3月20日夕刻、関東地方以北で土星食が見られました。こちらの情報です。
[観測報告]
(当会吉野さん撮影)
当日は全国的な晴天に恵まれ、各地とも絶好の天候のなか、この現象が観測されました。当会でも多くの人が観望しました。(が、一部仕事などの都合で、見られなかった人もいたようです。この辺り、平日の早い時間帯の現象に泣かされました。)
怪鳥は諏訪の日赤病院の駐車場で、観望にのぞみました。地球照の残る月に吸い込まれる土星の姿は絶景そのものでした。出現時は、たまたま月面のくぼみの辺りから土星の環が出てきたため、その存在にしばらく気づきませんでした。しかし出現が欠け際だったため、土星と月面との輝度差が思ったほど大きくなく、見つけたあとは楽な観望をすることができました。宇宙空間でたまたま月と土星が同じ方向にあり、土星は月より3615倍も遠くにある、そんなことがダイナミックに感じられる現象でした。
●画像報告
吉野さんがデジカメで撮影した画像です。よろしかったらご覧下さい。
以下は事前に掲載した情報です。
[概要]
3月20日夕刻の19時〜20時頃、関東以北で土星が月に隠される「土星食」が見られます。
右図は土星食が見られる範囲です。図中の中央のラインよりも北側で月に完全に土星が隠される食となります。またライン上では、土星が一部だけ月に隠される接食(部分食)となります。
またこのラインの下側は、残念ながら食が起こりません。しかし月の近くを土星が接近していく様子が楽しめることでしょう。
[主な現象時刻]
以下に主な観測地における、現象時刻を掲載します。左側は月に隠れ始める時刻、右側が月から出現し始める時刻です。土星は面積体なので、隠れる際も出現する際も、それぞれ数分かかります(札幌:約1分半〜府中:約4分)。また鎌倉では、約11分間部分食が継続します。
観測地 隠れ始め 出始め
札 幌 19:17頃 20:21頃
青 森 19:21頃 20:19頃
仙 台 19:30頃 20:15頃
新 潟 19:30頃 20:12頃
金 沢 19:35頃 20:01頃
府 中 19:44頃 20:00頃
鎌 倉 19:49頃 ※部分食が約11分継続
[実際の様子]
左の図は土星が月に隠される様子です。土星は月の輝いていない側から隠れ、明るい側から出現します。北の札幌や青森では、どっぷり隠れますが、関東地方の府中では、隠れた後、すぐ出現します。
また大阪では、残念ながら食になりません。
府中・青森のさらに詳しい図
肉眼や双眼鏡では、土星が月に徐々に接近し、そしてじわじわと暗くなっていく様子が楽しめることでしょう。
しかし、土星食の醍醐味は環のある土星の姿が、少しずつ土星に隠されていく様子です。これには望遠鏡が必要となります。特に隠されていく時は、月の暗い縁に少しずつ土星がまさに「食べられている」ように隠れていく様子が観察できるでしょう。
一方、出現時は、月の明るい縁からの現象になります。土星は0等級と明るいのですが、月はさらに明るいため、その明るさの差が激しく観察は多少難しくなります。特に肉眼では、難しいことでしょう。
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