2001.1.3〜4 Time min Ls h Lm Cl All Qua HR CHR ZHR Obs. Rec. --------------+--+-------+-----+----+--+---+---+----+----+-----+------------+------------ 00h10m-00h40m 30 283.32 11.4 5.3 2 6 4 8 18 201 菊地 信哉 寺久保 一巳 00h40m-01h10m 30 283.34 15.2 5.8 2 13 5 10 17 129 佐藤 幹哉 寺久保 一巳 01h10m-01h40m 30 283.37 19.3 5.8 1 10 7 14 22 114 寺久保 一巳 今石 正夫 01h40m-02h10m 30 283.39 23.6 5.3 1 4 3 6 12 46 今石 正夫 佐藤 幹哉 02h10m-02h40m 30 283.41 28.1 5.3 1 19 14 28 55 169 小林 勝之 寺久保 一巳 02h40m-03h10m 30 283.43 32.8 5.8 1 17 10 20 31 78 寺久保 一巳 佐藤 幹哉 03h10m-03h40m 30 283.45 37.5 5.6 1 36 26 52 88 185 佐藤 幹哉 今石 正夫 03h40m-04h10m 30 283.47 42.4 5.4 1 23 16 32 60 108 今石 正夫 寺久保 一巳 04h10m-04h40m 30 283.49 47.3 5.5 1 18 13 26 46 73 寺久保 一巳 佐藤 幹哉 観測地:静岡県伊東市 ※なお雲量は、視野内を遮蔽する山(林)の分を雲量として換算しました。左から、開始-終了時刻(Time)、観測時間(min)、太陽黄経(Ls,2000)、輻射点高度(h)、最微星光度(Lm)、雲量(Cl)、全流星数(All)、しぶんぎ群流星数(Qua)、一時間当たりの流星数(HR)、修正一時間流星数(CHR)、天頂修正流星数(ZHR)、観測者(Obs.)、記録者(Rec.)です。
しぶんぎ群の極大は複雑で、従来の日本の観測から得られたものでは一つ目が3日19時頃(極大1)、二つ目が4日の2時頃(極大2、ともに日本時)と言われています。このため、今年は4日の明け方に期待がもたれました。
またIMO(国際流星機構)による、3日20時半頃(やっぱり日本時)という極大の報告もあります。
実際の当夜のしぶんぎ群は、前半非常に低調でした。これは輻射点高度が低いため、実際に観測される流星数がかなり少なくなるという影響も多分にあったのですが、それでも極大が予想された2時頃まで1時間あたり10個前後(HR)というのは、少ない印象でした。
しかしその後2時を過ぎて突然活発な兆しが出始め、3時20分からはかなり活発な出現となりました(グラフ参照)。最大HRは52(3:10〜3:40の30分に26個)で、ペルセ群やふたご群に匹敵するような値となり、1分間に4個出現するなどという現象も見られました。
この後は流星数は落ち着き、それ以上となることはありませんでした。強風のため当会の観測は4:40で終了しました。
しかし国内他の観測によると、4時以降、5時半頃までかなりの活発な出現が見られたようです。残念ながら今回は、そこまで確認することはできませんでした。
輻射点高度による補正を加えたZHRでは、前半もかなり活発であった様子がうかがえますが、当会で用いている方法(NMS方式)の修正方法では、過修正の可能性も高いです。
さらに、ZHRについて、過去の当会の観測データに今年の観測を加えてみたのが右図です。
これによると、今年は極大2の部分に当たる部分を観測していることがわかりますがますが、この極大2の部分の出現状況は、年によりかなり複雑に推移しているように感じられます。
来年は、図中の極大1の終わりから極大3の部分が観測されます。極大3は海外で確認されている極大で、昨年・今年と観測されているようです。過去当会ではそれほど活発な出現を確認していませんので、楽しみです。
なお、4年ごとにほぼ同じ太陽黄経となります。これは1年が365.2422日であり、4年に1度うるう年で調整している影響です。来年2002年は、1998年や1994年とほぼ同じ場所が観測できることになります。
太陽黄経は、おおざっぱに太陽系内での地球の位置を表す値で、定常的な流星群では、毎年ほぼ同じ位置で極大を迎えます。太陽黄経については当ページ内の実験工房で計算(時刻の逆算も)することができます。