まもなく落下するミールステーションの情報をまとめました。
廃棄が決まったミールステーションは、3月9日現在、地上約250km上空を約90分の周期で周回中です。この後、モジュール「プログレス」によりエンジン噴射を数回行い、大気圏へと突入させる模様です。
突入の期日は当初3月6日とされていましたが、その後延期され、3月23日に落下が決定しました。
(※上記模式図は報道やこのサイトを参考に作成しました。実際に自分でもシミュレーションしてみようと思ったのですが、大気による減速のしくみが把握できず、うまいこと落下してくれませんでした(^^;)
人工衛星が落下する場合、多くのものは大気圏に突入し大気との摩擦で高熱となって燃え尽きます。しかし、ミールステーションは巨大なため、多くの部品が燃え尽きずに地上に落下すると考えられてます。
ミールステーションの落下は、最後のエンジン噴射で減速し高度を下げ、日本上空を通過した後、太平洋西部上空で大気圏に突入し、太平洋南部の海域に落下する模様です。
落下直前に日本上空を通過するため、日本への落下を危ぶむ声が聞かれますが、滅多なことがない限りきちんと制御され、無事落下することでしょう。
情報から知りうる限り、大気圏に突入するのは日本をかなり過ぎてからなので、その燃え尽きる姿を日本から見ることは難しそうです(一部早めに燃え尽きる部品が見られるかもしれない、という情報もあります)。
当初予定されていた3月13日であれば、この軌道に乗る時間帯が日本の日没直後にあたるため、(通常の人工衛星と同様に、上空の太陽光を反射した)落下直前のミールの姿が見られるはずだったのですが、20日頃に延期されたことで、これも無理になりました。
20日に落下する場合、日本上空を通過するのは日没前の昼間の時間帯になるようです。
なお、ミールステーションは、3月9日〜15日頃、夕方の空で見ることができます。おそらく最後の姿となるはずですので、ぜひこのチャンスに見ておきましょう。
光度は0等〜−2等くらいと考えられます。肉眼でも移動していく姿が十分に捉えられます。
●東京の場合
3月9日 19時10分頃 北北西の低い空(北西→北方向) 3月10日 19時 3分頃 北の低い空(北西→北方向) 3月11日 18時55分頃 北北東の高い空(北西→天頂付近) 3月12日 18時46分頃 南西の高い空(北西→天頂付近→南南東方向) 3月13日 18時36分頃 南西のやや低い空(西北西→南西→南南東方向) 3月14日 18時26分頃 南西の低い空(西→南方向) 3月14日 18時15分頃 南西の低い空(西→南方向)
各地の予報は下記を参考にして下さい。
このモジュールにより燃料の補給を受け、引き続き姿勢制御されるミールは、最終的には3月6頃、太平洋南西部の海上を目指して落下することになります。この際、落下直前に日本上空を通過するものと見られます。
このため、誤って日本に落下する可能性について危ぶまれる声もありますが、何事も起こらなければ、落下途中のミールの姿を楽しむことができることでしょう。
なお、ミールステーションは、近いところでは1月27〜30日頃の明け方の空で、見ることができます(約-1〜-2等)。そろそろ観望のラストチャンスとなってきました。