1996年8月15日の火球情報

1996年8月15日23時8分頃、中部地方で火球が見られたようです。


<目撃情報>

 8月15日23時10分頃、当会会員の寺久保さんが、山梨県の乙女高原で天体観望中、非常にゆっくりとした火球を目撃しました。
 気づいた時、火球はいて座の木星付近にあり、このあとへびつかい座、かんむり座、うしかい座などを経由しておおくま座のη星(北斗七星の柄の一番先の星)近くまで流れていったそうです。初めは−2等で、うしかい座の辺りに達する頃は−4等程に増光、その後うしかい座とおおくま座の境界付近で3〜4個に分裂しました。この間は約5秒にも及び、速度が非常にゆっくりであったこともあり、寺久保氏は人工天体の落下ではないかとも思ったそうです。

 以下は8/17に、報告用として寺久保さんが記憶から記入した経路です。

観測地:山梨県 牧丘町 乙女高原
    東経 138度39分 北緯 35度48分付近

また、厚木市の公平さんから、この火球を目撃したとの情報をメールで頂きましたので、掲載させて頂きます。なお、この情報は日本流星研究会の方へも報告させて頂きました。
(以下メールから転載)

流星目撃報告

 1996年8月15日23時09分(GPSにて確認)に厚木市妻田向市場交差点において、真西の空(仰角約15度)から北北西方向へ、地平に対し約8度の傾きで非常にゆっくりと落下する流星(火球)を観測しました。
 観測時間は約5秒で移動速度は非常にゆっくりしていました。明るさはかなり明るく、旅客機の燈火程度で、色はオレンジ色と白が混ざったような色合いでした。
 最初は飛行機かとも思いました。しかし軌跡が全くの直線で(若干光量が増していったよう)かつ見えなくなる(家の影に隠れる)直前に花火のように後方へ1,2個飛沫があがったため流星(火球)と確信しました。(転載終わり)

公平さん、貴重な情報のご報告、ありがとうございました。

<実際の飛行経路情報>

 なおこの火球は、中部地方を中心に広範囲で見られており、岐阜県から富山県方面に流れていったとのことだそうです。現在の集計では、消滅点は富山湾〜能登半島の30km以上の上空になるようで、残念ながら隕石落下の可能性は低そうだとのことです。


 天showのコーナーへ FASのホームページへ戻る