航空機と火球の見間違いについて
ときどき、航空機が、あたかも火の玉のように見られることがあります。次の点をぜひチェックしてみてください。ほとんどの項目に該当する場合は、航空機の可能性が高いです。
- 30秒以上の長時間見えている
火球は、多くの場合、継続時間は数秒間です。空を大きく横切るような場合でも、長くても十秒強です。したがって30秒以上見えるようなケースは火球ではありません。特に数分間も見える場合は、人工衛星の落下でもなく、該当するのは航空機ぐらいとなります。
- 日没の直前・直後の時間帯である
- 西空(南西〜北西)の低い空である
日没の直前・直後に、西空を航空機が飛来すると、日光があたりとても明るく、本当にとても輝いて見られます。これは反射角が大きいため、日光を鏡のように反射するためです。
航空機自体がとても輝くケースもありますし、航空機から短いひこうき雲が出ていて、これが黄色に明るく輝くケースもあります。
日没時刻はこちらのページで調べられます。ご利用下さい。
- 色は金色・黄色・オレンジ色などである
航空機の場合、上記の通り太陽光を反射して輝きますので、黄色〜オレンジ色などに見られます。もちろん、このような色の火球は存在しますので、色だけから航空機だと判断することはできません。しかし逆に、青や緑に輝く航空機はないということです。青や緑の色の場合は、火球の可能性が高いです。
- ひこうき雲とは違う、短くて、あたかも燃えているような尾を持つ
ひこうき雲というと、いつまでも筋が残る雲を想像しますが、上空の水蒸気量がそこまでは多くない場合、航空機から短いひこうき雲が、常に一定の長さで、航空機を取り巻いているように見えることがあります(雨中のF1レース等で、ウィングの先から煙のように短くたなびく霧が見えるのと同じです)。
これが日光を反射しますと、まるで何かが燃えているように見えます。航空機自体にも日光があたっている場合は、中心が金色に輝いて見えますし、航空機は影の部分をこちら側に向けているときには、中心が黒くなっている場合もあります。いずれにしても、まさに「火の玉」のように見られます。
もちろん、火球もしばしば尾をひいています。ただ航空機も、ごく普通に尾をひいて見えるので、紛らわしいということなのです。
- 航空機よりも遅い
変な話ですが、航空機よりも遅いので、航空機ではない、という方がいらっしゃいます。もちろん火球は航空機よりもはるかに速いので、そのようなものは火球ではないのですが。
実は火球と紛らわしく見える航空機は、普段見ている航空機よりとても遅く感じられるケースが多いです。前述の通り、火球と紛らわしい航空機は、西空の低空を移動していますが、この場合航空機が地平線の向こう側へと移動しているからです。このため、飛んでいる後方(あるいは斜め後方)から見ていることになるので、普段空を横切る航空機よりも、ずっと遅く感じられるのです。
・・・ということで、航空機が火球と紛らわしく見える状況につきまして、説明させて頂きました。ぜひ参考にしてください。
とは言いましても、判断がつかないという場合はとても多いと思いますので、疑わしい場合は遠慮なくご報告下さい。火球かどうかは、ご報告された内容を吟味しまして、当方で判断させていただいております。
<当方が撮影した“輝く航空機”の画像> |
市原で見かけた太陽光を反射して輝く航空機。 | 左図の拡大。短い尾(ひこうき雲)をひいている。 |
火球情報に戻る