1999年8月11日の日食の情報

 8月11日、ヨーロッパからアジアにかけて皆既日食が見られました。こちらの情報です。


当日の状況など

 西ヨーロッパでは、悪天で見られなかったところが多かったようですが、東ヨーロッパ〜中東地域ではきれいな皆既日食が見られたようです。

 日本では思ったほど生中継がなく、残念でした。地上波ではNHKニュース9でイランからの映像を生中継してました。NHKニュース7では中継が予定されていたようなのですが、悪天だったためか上空からの録画映像が流れただけでした。
 このほか、CSデジタル系ではNNN24(NTV系)で短時間ながら特別番組が放映され、イギリスから雲を通したコロナや、上空からの映像などが生中継されました。

 海外のニュースではCNNやBBCで生中継が行われました。特にBBCではイギリスからパキスタンまで生中継され(その後インドの画像も放映された模様)、非常に頑張っていました。第3接触が中継されないなど番組構成には不満があったのですが、多くの地点の映像が見られたことには満足しました。


日食の画像が見られるサイトなど


気象衛星による地上に映った影


 ちょっとわかりにくいのですが、アメリカの気象衛星GOES-8の画像です。画面右上にいびつな形の影が映ってます。19時(日本時)頃の画像で、イギリス南部にさしかかった頃です。

(画像は、NASAおよびハワイ大学により作成・公開されている画像を、怪鳥がホームページ用に加工したものですので、取り扱いにご注意下さい。)


各国の報道画像

(更新されて内容が入れ代わっていたり、リンクが途切れていたらごめんなさい)


以下事前情報

日食の概要

 右図はこの日食が見られる範囲です。月の本影は、まず大西洋に影を落とし、その後ヨーロッパ大陸、アジア大陸を横断し、インド東部で地球から離れます。この影の通過する細い帯状の部分で皆既日食が見られます。
 またこの周辺の部分では部分日食となります。北半球の陸地のかなりの部分で部分日食が観察できるのですが、残念ながら日本は区域外になり、日食は見られません(時間的には、日没後に日食が始まることになります)。

(右図は、竹迫さん作成のフリーソフト「EMAP」に若干手を加えてて作成したものです。竹迫さんのホームページ「古天文の部屋へようこそ」はこちらです。)

 上図は、皆既帯の通過する陸地部分の拡大図です。

 18:30頃(日本時・以下全て)に大西洋北部に落とされた影は、その後東に移動して19:11頃にイギリス南部に上陸します。そしてフランスに再上陸し、ベルギー、ルクセンブルク、ドイツ、オーストリア、スロベニア、ハンガリー、ユーゴスラビアの各国の一部を通過し、ルーマニアで食の最大を迎えます。食の最大は20:03頃で皆既食は2分23秒に及びます。影はその後ブルガリアを経て黒海を渡ってアジアに入り、トルコ、シリア、イラク、イラン、パキスタン、インドの一部を通過して、21:36頃インドの東方海上で地球から離れます。

 当会メンバーの遠征計画は今のところないのですが、今回の日食にも日本からも多くの観測ツアーがあり、イラン、トルコ、ブルガリア、ルーマニア、オーストリア、ドイツ、フランスなどに遠征が予定されてます。

 また、2000年には皆既日食がないため、まさに今世紀最後の皆既日食となります。

(なお、上図はシミュレーションソフト「GIDE」を使用し、アレンジして作成しました。「GUIDE」のホームページProject Pluteはこちら。)


お薦めリンク

LIVE!ECLIPSE99
 日食のライブ中継を精力的に行っている、プロジェクト「LIVE!ECLIPSE」です。今回はなんとイギリス、フランス、ドイツ、ハンガリー、ルーマニア、トルコ、イランの7地点からの中継が予定されています。


天show伝言板

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