2003年5月7日の水星の太陽面通過

 5月7日、昼過ぎより水星の太陽面通過が見られました。


●概要

 地球より内側を回る水星・金星は、時どき太陽と地球を結ぶ直線上を通過し、太陽面上を黒い点が通過していく現象が見られます。これが太陽面通過(日面通過)現象です。
 水星の太陽面通過は、1999年11月16日早朝以来、約3年半ぶりの現象でした。

 水星は、この日14時11分頃から太陽面上にさしかかり、16分頃に完全に太陽面の中に入り込みました。その後現象は日没(水星没)まで続きました。
 全国的に天気は悪かったのですが、関東方面は天気の崩れが遅く、各地で観測できた模様です。ここ府中でも、潜入〜14:50頃までのおよそ40分間は晴れ間にあたり観測できました。その後は厚い雲に覆われ、ときおり雲間から見られるにとどまりました。

●速報画像

 怪鳥はこの日、5cm屈折+Or40mm+8mmビデオのコリメートによる撮影を行いました。雲があって露出などがバラバラですが、現象前半の画像を掲載いたします。

14:11:45
ほぼ現象開始時刻。
でも全くわかりません。
14:13:30
約2分経過。
太陽の縁が少しへこんだのがわかります。
14:14:30
約3分経過
かなりへこんできました。
14:17:02
第二接食から約1分。
ようやく画面で完全に中に入り込みました。
14:19:00
第二接食から約3分。
かなり入り込んだのがわかります。
14:25:00
ちなみに中央右にあるのは
大きな黒点です。
14:30:00
順調に通過中。
14:34:28
かなり雲が出てきてしまいました。
14:40:00
画像の中の太陽が左に寄ってきたのは
極軸合わせが不十分だったからです。
14:45:00
再び雲に襲われます。
 
14:50:00
かなり内側に入り込みました。
残念ながらこの直後、厚い雲に覆われて撮影は断念。
その後は16:50頃に薄雲から少し太陽がのぞいたので、眼視で確認しました。
水星は黒いけど、小さいですね。

●リンク


●今後の太陽面通過現象

■水星の太陽面通過:
2006年11月 9日 日の出〜9時10分頃
2016年 5月 9日 (日本では見られず)
2019年11月12日 (日本では見られず)
2032年11月13日 15時40分頃〜日没

■金星の太陽面通過:
2004年 6月 8日 14時11分頃〜日没
2012年 6月 6日 7時10分頃〜13時47分頃
 なお、前々回(1874年12月9日)の金星の太陽面通過は、日本で条件よく観測されました。長崎ではフランスのジャンサン氏一行が観測に成功し、これを記念した長崎金星観測碑がありました。


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