10月3日、熊本県の宇都宮さんが、新しい彗星を発見しました。彗星は宇都宮彗星と名付けられ、現在約10等で見られております。
春のヘール・ボップフィーバー以来、明るめの彗星は皆無でしたが、久々に眼視的に観測が可能な彗星です。しかしながら10等というのは若干暗く、最低でも10cmクラスの望遠鏡が必要となるでしょう。
太陽に最も近づくのは12月10日頃で、彗星自体はこの頃に最も明るくなると思いますが、地球とは10月10日に距離が一番短くなり、その後離れてしまいます。このため、しばらくはおよそ10等を保つものの、それ以上には明るくならないようです。
宇都宮彗星は発見当初はケフェウス座におり、10月前半は、ほぼ一晩中観測が可能です。その後徐々に南下していくにしたがって、夕方が観測好期となります。
右図は宇都宮彗星の概略位置の推移
この日、怪鳥はジャコビニ流星群の観測に出かけましたが、その際にこの新彗星を観望してきました。なかなか星が多い場所で彗星像は見つけにくかったのですが、約10等でなんとか見られました。尾やコマの形状はよくわかりませんでした。ただ、中央に明るい点があり、中央集光はしっかりしていました。
観測地:山梨県鳴沢村芝生公園
観測機材:15cmマクストフ・カセグレン(f=1500mm)88倍
天頂プリズム使用
シーイング:4/10、透明度:5/5