方は日が暮れた後は西空が明るいので、西空のアークトゥルスは、やや不利です。でも星の明るさはほぼ同じですので、空の条件(もや、薄雲など)によっては、ベガよりも先に見えるかもしれません。これはぜひ皆さんで確かめてみて下さい。

月がきれい

 今年のスターウィークには月がきれいに見られます。7/31が半月、8/8が満月なので、半月から満月に向かって、少しずつ月がふっくらしていく様子が観察されるでしょう。
 月は毎日同じ時刻に見ると、少しずつ星空の中を東に移動してます(月の出が、約50分ずつ遅くなります)。お月見でもなければ、じっくり月を見ることもあまりないので、一つ注目してみるのも面白いかもしれません。図からもわかるとおり、たった一日でも結構な移動量(約12度)です。

夜半頃の空

(東京では0時頃)

 真夜中頃になると、夏の大三角は頭の真上をこえて、やや西よりへと位置をうつします。空の暗いところでしたら、天の川が北東〜南西に空をまたいで見やすい位置にきます。スターウィークの前半は真夜中前に月が沈むので、天の川のような暗いものを見るには、月明かりのないこの頃がおすすめになります。
 (図中、緑色の部分が天の川です)

天の川にチャレンジ

 夏の大三角を見つけると、ちょうどその中央は天の川が横切っていることになります。天の川の西側には織女星のベガ、東側には牽牛星のアルタイルがあり、七夕伝説どおりの位置関係になっています。そして、天の川にどっぷりつかっているのが、デネブのあるはくちょう座となります。
 空の暗い場所で、月明かりがない夜ならば、そんな位置にまるで雲のような「天の川」を見ることができるはずです。ぜひ探してみましょう。
 市街地では街灯などの光が明るくて、天の川を見るのは難しいものですが、全く見られないというわけでもないようです。なるべく街灯が目に入らない場所で空を見上げると、うっすらぼんやりと「何かありそうだなぁ〜」という見え方をすることがあります。特に夕立があった後に晴れ上がった時などはチャンスです。チャレンジしてみませんか?

木星・土星が上ってくる

 夕方の空には明るい惑星がありませんでしたが、真夜中頃になると2つの惑星が見えてきます。
 先に上ってくるのは木星で21時前に地平線から出てきます。真夜中頃には南東の空で、白く明るく輝いています。約−3等というその光度は、1等星よりも約30倍も明るいので、すぐに探し出せると思います。
 つづいて22時半頃には土星が上ってきます。真夜中頃はまだ東の空の低いところですが、夜明けに近づくにつれて高くなってきます。こちらは光度約0等なので、ベガとほぼ同じ明るさです。

秋の一つ星

 真夜中頃になると、こと座、わし座、はくちょう座などの夏の星座にかわり、ケフェウス座、カシオペア座、ペガスス座、アンドロメダ座などの秋の星座が見やすくなります。
 秋の星座は神話でつながってるものが多く、名前は有名なのですが、明るい星があまりありません。秋の星座の中の一等星は、みなみのうお座のフォーマルハウトただ一つです。このため「秋の一つ星」などと呼ばれています。今年は木星があるので、南の空はちょっと賑やかですが、それよりもずっと南の方にフォーマルハウトは輝いてます。ペガススの四辺形や木星との位置関係から、ぜひ探してみて下さい。

<リンク>

スター・ウィークのホームページ
 国立天文台の中のスター・ウィークのホームページです。自分だけで見るのはちょっと心細いなぁ・・・と言う方は、各地のイベントに参加してみてはいかがでしょうか。

府中市郷土の森星空観測会(8/1)
 当会がスタッフとして参加している毎月の観測会です。8月はスターウィーク協賛イベントとして行います。よろしかったら遊びにおいで下さい。


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