スター・ウィーク1997

8月1日〜7日は、スター・ウィーク〜星空に親しむ週間〜です。
今年は情報の掲載が遅れてしまいました。悔しい・・・。


 スター・ウィークも3年目になりました。せっかくのこういった趣旨ですので、多くの方に星空を見上げて欲しいな、と怪鳥は思います。空のきれいなところならもちろん!、市街地の明るい空でも、よく見ればそれなりにたくさんの星が見えることでしょう。
 でもどんな星が見えてるのかわからない。そんな方のお手伝いに少しでもなれば、と思います。


日没1時間後の空

(東京では19時45分頃)

 まだうっすらと薄明が残ってるので、暗い星はまだ見づらい時間帯です。でもかえって明るい星しか見えないから、探しやすいとも言えます。

金星を見よう

 宵の明星金星が、西の空低くに見えます。今年の宵の明星はあまり条件が好くなくて、この時間帯にはかなり低い空になってしまいます。探すときには、もう少し早い時間帯(日没30分後くらい)から見た方が良いと思います。怪鳥は実際に、20分後に見つけたことがあります。もっと早くからも見えてるかもしれません。明るさ自体は−4等と言う、1等星よりも100倍も明るく輝いてます。

火星も見よう

 最近、探査機が到着して話題になった火星が、まだ南西の空に見られます。金星に比べるととても暗く、約1等星です。すぐそばにやはり1等星のおとめ座のスピカがありますが、火星は赤みを帯びて見えるので、区別できると思います。

春の星座が残ってる

 もう真夏ですが、天頂から西空にかけて、まだ春の星座が残ってます。北斗七星からアークトゥルス(うしかい座、0等星)、スピカ(おとめ座、1等星)へと続く春の大曲線をたどってみましょう。終点のスピカのそばには、火星もいますね。

南の空にはアンタレス

 真南の空には、赤い1等星アンタレスが輝いています。火星に似たものと言う意味のこの星(一説には火星の敵?)、火星がだいぶ暗くなってほぼ同じ光度だと思いますが、゚のように見えるでしょうか。星座はさそり座になります。

夏の大三角もよく目立つ

 天頂から東の空にかけては、夏のメジャーどころの星座が勢揃いします。特に夏の大三角を作る星は目立ちますね。3つの星の中で、一番天頂に近く、一番明るいのがベガ(こと座、0等星)です。七夕では織り姫星(織女星)として有名です。
 やや南東寄りの星はアルタイル(わし座、1等星)です。おなじく、彦星(牽牛星)として有名ですね。ベガよりは若干暗いです。
 そしてベガから、北東よりの星がデネブ(はくちょう座、1等星)となります。ベガとアルタイルを伸ばした先には、明るい木星も上り始めてます。


夜半前の空

(東京では23時頃)

 夜中になって、先ほどよりもかなり暗い星が見えるようになります。空の暗い所では、天の川が頭の上を横切ります。(図中の薄い色の帯です。ちなみに怪鳥の住んでいる府中では、滅多に天の川は見ることができません。しくしく・・・) 夏の大三角も天頂にきて、見つけやすくなります(でも、首が痛いかも?)。

ヘルクレスとへびつかいは見えるか?

 やや暗い星で作られているものの、話題の星座です。ヘルクレスは、この夏封切りのディズニーの映画「ヘラクレス」です。星座名ではヘルクレスと書くんですけどね。ベガとアークトゥルスのあいだに位置します。見つけられますか?
 へびつかいは、昨年、13番目の星占いの星座として一躍有名になりましたね(もしまだもやもやしている方がいましたらこちらの私のページへどうぞ)。ちょっと暗めの星で、どでかい将棋の駒の形に並んでます。こちらもやや見づらいですね。

いて座は銀河系の中心方向

 天の川がもし見えたら、それを南にたどると「いて座」にたどり着きます。こちらは銀河系の中心の方向にあたり、暗い空ならば天の川が濃く見えます。星も多く、星雲や星団なんかも多く見えるんですね。もし双眼鏡をお持ちでしたら、この辺りに向けて眺めてるとどこを見てるのかわからなくても飽きないですよ。でも市街地では、結構つまんなかったりしますので、いて座の並びを一所懸命見つけて、暗い空へ思いをはせてはいかがでしょうか。

木星が明るい!

 宵の明星ほどではないのですが、真夜中に南に明るく輝いているのが木星です。−2等ですから、金星が沈んだこの時間帯ではもっとも明るく見える星です。本当は望遠鏡で見ると、4つの衛星(ガリレオ衛星)や縞模様が見えて面白いんですけどね。まー肉眼でも、太陽系最大の惑星がここにあるんだ、と自分を納得させましょう。ちなみに双眼鏡で見たら、かろうじて衛星も存在がわかりました。(両腕を台の上に載せたりして、少し固定するとよいでしょう。)

土星も東の空に

 まだこの時間帯では東に低いのですが、土星も上ってきます。(この時期は惑星がたくさん見えて楽しいですね。)本当は、明け方になると南東の空に高くなって見やすくなります。
 土星と言うと、「環」がある惑星で有名ですね。でもその姿をしっかり見るには、望遠鏡が必要です。望遠鏡であれば、かなり小さなものでも環がある姿がわかりますから、ぜひのぞいてみて下さい。ちなみに双眼鏡では難しかったです。(私には、なんとなく横長に伸びてるように見えました。)

アンドロメダ大星雲は見えるか?

 空の暗いところなら、アンドロメダ大星雲も探してみましょう(図中の「大星雲」の左側の楕円の奴ですね)。肉眼でかろうじてぼんやりと見えます。距離はおーよそ200万光年ですから、そのぼんやりした光とは言っても、ここに届くのに200万年もかかってるんですよー。そう思うとすごいですよね。
 ちなみに双眼鏡を使えば、市街地でも見ることができます(でも、かなり澄んだ空を狙って下さいね)。


番外編

人工衛星ミールを見よう!

 この時期、夕方の空に人工衛星ミールが見られます(例えば東京では、2日の夕方19時48分頃、4日の夕方19時30分頃)。空の暗いところならば多くの人工衛星が見えますが、ミールは−2〜0等くらいで一際明るく、迫力があります。詳しくは三島君のページをご参照下さい。JAVAによる予報などがあります。(そういえばミールのトラブルって大丈夫なんですかねー)


 ・・・と言うことで簡単ではありましたが、怪鳥版の星空解説でした。なにかのお役に立てたらいいのですが・・・。

 そして、スター・ウィークだけでなくても、星はいつも輝いてますから、ぜひこれをきっかけに星に触れ合ってもらいたいなぁと、怪鳥は思うのでした。


<リンク>

スター・ウィークのホームページ
 国立天文台の中のスター・ウィークのホームページです。自分だけで見るのはちょっと・・・と言う方には、各地のイベントに参加してみてはいかがでしょうか。

府中市郷土の森星空観測会(8/2)
 なぜか上のページの情報には載ってませんが、しっかりスター・ウィークに協賛という形で行います。よろしかったら遊びにおいで下さい。当会がスタッフとして参加してます。


メールはこちら



FASのホームページへ戻る